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2017.09.01
苔の緑が神秘的な神社から、紅葉が美しい渓谷まで。ぐるっと白山パワーチャージ旅
今年は日本三名山のひとつである「白山(はくさん)」の開山から1300年の記念の年。石川、福井、岐阜をまたぐ白山エリアには、雄大な景色、古来からのパワースポット、自然に育まれた山の恵みのジビエや日本酒など、知られざる見どころやグルメがたくさんあるんですよ。今回は、絶景&パワースポットを巡る1泊2日の白山の旅をご案内します。

白山信仰の原点。2000年以上の歴史をもつパワースポットへ

「北弥陀ヶ原ハクサンコザクラ」。白山は標高2702メートル。石川・福井・岐阜の各県に登山口があり、さまざまなルートでのトレッキングを楽しめる
由緒ある歴史と自然あふれる霊峰・白山。奈良時代の僧・泰澄大師(たいちょうだいし)が開山してから、今年で1300年。古来から山岳信仰の対象であるこの山を中心に、石川・福井・岐阜の3県にまたがる山麓の地域では、豊かな自然と文化に触れることができます。

「白山山頂御前峰から見た夜明け」。開山1300年を記念し、白山エリアではさまざまなイベントが開催されている
白山麓から山頂へのルート「禅定道(ぜんじょうどう)」の拠点となった神社が、三県にひとつずつあります。石川県の「白山比咩(しらやまひめ)神社」、岐阜県の「長滝白山神社」、福井県の「平泉寺白山神社」が、「三馬場(さんばんば)」と呼ばれ、現在も白山信仰の中心になっています。白山三馬場の御朱印めぐりで良い運気を呼び寄せましょう。

左:「白山比咩神社」。ご祭神は縁結びを司るとされる。中央:「平泉寺白山神社」。中世に巨大な宗教都市として栄えた。右:「長滝白山神社」。鎌倉・室町時代の文化財を数多く所蔵

合掌造りの集落が美しい白川郷

114棟の合掌造り家屋と伝統文化が残る白川郷
旅の始まりは、世界遺産にも登録されている岐阜県の「白川郷」から。伝統的な合掌造りの家が立ち並び、農村の美しい原風景が広がります。 村をぐるっと回ったら、白川村の農産物や特産品が販売されている「道の駅 白川郷」へ。人気のスイーツ「白川郷やみつきチーズケーキ」は、村で1つずつ手作りされたもの。クリームチーズをたっぷり使った濃厚なケーキをおみやげに選んだら、紅葉めぐりのドライブへ出発です。
「白川郷やみつきチーズケーキ(1ホール15センチ・1800円)」
道の駅 白川郷
ミチノエキシラカワゴウ

紅に染まる滝や渓谷の絶景!秋の彩りを楽しむドライブ

平成28年ホワイトロードフォトコンテスト部門賞・秋「錦秋のホワイトロード」。国見展望台より撮影
岐阜県の白川郷から、有料観光道路「白山白川郷ホワイトロード」をドライブして石川県白山市へ向かいます。 標高約600~1450メートルのこの観光道路には、四季の美しさを感じられるビュースポットがたくさん。秋はドライブしながら紅葉観賞ができます。道中、「姥ヶ滝」や「ふくべの大滝」からの景色を楽しみながら目的地へ。

平成28年ホワイトロードフォトコンテスト・特別賞「競演」。栂の木台駐車場付近より撮影
現在、白山開山1300年を記念して石川・福井・岐阜の3県周遊フォトコンテストが開催中(2018年1月まで)。マイカメラに凝る人に向けた「本格派部門」のほか、インスタグラムから投稿できる「お気軽部門」もあるので、あなただけの白山の姿を見つけて応募してみて。
フォトコンテストのリンク先はこちら
白山白川郷ホワイトロード
ハクサンシラカワゴウホワイトロード

秋から冬のお楽しみ。白山特産のジビエを堪能

「鹿肉のシチュー」単品800円、セット1380円
北陸自動車道小松ICから車で50分。石川県白山市にある「CRAFT WORKS ER(クラフトワークスイーアール)」は、猟師でもある長田さんご夫妻が営むお店。レザークラフト教室や、革製品の販売を行っています。こちらでは、白山麓の新鮮なジビエ料理もいただけます。とろとろに煮込んだ「鹿肉のシチュー」や「猪肉のカレー」のほか、来店が猟のタイミングに合えば、希少な部位を使ったメニューを味わえることも。 食後には白山の清流を使用したコーヒーでひと息つきましょう。
CRAFT WORKS ER
クラフトワークスイーアール

天然温泉と地元のお酒で旅の疲れを癒す宿

白山登山プランや秋限定グランピングプランなどが充実。内風呂や貸切風呂付きの部屋もある
一日の締めくくりは、天然温泉のあるホテルへ。白山市の「一里野高原ホテルろあん」へは、北陸自動車道小松ICから車で50分。源泉かけ流しの、柔らかくまろやかな湯触りが特徴の温泉に入浴できます。木々に囲まれた露天風呂では、白山の森からただようマイナスイオンを感じてリラックス。旅の疲れも癒されます。
岩魚や飛騨牛、ジビエ、白山堅豆腐などの名物をいただける
季節の食材を使った宿の料理といっしょにいただきたいのは地元のお酒。白山・手取川水系の自家井戸から採取した原料水を使い、白山市内で醸造させるなど、きびしい品質基準をクリアした日本酒「白山菊酒」がおすすめです。
伝統的な製法の日本酒、白山の伏流水を使用したビールなど種類も豊富
白山の恵みを存分に味わいながら、更けゆく夜を楽しみましょう。
一里野高原ホテル ろあん
イチリノコウゲンホテルロアン

美しい苔に覆われた「平泉寺白山神社」を参拝

杉林に囲まれた苔の境内。旧参道の石畳は約500年前に作られたとされる
二日目は、国道157号を通って福井県勝山市にある「平泉寺白山神社」へ。境内には白山開山の祖・泰澄大師が、白山の女神に出会ったという御手洗池があります。参道の杉の大木と苔のじゅうたんが美しく、静謐な雰囲気を感じられるパワースポット。深呼吸すると、心も体もリフレッシュできますよ。
平泉寺白山神社
ヘイセンジハクサンジンジャ
0779-87-6001
白山平泉寺歴史探遊館 まほろば
http://www.city.katsuyama.fukui.jp/heisenji/mahoroba/
白山平泉寺歴史探遊館 まほろば

幻想的な“天空の城”がある大野でいただくもっちりお団子

雲海と越前大野城を収めたいときは、お城から約1キロ西にある展望スポット・戌山城址から撮るのがベスト
国道157号に戻り、少し南へ向かいます。 かつて城下町として栄えた大野市の中心部・標高249メートルの亀山には「越前大野城(えちぜんおおのじょう)」が今もそびえています。ふもとの城下町が雲海に包まれる日には“天空の城”を見ることができると話題。雲海に見え隠れする越前大野城の幻想的な風景は、古(いにしえ)の大野に迷い込んだかのような気分になります。
越前大野城
エチゼンオオノジョウ

大野市は、名水の里としても知られ、蕎麦や豆腐といった水を活かしたグルメも豊富です。 福井県産のコシヒカリと越前大野の名水を使い、アラレや団子を作る「米の菓 ゆめすけ」。モチモチ感と豊かな米の風味が味わえる「夢助だんご」は、あんこやみたらしなど14種類があります。店頭だけでしか食べられない、バリエーション豊かな月替わりの団子にも注目。
米の菓ゆめすけ
コメノカユメスケ

風情漂う水路の小京都。郡上八幡さんぽ

「野菜スティックつきヘルシーセット」は1480円。季節の野菜が楽しめる
大野市から、紅葉の美しさでも知られる九頭竜湖を眺めながら走り、越前街道を岐阜方面へ。水路のある風情ある町並みの岐阜県・郡上八幡へも立ち寄りましょう。 「蕎麦処 俄(にわか)」では、地元の酒蔵の仕込み水と郡上産の蕎麦の実を100%使用し、石臼で挽いたそばをいただけます。郡上味噌を使った「野菜スティックつきヘルシーセット」が女性に人気。2階からは吉田川を眺めることができますよ。
蕎麦処・古地鶏石焼 俄
ソバドコロコジドリイシヤキニワカ

コースター制作体験は1300円(販売商品は1500円)。硬い栗材に、12種類ある多治見タイルから選び嵌め込んでいく。30分ほどで完成
今年7月にオープンしたセレクトショップ「器用人(きようじん)」。“岐阜県内の会社が作る高品質な木製品”をコンセプトに、ひとつひとつ丁寧に生み出された食器やおもちゃなどが並んでいます。定期的に開催している木製の雑貨ワークショップでは、希少な「多治見タイル」を使用したコースターや鍋敷きが人気。旅の記念品をぜひ手作りしてみては?
器用人
キヨウジン

白山の麓で過ごす秋の週末

今回案内したルートでは、東京から白川郷までは車で約5時間半。帰りの郡上八幡から東京までは4時間15分ほど。高速バスを利用して東京から金沢まで行き、電車やバスでのんびり移動する旅もいいですね。 ご紹介した以外にも、白山エリアではすてきな紅葉スポットや地元のおいしいグルメに出会えます。開山1300年の歴史を感じながら、旅を楽しんでくださいね。 今度の週末は、秋ならではの楽しみがたくさん見つかるすてきな時間を過ごしてみませんか?
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朝光 洋理
環白山広域観光推進協議会

本会は、豊かな自然資源、動植物、温泉、独特の文化等多彩な観光資源を有する白山を中心とした、石川県、岐阜県、福井県にまたがる地域の観光振興について、 県域を越えて広域的に推進し、地域の活性化と交流の促進を図るために設立されました。
「ぐるっと白山1300年特設サイト」
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