ビストロから始まったベーグルのお店・西荻窪『ポム・ド・テール』|by PARISmag
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ビストロから始まったベーグルのお店・西荻窪『ポム・ド・テール』|by PARISmag

毎日の暮らしのなかで少しだけ心が弾むような豊かさをお届けするWEBマガジンPARIS mag(パリマグ)から、今回は西荻窪にある『ポム・ド・テール』をご紹介します。

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新旧の名店が集まる西荻窪、そこに日本における「ベーグルのパイオニア」といわれるお店があります。その名は『Pomme de terre(ポム・ド・テール)』。

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オーナーの工藤さん

当時、まだ馴染みのなかったベーグルを世に送り出したきっかけとは?そして、おいしいベーグルの秘密についてオーナーの工藤美幸さんにうかがいました。

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デリが充実している意外な理由

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取材中もひっきりなしにお客さんが訪れます。午前中には売り切れになってしまうメニューも!

店名の「Pomme de terre」はフランス語で“大地のりんご=じゃがいも”という意味。「ベーグルとどんな関係が?」と不思議に思っていたら実は、お店のなりたちに理由がありました。

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本格的なテイストのフレンチ惣菜がずらり。夏にはじゃがいものスープ「ビシソワーズ」登場するそう

「実は、もともとベーグル屋ではなかったんです。ビストロとして2003年にこの場所にオープンしたのが始まりです。一緒にお店を立ち上げた松尾と私はフランス料理学校の同級生で、当時は彼が料理担当、私がお菓子担当。パンの作り方は学校で習っていたものの、修行するという機会はありませんでした。私は旅行記を読むのが大好きなんですけど、その中にベーグルが紹介されていたんです。 当時すでにベーグルを売っているお店もありましたが、いわゆるソフト系ベーグルだったので自分が想像するムギュっとしてモチモチしているベーグルとは違いました。そこで自分の理想のベーグルを趣味で作るようになり、少しずつお店でも提供し始めたんです」。

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開店当初はイートインがメインのビストロだったのに、なぜベーグル専門店になったのでしょうか? 「ベーグルを売り始めたころは、全く売れない日もありました。ところが、ある日仕事帰りのサラリーマンの方が全部買ってくれたんです。気になってお話を聞いてみたら、ニューヨークで働いていたときにベーグルが好きになったと教えてくれました。その方からアドバイスをいただきながらベーグル作りを続け、今に至ります」と工藤さん。 本場のベーグルに馴染みのある方が常連になってくれたことで、ベーグルの販売も軌道に乗り始めたといいます。また、全国的に有名になったのはブログが大きく影響したそう。

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当時はまだSNSがなくブログが主流の時代。全国のベーグル好きの方がお店のベーグルをブログ紹介してくれるようになり、ブロガーさんのオフ会もお店で行われていたのだとか!その頃から急激に全国的に知られるようになり、ベーグル目当てに来てくださるお客さんも増えたため、6年前にテイクアウト専門店にリニューアルしたのだそうです。 「私たちがベーグルを売り始めた当初は、まだ日本でベーグルがあまり浸透していなかったので、毎回どんなパンでどういった食べ方をするのか説明していました。今ではその説明も必要なくなったくらい、ベーグルが日常的な食べ物になりましたね」と工藤さん。 ちなみに、ベーグルマニアのみなさんにとって「マルイチベーグル」と「阿佐ヶ谷ベーグル」、そしてここ「ポム・ド・テール」を巡るのが定番コースだったそうですよ。

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「巻き込みベーグル」の生みの親

実は工藤さん、フィリングが生地に練りこまれた「巻き込みベーグル」を開発した方! 「パティシエ出身なので、キャラメル味やメープル味のベーグルを作ってみようと思いました。でも根がめんどくさがりなので、『巻いちゃえばいいや』と生地にフィリングを巻き込んじゃった(笑)。うちのお店が初めてそのようなベーグルを作ったので、元祖と呼ばれているんです」。 意外なきっかけで生まれた「巻き込みベーグル」ですが、今となってはジャパニーズベーグルの定番になりました。

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そんなアイデアで新しいベーグルを生み出してきた工藤さんが作るレシピはなんと150種類以上にものぼります。レシピはどのように考案しているのでしょうか? 「普段はベーグルの仕込み中に生地を練りながら考えていますね。ラジオのニュースからその時々の流行をリサーチしたり、生産者の方が季節の旬の食材を提案してくださることもあります。 以前、吉祥寺の『レモンドロップ』というケーキ屋さんで働いていたのですが、そこで上司だった方が、『型にはまるな』とよく言っていました。その考え方は今のレシピ作りにすごく影響していて、その言葉がなかったらこんなに自由な発想でいろんなベーグルは作れなかったと思います」。

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よもぎあんバター

『ポム・ド・テール』のベーグルは、みそやよもぎなど他のお店にはない和の食材も多く取り入れています。そこには恩師の哲学が受け継がれていたんですね。年に1ヶ月しか販売しない「よもぎあんバター」は、よもぎの香りと、あんこのやさしい甘み、バターの塩気が一体となり絶品です。この商品を目当てに訪れるお客さんもいるのだとか。

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おすすめのフレーバーとランチボックス

皮はパリ、中はムギュ&モチモチ。そして多種多様なフレーバーが特徴のベーグルの中から、工藤さんのおすすめを教えてもらいました。 「人気なのは『キャラメルチョコ』と『チョコ×チョコ』ですね。『チョコ×チョコ』はフレンチトーストにするのがおすすめです。1日アパレイユにつけて液ごと蒸し焼きにするフレンチベーグルトースト。真っ黒いベーグルなので、見た目はすごいことになりますが、食感も味も想像を超えるおいしさですよ!」。

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また、工藤さんが個人的に好きなのは「ココナッツメロンチョコチョコ」。フランスで、メロンとホワイトチョコの組み合わせのケーキを食べたときに「こんな完璧な組み合わせはない!」と感動して作ったレシピなのだとか。外側にはたっぷりとココナッツがまぶしてあり、生地にはドライメロンとホワイトチョコが入っているこのベーグル。ドライメロンはシャキシャキとした食感がユニークな逸品です。 季節ごとに限定フレーバーが登場するのでそちらもお楽しみに。

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イングリッシュマフィン(右奥)は柔らかい食感がお好みの方に人気。

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ピクニックにもぴったりなランチボックスもあります。デリ2種に、好きなベーグルサンドが選べます。この日は“フラン(フランスの蒸し料理)×ブロッコリーチキンコンフィ”のベーグルサンドをチョイス。

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「チョコ×チョコ」はビターテイストでそのまま食べてもおいしい!

ちなみにこちらのお店、PARISmagライター・とのまりこさんがオーナーのフランス雑貨のお店『Boîte(ぼわっと)』が目の前。ドリンクをオーダーすれば『Boîte(ぼわっと)』の奥のカフェスペースで『ポム・ド・テール』のベーグルを食べることもできます。 西荻窪でのお散歩の途中に、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

Pomme de terre

ポム・ド・テール

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東京都 東京都杉並区西荻北4-8-2-101

clock-icon10:30~20:00
pin-icon毎週火曜日・水曜日 ※臨時休業あり
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