
152
2019.03.05
目を惹いて離さない!保谷のパンとケーキの店『ピトレスク』 |by PARISmag
毎日の暮らしのなかで少しだけ心が弾むような豊かさをお届けするWEBマガジンPARIS mag(パリマグ)から、今回は保谷にある『ピトレスク』をご紹介します。
今回パンを求めて訪れたのは、西武池袋線・保谷駅。2018年7月に、新しくパン屋さんがオープンしたと聞きつけやってきました。落ち着いた雰囲気の住宅街を進むと目的地に到着。

お花屋さんと美容室の並びに面してオープンした『Pittoresque(ピトレスク)』。おいしそうなパンがずらりと並んでいることが、ガラス越しにも伺えます。

馬場康博さん、保代さんと栄輔くん
ご家族でお店を営んでいるというオーナーシェフの馬場康博さん。『ピトレスク』の店内に入ると、パンのほかにケーキも並んでいます。一体どんなお店なのか、どんなパン作りをされているのか、お話を聞いてきました。
わざわざ行きたいお店

馬場さんが『ピトレスク』をオープンしたのは2018年7月。奥さんの実家の近くということもあり、この地に決めたのだとか。 「あまり人通りも多くない場所なんですけど、本当に地元のお客さんがいらしてくれて、みなさんが口コミで広めてくれています。1日に3回も来てくれる方もいて、うれしい限りですね!」と馬場さん。

もともとパティシエの経歴を持つ馬場さん。ショーケースには、パンはもちろん馬場さんが創り出す美しいケーキが並びます。

現在は約30種類ほどのパンが並び、カンパーニュなどの金土限定のパンや、土曜日限定のケーキ、その日の気まぐれで登場するメニューも!オープンして半年を迎え、お客さんの反応を見つつ手探りでいろいろ試作しているそうです。気になる方は、お店のInstagramやfacobookからぜひチェックしてみてくださいね。
複雑で、味に奥行きのあるパン
パンを勉強したくてパティシエを辞め、『メゾン・イチ』へ入った馬場さん。『ピトレスク』で馬場さんが作るパンには、『ルヴァン』の歴史が受け継がれています。

「僕のパン作りの基本のスタイルになっていますね。『メゾン・イチ』の元オーナーである市毛さんが2006年に1号店の『ブーランジェリーイチ(現在のメゾン・イチ)』を西馬込にオープンして以来継ぎ足してきた酵母があるんです。ルヴァンリキッドという液体天然酵母で、僕が自分のお店を出すとき、それを分けていただいて。毎日水と粉を継ぎ足してパンを作っているのですが、僕の店ではさらにそれをルヴァンと、ミルキーな味わいが出るルヴァンオレの2種類に分けて使っています。『メゾン・イチ』とスタイルは似ているかもしれませんが、使う粉も変えているので、また違った味わいを楽しんでいただけると思います」と馬場さんが教えてくれました。 継ぎ足す粉や水によって、どんどんと変わっていく天然酵母。今『メゾン・イチ』で使っているルヴァンと『ピトレスク』のルヴァンでは、また別のものに進化しています。長年継ぎ足されてきた酵母は、より複雑で奥行きのある味わいになるのだそう。

甘みの出るパンドミやクロワッサンにはルヴァンオレを、酸味を効かせたいバゲットやカンパーニュ、チャバタにはルヴァンなど、使い分けています。現在は、パンはパンドミとバゲットの2種類の生地をベースに、入れる具材を変えて種類を増やしているのだそうです。市毛さんから学んだ合理的スタイルを取り入れているのです。
酵母・ルヴァンオレを使用する人気のパン

人気のパンは『メゾン・イチ』でも人気のあった「クルミと山ブドウ」です。ルヴァンオレを使用したパンドミ生地をベースに作るパンで、パンドミの甘みがしっかりと感じられます。

「山ブドウは酸っぱいのかな?」と想像していたのですが、食べてみると甘みがあり、香ばしいクルミとの相性も抜群。馬場さんのおっしゃっていた、パンのミルキーな味わいもたしかに納得です。

パンドミ ハーフサイズの販売も可

パンドミを使った「クロックムッシュ」も人気メニューの1つ。8枚切りのパンドミ2枚で、ベシャメルソース・トマト・ベーコンをサンド。さらにベシャメルソースを重ね、玉ねぎとシュレットチーズをのせてこんがり焼き上げた大満足の1品。
保谷で知らない人はいない!?「コク旨プリン」
さまざまなケーキ、そしてパンが並ぶなかなんといちばん人気はプリン!その名も「コク旨プリン」。

「ヴェルジョワーズ(vergeoise)という甜菜糖を使ったプリンです。卵や牛乳は、味が特に強いものを使っているわけではないんですが、この甜菜糖の味わいというかコクがものすごく強いんです」と馬場さん。

クリーム無し コク旨プリンも登場
生クリームがのって完成するこちらの「コク旨プリン」ですが、クリーム無しも登場。よりコクを感じられるのだとか。でも、「やっぱりおすすめは、生クリームと一緒に食べること」とのこと。

深さ2cmはあるであろう生クリーム。その先を超えてプリンと一緒にひと口。とてもなめらかでとろけるようなプリン! この上品な見た目とは裏腹に、しっかりとした強いコクと旨みが、がつんと伝わってくる「コク旨プリン」。ほどよい甘さのクリームはやさしく包み込んでくれます。

「コク旨プリン」のアパレイユに漬け込んだフレンチトースト
店名『ピトレスク』に込められた想い
お店の名前『ピトレスク』は、奥様である保代さんが名付けました。保代さんのお母様はヨーロッパや海外で活躍する画家で、フランスでよく個展しているそう。そこで、「画につながるような名前がいいな」というのと、「最初の文字に“ピ”をつけたい」というので、響もかわいいからとフランス語の『pittoresque』に決まったのだそうです。

「『pittoresque』は、フランス語で“絵のように美しい”という意味を持つ形容動詞です。少しこじつけかもしれませんが、パンや商品、お客様も入れてお店全体が絵に描きたくなるような、そしてもう1つ“人目をひく”という意味もあるそうなので、目を向けずにはいられないようなお店にしたいと思っています」と馬場さん。

店頭にも保代さんの母であり画家・椎橋和子さんの作品が飾られています

オープンして半年を迎え、たしかに地元の人たちの心を掴んでいる『ピトレスク』のパンとケーキ。これからもお客さんの声や反応を見つつ、新たなメニューが登場することでしょう。 わざわざ足を運びたくなるパンを、ぜひ実際に体験してみてはいかがでしょうか?
Pittoresque
ピトレスク
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
の人気記事













































