経験豊かな店主による、心温まるカフェ

店名に込められた想いは“心に灯りがともるように”“街を照らすように”

江ノ電の長谷駅から、徒歩3分。観光客でひしめく長谷寺と鎌倉大仏の間にあるのが、山田さんご夫婦が営む「トボルコーヒー」です。 扉をあけると、外の喧騒とは一転。白を基調に、温もりのある北欧系の家具でまとめられた空間には、リラックスムードが漂います。

左上）ひときわ目を引くエスプレッソマシンは雑味が少なくクリアな味に仕上がるという「シネッソ」

そんな温かなこのお店の一番の魅力は、バリスタのご主人・光輝さんが丁寧に抽出するコーヒーと、奥様のさおりさんが手作りするスイーツの相性の良さ。 さおりさんは、豆の産地や焙煎、抽出にまでこだわるスペシャルティコーヒーの先駆け「堀口珈琲」でパティシエを務めた確かな経験の持ち主。「人の記憶に残るような、おいしいスイーツを作りたい」と、高品質な豆と相性のよいスイーツを長年研究・開発。 独創的な食べ合わせの数々には、コーヒーを知り尽くしている、さおりさんらしいクリエーションが光ります。

個性豊かなコーヒーの香味を楽しむ

香味を安定させるため、抽出方法は細かく決められている

「トボルコーヒー」で扱うのは、“スペシャルティコーヒー”と呼ばれる、世界各国から選ばれた高品質な豆。「産地や農園による香味の違いを楽しんでもらえたら」と、質の高い豆のバリエーションを豊富に持つ「堀口珈琲」から、香りや焙煎度など、お店のスタイルに合うものを厳選して仕入れています。 店内では一杯ずつ丁寧にハンドドリップで提供。グァテマラ産のオレンジを思わせる爽快な酸味、エチオピア産のブルーベリーを思わせる果実感と芳醇なフレーバー…、と一口飲むだけで、幸せな気分に。コーヒーへの興味がいっそう広がります。

“ペアリング”を意識したメニュー

「りんごタルト」（540円）。タンザニア産「ブラックバーン農園のシティロースト」（640円）

「トボルコーヒー」では、そんなスペシャルティコーヒーとスイーツ、それぞれのおいしさが引き立つように、“ペアリング”に力を入れています。ベースはそれぞれの豆の産地や焙煎。それにマッチする、良質でシンプルな素材を使い、持ち味を引き出すことで、どちらも一層奥深い味わいに。 例えば人気の組み合わせ、タンザニア産「ブラックバーン農園のシティロースト」×「りんごタルト」は、共通した華やかな香りと風味が相性の決め手。コーヒーが持つ柑橘を思わせる明るい酸味と、しっかりとしたコクに合うように、タルトは熟したりんごの甘みを際立たせ、香ばしさが増すよう、発酵バターを行く度にも重ねて焼くという細やかさ。似た味同士の組み合わせは、深みを与えてくれると評判です。

素材にこだわった、人気スイーツがずらり

「カスタード・プリン」（450円）

ドリンクが決まらない時は、好みのスイーツを選んでから、合うものを相談してみても。 人気上々の「カスタード・プリン」は、深いコクがある北海道浜中町の乳脂肪分4.0％の濃厚牛乳と、横須賀・安田農場の新鮮卵を贅沢に使用。しっかりと弾力のある口当たりで、素材のよさが直に伝わってくる心温まる味わいです。同じく味わい深く飲みごたえのある、ブレンドの深煎りと好相性。

「苺のヴェリーヌ」（580円）

季節限定「苺のヴェリーヌ」は、真っ赤な木苺のジュレの下にアーモンドが香る生地とカスタード、北海道産純正生クリームで作るクレーム・ディプロマットをたっぷり盛り込み、クリームと甘酸っぱい旬の苺が見事に調和。コーヒーは、柑橘系の華やかな酸と、まろやかな甘みがある、シティローストがおすすめ。

奥）「エスプレッソチーズケーキ」。手前）「ニューヨークチーズケーキ」（各480円）

店内で抽出した濃縮エスプレッソを混ぜ込んだ「エスプレッソチーズケーキ」は、濃厚なチーズの後に、コーヒーの香りが口いっぱいに広がります。定番人気の「ニューヨークチーズケーキ」は、厳選したクリームチーズを低温でじっくり焼いてから一晩寝かせ、しっとりなめらかな食感と濃厚な味わいに。どちらも、重量感のある深煎りブレンドとのペアリングがベストマッチ。チーズとコーヒーの余韻をじっくり感じられる組み合わせです。 熟練の技と自由な発想を加えたアレンジは、1つに絞れないほど素敵。 ぜひ足を運んで、自分好みのペアリングを見つけてみて下さいね。