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2015.12.26
伏見稲荷大社と伏見の酒蔵をめぐる旅
※こちらの記事は、2015年12月に公開されたものです。 朱塗りの千本鳥居が連なる伏見稲荷大社は、初詣に訪れる人が西日本でいちばん多い神社。 ご利益祈願をしたあとは、酒づくりの最盛期を迎える酒どころ・伏見桃山駅へ移動して酒蔵めぐりを。ほのかに漂るお酒の香りと街の趣を感じながらゆるりと歩きませんか。
ずらりと朱の鳥居が並ぶ千本鳥居が人気「伏見稲荷大社」

「稲荷塗」とも呼ばれる鮮やかな朱が印象的な拝殿。奥に稲荷神を祀る本殿が建つ
伏見稲荷大社は、全国に約3万社を数える稲荷神社の総本宮で、五穀豊穣を願う「稲成(いねなり)」が転じて「稲荷(いなり)」になったとか。 今では農業のみならず、商売全般の神様として篤く信仰され、初詣の参拝客数は西日本一を誇り、毎年たくさんの人々が参詣して商売繁盛を願います。 稲荷の神様のお使いは狐とされていることから、神域のあちらこちらで狐の像に出会うとともに、奥社の絵馬や名物の煎餅にもデザインされています。 ずらりと朱の鳥居が並ぶ千本鳥居は外国人観光客にも近年大人気のスポット。左右どちらをくぐっても奥社へ続きます。

奥社の狐の絵馬
伏見稲荷大社(ふしみいなりたいしゃ) [住所]京都市伏見区深草薮之内町68 [TEL]075-641-7331 [時間]8:30~16:30 [休]無休 [料金]無料
伏見名物・酒まんじゅうを求めて「京菓子司 富英堂」へ

酒まんじゅう1個151円
京阪伏見稲荷駅から京阪電車で約12分、伏見桃山駅で下車すると、そこは酒どころ・伏見の街。名水がはぐくむ伏見のお酒は繊細でまろやかな女酒といわれています。 伏見の酒粕を生地に練り込んだ酒まんじゅうが人気の和菓子屋さん「京菓子司 富英堂」は、1895(明治28)年に創業した老舗。4代目にあたる今の店主の富樫一貴さんが、伏見の新たな名物にしようと「酒まんじゅう」を考え出したのだそうです。 ふんわり甘酒のような香りのするしっとりした皮に、さらりとした上品な甘さのこしあんが包まれて、ついついもう1個と手が出てしまうおいしさ。散策のお供にもおすすめです。

京菓子司 富栄堂(きょうがしつかさ とみえいどう) [住所]京都市伏見区中油掛町93 [TEL]075-601-1366 [時間]9:00~19:00(1月2日~3日は10:00~16:00) [休]1月1日(金)、木曜(祝日の場合は営業)
町家カフェ「花咲み」でほっこりしたひとときを

バニラアイスと生クリーム添えのワッフル
築約100年の町家を改装したカフェ。お店を切り盛りするのは規子さん・祥子さん母娘。 ふわふわとしたクセのないやさしい味わいのメニューはどれも、祥子さんが子どものころ、食べやすいようにと規子さんが工夫を凝らした秘密のレシピで作られているそうです。 お母さんの愛情たっぷりのひと皿に、花が咲くような笑みがこぼれること間違いなしです。

坪庭が望める大きな窓。この先にカフェスペースが広がる
花咲み(はなえみ) [住所]京都市伏見区新町4-462-3 [TEL]075-612-0102 [時間]11:00~16:30 [休]日・月・水曜日
日本酒の試飲も楽しめる「月桂冠大倉記念館」

昭和初期まで発酵に使われた木桶が並ぶ広々とした中庭
1637(寛永14)年創業の月桂冠が、明治時代に建てられた自社の酒蔵をまるごと活用したお酒の博物館です。館内に入ると聞こえてくるのは酒づくりの唄。デリケートなお酒を育む癒しの歌のようです。敷地内には、地下約50メートルから汲み上げている伏見名水のひとつ「さかみづ」が湧いているので、やわらかな口当たりをぜひ確かめてみて。 複雑で繊細な酒づくりの工程と昔の貴重な道具類などを見学したあとには、ロビーで3種のお酒を試飲して日本酒の味わい方なども教えてもらえますよ。

伏見名水のひとつ「さかみづ」
月桂冠大倉記念館(げっけいかんおおくらきねんかん) [住所]京都市伏見区南浜町247 [TEL]075-623-2056 [時間]9:30~16:30 [休]12月28日(月)~1月4日(月) [料金]400円
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田中昭美 写真:杉沢栄梨
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