大正時代から続く水天宮のパン屋さん『サンドウィッチパーラー まつむら』|by PARISmag
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大正時代から続く水天宮のパン屋さん『サンドウィッチパーラー まつむら』|by PARISmag

毎日の暮らしのなかで少しだけ心が弾むような豊かさをお届けするWEBマガジンPARIS mag(パリマグ)から、今回は水天宮にある『サンドウィッチパーラー まつむら』をご紹介します。

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今回、パンを求めてやってきたのは水天宮。実は、この地で長年愛され続けているパン屋さんがあります。一体どれほど長いのかというと、なんと大正時代から!

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人形町と水天宮のちょうど間くらいにあるパン屋さん。『サンドウィッチパーラー まつむら』が今回の目的地です。4代目の店主である松村実さんにお話を伺いました。

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信頼と安心を大切に。大正時代から続くパン屋さん

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『サンドウィッチパーラー まつむら』は、大正10年(1921年)に始まりました。松村さんのおじいさんのお兄さんが初代、おじいさんが2代目、お父さんが3代目、松村さんが4代目です。

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奥に見えるのがイートインスペース。30席ほどの空間が広がっています

「もともとは対面式のパン屋さんで、イートインスペースがあるスタイルになったのは、今から50年くらい前ですね。喫茶店のようなカウンターがあって、マスターがいて、トーストを焼いたりグラタンを作ったりしていたんです。今は完全にオープンスペースにして、朝は出勤前の会社員の方、お昼過ぎには近所のお母さん、おやつには子どもたちと、たくさんのお客さんが来てくれます」と話すのは4代目の松村さん。

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店内には、“サンドウィッチパーラー”の名の通り、サンドウィッチをはじめとする調理パン、菓子パン、食事パン120〜130種類ものパンが並んでいます。

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どれにしようか迷ってしまうサンドウィッチの数々

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ミルク感あふれるクリームを包むのは、しっとりふわふわのパン。大きめサイズもペロリと食べられちゃいます

さまざまな種類のパンが並ぶなか、たくさんの数を焼いているのは「クリームパン」「あんぱん」「メロンパン」「カレーパン」という昔ながらのオーソドックスなメニューが多いのだとか。創業当時から同じレシピで作り続けているという「クリームパン」は、お店の看板メニューであり、松村さんも大好きな1品。 「僕はやっぱりクリームパンが好きですね。自家製のクリームは、ずっと昔から変わらない味です。なんて言うんだろう…何度も食べたくなるような、飽きない味が特徴のクリームかな」と松村さん。

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この日は、定番の「小倉あんぱん」「こしあんぱん」の2種類と季節のあんぱん「ずんだあんぱん」

「パンを作るうえで大切にしているのは、信用と安心です。食材などの材料的なものは昔から変わらない業者さんから仕入れています。あとは牛乳屋さんや卵屋さん、八百屋さんなど、日配品は近隣の商店にお願いしています。持ちつ持たれつだと思うんです。昔からの繋がりがあるから、毎回安心して作れるんですよ」と松村さんは話します。 パンにサンドする具材やクリームパンのカスタード、カレーパンのカレーなど、ほとんどを自家製で作っている『サンドウィッチパーラー まつむら』。でもあんこはあんこ屋さんにお任せしているそう。「季節が変わると『こんなあんこどうですか?』と季節に合ったものを持ってきてくれるんですよ」と松村さん。長い年月で培った信頼関係を大切にしているのだそうです。

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メロンパンは現在3種類。松村さんが子どもの頃はチョコチップだったものをアップデート

また、“毎日求めてもらえる味を出す”というところを意識してパン作りをしていると松村さんは話します。 「生地は、『この具材ならどんな生地がいいかな?』と考えて、パンに合わせて7〜8種類くらいの生地を仕込んでいます。暖かいときや寒い日、雨が降っている日など、天候によって水の温度や水分量を調整する必要があるんですが、基本的には同じようにやっていくというところを意識しています。まあ、勘も少し必要かな(笑)。毎日同じものを買いに来てくれるお客さんもいるから。そういうお客さんに満足してもらえるような、毎日変わらないパンを届けたいです」。

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「ちくわドッグ」に「クロワッサンケーキ」!ユニークパンも人気

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オーソドックスなパンはもちろん、ユニークなパンも人気を集めている『サンドウィッチパーラー まつむら』。

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見た目のインパクト大な「ちくわドッグ」。半分にカットしたちくわの裏にはツナサラダ入っている、シーフードなパンです。

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クロワッサン生地でカステラを包んで大きく焼き上げ、スライスしています

こちらはカステラを大胆に包んで焼き上げた「クロワッサンケーキ」。取材時も、常連のおじさまが購入されていきました。 こうしたユニークなラインナップも、松村さんが子どもの頃からあると言います。「先代は何を想って作ったんだろう(笑)」と松村さんも笑ってしまうほど。オーソドックスなパンに、オリジナリティあふれるパンに、本当にさまざまなパンと出会えます。

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のんびり過ごしたくなる空間でいただくサンドウィッチ

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今回イートインスペースでいただいたのは、「スペシャルサンド」。 「スペシャルサンド」は、サンドする具材によって食パンの種類や厚さを変えていたり、フルーツサンドには自家製のバタークリームを塗っていたりと、おいしい手間ひまがギュっと詰まっています。サンドイッチやロールサンドの具材も毎朝お店で仕込んでいるそう。

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右から、たまごサンド、きゅうりとトマトのサンド、カツサンド、ツナとレタスのサンド、フルーツサンド…という並び順も秀逸な「スペシャルサンド」

ボリュームもちょうどよく、朝ごはんにぴったり!1日の始まりに元気をくれる1品です。

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こちらは、自家製のピーナツクリームとこしあんをのせた「なかよしコンビ」。その見た目のかわいさもあって、近頃人気だという1品。なんと松村さんが子どもの頃からあるメニューだそうです。

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半分に折りやすいようにと、裏に切り込みが入れてあります

食べ方は「ご自由に(笑)」とのこと。まずは、ピーナツクリームの部分をひと口、そしてこしあんの部分をひと口。そして半分に折って一緒に頬張りました。 ホイップされた軽やかなピーナツクリームとあんこの相性は抜群。そしてこの2つを包みこむ食パンはふわふわです。

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自家製のバタークリームやピーナツクリームは購入することもできます。ピーナツクリームはそのままパンに塗って、バタークリームは好きなジャムと混ぜて食べるのもおすすめだそうです。

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この先も“変わらずここにある”安心感とおいしさを

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最後に、これからの想いを松村さんに伺いました。 「100年を迎えるからといって、何か特別なことをするつもりはないんです。“今のまま”と言うと変かもしれないけれど、当たり前のことを当たり前にやっていくことかな。長く続けていくには、それも大事なんじゃないかな?と思います。もちろん、新しいメニューも取り入れていくけれど、うちのお店に合わないものはやらないですね。いろいろなパンがある中で、やっぱりうちのお店にはオーソドックスなパンを求められている気がするんですよね(笑)」。

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『サンドウィッチ パーラー』を訪れるお客さんの中には、「まだあった!」と喜んでくださる方がたくさん。100年近く続いているなかで、お客さんが子どもの頃、そして結婚してご夫婦で、子どもと一緒に…と、長い時を経て来てくれる常連もいるのだそうです。時代を超えて“おいしい”を共感できるのはうれしいですね。 目に見えない変化もきっとあるなかで、「変わらずここにある」という安心感、そして松村さんの優しい人柄と笑顔。それがまた足を運びたくなる理由の1つかもしれません。水天宮を訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

サンドウィッチパーラー まつむら

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東京都 中央区日本橋人形町1-14-4

clock-icon7:00~18:00(土曜のみ13時まで)
pin-icon日曜・祝日
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