電車と自転車で九十九里海岸へ、はじめての房総サイクリング
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電車と自転車で九十九里海岸へ、はじめての房総サイクリング

美しい景色とのんびりした空気が魅力の房総。まだ見たことのない風景を気ままに探して、この春は自転車の旅を楽しんでみてはいかが? 遠出のサイクリングは初めて…という人でも走りやすいのが、見わたすかぎりなだらかな地形がつづく九十九里海岸です。 南端の一宮へは、都内から自分の自転車をそのまま電車に載せられるJR東日本のサイクルトレインも運行中。自転車を使った新しい旅に気軽にチャレンジできますよ。

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上総一ノ宮駅から自転車に乗って「釣ヶ崎海岸広場」へ

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上総一ノ宮駅(左)、九十九里海岸沿いを走る九十九里ビーチライン。快適なサイクリングロードが設けられている(右上)、一宮町では各所にサイクルラックが(右下)

旅の起点となるのがJR上総一ノ宮駅。駅前には観光案内所やカフェ、公共のトイレ、食料品店などがあるので、ここで準備を整えたらサイクリングへと出発しましょう。 いちばん近い海岸までは直線距離で約2.5kmとすぐですが、まずは東京オリンピックのサーフィン競技が開かれる場所としても話題の釣ヶ崎海岸へ。駅からは国道128号を走ると近道です。

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釣ヶ崎海岸広場。九十九里海岸の最南端に位置する

釣ヶ崎海岸へは、約25分のサイクリングで到着します。こちらは、世界最高レベルともいわれる良質な波を求めてサーファーたちが集まるサーフィンの聖地。この波を求めて一宮へ移住してくる人も多いそうで、とくに朝夕には一年中サーフィンを楽しむ人の姿が見られるスポットです。 海岸の一部は「釣ヶ崎海岸広場」として整備されています。自転車をとめたらビーチでひと休み。太平洋に向かって、左手には遥か彼方まで続く九十九里の浜、右手には緑豊かな太東岬。ダイナミックという言葉がぴったりの風景で、開放感もひとしおです。

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釣ヶ崎海岸広場の鳥居

釣ヶ崎海岸広場で目につくのが、砂浜にすっくと立つ鳥居です。釣ヶ崎は男女の神様が年に1度だけ出会うという伝説の浜としても知られていて、毎年9月にここで行なわれる玉前神社の「浜降り神事」は1200年以上の歴史があるのだそう。 鳥居ごしに眺める海も印象的。寄せては返す波をずっと眺めていたくなる場所です。
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釣ヶ崎海岸広場

ツリガサキカイガンヒロバ

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“海で食べよう”がコンセプトのカフェ「CHICKEN AND CHIPS」

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チキンBOX(880円)

釣ヶ崎海岸広場からサーフショップが点在する九十九里ビーチラインを走り、約20分で着くのがこちら。波乗りが大好きで一宮に移住してきたという中川友美さんが開いた、ガラス張りで居心地のいいカフェです。 名物は、オリジナルの衣でうまみを閉じ込めて香ばしく仕上げた手羽先のフライドチキン。チーズ、ガーリック、テリヤキなど5種類から好みのフレーバーが選べて、揚げたてを食べさせてくれます。ランチには、この手羽先をメインに地元の野菜をたっぷりと使ったデリとご飯が入るチキンBOXを味わってみて。

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チョコレート、ストロベリーのシェイク(各600円~)

海から上がったサーファーたちに人気の生クリームをたっぷりのせたシェイク、地元の小さなコーヒー専門店「トラベルコーヒーストア」の豆を使うコーヒー(400円)など、ドリンクメニューも充実しています。

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オープンキッチンとカウンターのある店内。ボックス席やテラス席もある

中川さんのカフェのコンセプトは“海で食べよう”。このため、すべてのメニューがテイクアウト可能。店内にもテラスにも席があるのですが、歩いて3分ほどのビーチに持ち出して、のんびり海辺のピクニックを楽しむ人も多いそうですよ。

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房総随一のパワースポット「玉前神社」へ

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赤い鳥居と黒漆塗りの本殿のコントラストが印象的。一宮町の名前の由来も“上総一ノ宮”から

海沿いから西へ走って上総一ノ宮駅を越えると、一宮の古い街並みが広がっています。その中心にあるのが「玉前神社」。平安時代の書物にも記され、“上総国一之宮”として古くから信仰を集めてきた由緒ある古社です。 こちらの神社は、“ご来光の道”の東端に位置するという地理的エピソードでも話題に。九十九里浜から上る朝日が一の鳥居を照らすとき、その光を西へと伸ばすと寒川神社や富士山頂、出雲大社などが一直線に並んでいるというもの。房総エリア屈指のパワースポットとして、とくに近年は、縁結びや子授けのご利益を求めて女性の参拝客が絶えないそうです。

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“はだしの道”。足裏にあたる砂利の感触でリフレッシュ

本殿の左手には、槙の古木がしげる小山のまわりにぐるりと砂利が敷かれたエリアが。こちらは、三周まわると気を満たすとされる“はだしの道”。靴と靴下を脱いで裸足で歩くのが作法とのことで、歩くうちに思わず背筋がのびて元気がもらえそう。

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サーファーだけでなく人生の波に乗れると人気の「波乗守」、女性が好む「月日守」(各1100円)

参拝を終えたら、境内にある授与所ものぞいてみて。サーフィンの町らしい「波乗守」や、女性の生活リズムを正してくれるという「月日守」など、ユニークなお守りがそろっていますよ。

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玉前神社

タマサキジンジャ

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「赤七屋」のかき氷や静岡おでんでひと休み

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落ち着いた雰囲気の店内。建物は有形登録文化財

玉前神社の鳥居前には、白壁の蔵を使った和カフェ「赤七屋」があります。手書きの素朴な「ご休憩」の看板にひかれて、ひと休みしていきましょう。 建物は約135年前に建てられたもので、かつては“店蔵”と呼ばれる商店用の土蔵だったそう。建築された当時の梁や柱が残る店内には、古い看板や、毎正時に懐かしい音を奏でる柱時計、レトロなソファやテーブルが並べられていて、ほっと落ち着く空間になっています。

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地元産のいちごの果肉と生搾りのソース、自家製ミルクで味わうイチゴの町のイチゴミルク(820円)。例年5月くらいまで

訪れる人の多くがおめあてにしているのが、ふんわり丸く盛られたかき氷。定番はなく、季節ごとに変わる8種類前後がラインナップされています。いちごや柑橘など地元の旬のフルーツをアレンジしたもの、春の桜、夏のブルーハワイなど自家製シロップで味わうもの、一宮町の稲花酒造の酒粕と老舗菓子店のあんこを使ったものなど、その時期だけのお気に入りを見つけてみて。

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静岡おでん(1品110~150円)。好きな3品とかき氷、ドリンクが選べる赤七屋セット(1320円)もある

店主の地元・静岡の伝統的な茶店にならって、かき氷といっしょに食べるのがおすすめという静岡おでんも見逃せません。牛すじなどを加えた濃厚な出汁、串刺しにした黒はんぺんやロマンスといったおでん種、からし、味噌、出汁粉の薬味が付くスタイルまで、一宮で出会う静岡の庶民の味にほっこりできますよ。

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エメラルド色の天然温泉を引く「ホテル一宮シーサイドオーツカ」へ

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露天風呂。天然温泉のため日や時間帯で色合いが変わる

一日たっぷりサイクリングを楽しんだら、最後は温泉に寄り道をするのはいかが? 町内に湧く一宮温泉の湯を引くのがこちらのリゾートホテルです。九十九里の地中深くに閉じ込められた古代の海水を源とする一宮温泉は、塩分に加えてヨウ素など天然のミネラルが豊富。鮮やかなエメラルド色に見えるやさしい肌ざわりの湯を、大浴場と露天風呂で堪能できます。

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上層階の客室からは九十九里海岸を一望する

玉前神社や上総一ノ宮駅からは自転車で20分前後。すぐ前に広がる防風林を抜ければビーチはすぐそばです。星空観察の隠れた名所にもなっている自然豊かな環境のなかにあり、長距離を走る本格的なサイクリストの利用も多いとか。

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自然光が入るロビー(左)、乳化材など不使用でやさしい味のアイスクリーム(右上、各216円)、自転車はフロントで預かってくれる(右下)

湯上がりはホテルのロビーでくつろぐこともできます。こちらにはカフェがあるほか、内陸部の睦沢町の酪農家がつくるアイスクリームなど近隣の名産品が並ぶみやげもの店も。帰りの電車の時間まで、のんびり過ごすのもよさそうですね。

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ホテル一宮シーサイドオーツカ

ホテルイチノミヤシーサイドオーツカ

clock-iconイン15:00、アウト11:00(日帰り入浴は12:00~18:00)
pin-icon無休(日帰り入浴は月曜休)
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https://www.seaside-otsuka.com/
日帰り入浴は1305円(タオル、バスタオルレンタル付き)

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自転車と旅ができるサイクルトレイン「B.B.BASE」

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シートの背中側に愛車を固定できる専用の仕様。車内も広々としていて快適

自転車の車体をたたんだり解体したりせずにそのまま載せられる特別仕様のサイクルトレイン「B.B.BASE」。JR総武線の両国駅を起点に、外房・上総一ノ宮方面、内房・館山方面、佐原方面、銚子方面の房総4エリアと都内を結んでいます。 運行は週末が中心。乗車の際は、往復とも事前にきっぷの予約が必要です。運行日の確認やきっぷ予約は下記公式サイトから行なえますよ。

※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。

JR東日本 千葉支社

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上総一ノ宮駅へはJR東日本の特急でダイレクトにアクセスできます。「B.B.BASE」なら両国駅から約1時間30分、本千葉駅から約40分。「B.B.BASE」運行日以外なら、東京駅から約1時間で到着する「特急わかしお」と上総一ノ宮駅前のレンタサイクルを利用するのも一案です。お出かけ前にルートや運行情報をチェックして、列車旅をどうぞお楽しみください。

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