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2020.10.10
【京都よりみちこみち】不明門通とその周辺:後編
烏丸通の一本お隣に位置し、四条通と五条通のあいだにある平等寺から京都駅前をつなぐ不明門通(あけずどおり)。お薬師さんが見守る、不思議な名前の通りをゆっくりと歩いてみませんか。

街なかにありながら、静かな空気が満ちる「不明門通」

不明門通の北端である平等寺から通りをを南へ歩いていくと、15分ほどで大伽藍が並ぶ東本願寺に到着。秋には境内や門前のイチョウが色づき、西日が差すと黄金色に輝きます。不明門通の南端は京都駅前。京都駅前にある京都タワーの展望台に立ち寄って、街並みを見下ろすのもおすすめです。 五条通からさらに通りを下がると、仏具店や旅館などが点在する静かなエリア。便利なアクセスながらも観光地とは趣が異なり、暮らすように静かな空気を感じることができるのが魅力です。

作家の心を伝える暮らしに寄り添ううつわの店「木と根」

木と根との店名は、目に見えるものだけでなくそれを生み出す作家の背景も大切にしたいとの思いから
地下鉄四条駅から徒歩約3分。「木と根」は、全国の作家ものやアンティーク品などの道具がそろう日用道具の店。店内を見渡すと、料理を引き立ててくれるうつわやカトラリー、日常に上質さをプラスしてくれる道具など、どれもちょっぴり控えめで、けれども暮らしにそっとなじんでくれそうな居心地のよい商品が並んでいます。

作家もののうつわは、一つひとつ表情が異なるため自分好みを探すのも楽しい
セレクトはすべて店主・林七緒美さんの目利きによるもの。うつわや台所道具以外にも、布ものや衣服も扱っています。お家での暮らしを想像できる温かみのある店内で、実際に使う場面を想像しながらじっくり選んでみませんか。

木と根
キトネ

吉祥模様をまとうふた口サイズのケーキ「京纏菓子cacoto」

「kimono」(5個入2538円)はさまざまな味わいをホワイトチョコでコーティング。贈り物にもおすすめ
「京纏菓子cacoto」(きょうまといかしカコト)は、1897年創業の貸衣裳店に嫁いできた宮川裕子さんが昔の着物に触れたのをきっかけに「日本古来の柄で何か作れたら……」とはじめた菓子店です。

ショーケースの横ではフレーバーティーや小さなお菓子を販売
宮川さんが考案したケーキ「kimono」は、「麻の葉」「矢絣」「七宝」など、日本に古くからありながら今なおモダンで美しい吉祥文様がホワイトチョコレートに描かれ、それぞれ味も異なっています。 「亀甲花菱」(写真左から2番目)なら、宇治の上質な抹茶を使ったスポンジケーキで抹茶クリームをサンド。ひと品ごとに工夫が凝らされた、美しい和の世界感に魅了されるスイーツです。

京纏菓子cacoto
キョウマトイカシカコト

滋味に富んだ、気取りのない京のおばんざい「綴」

カウンターにずらりと並ぶのは大鉢に盛られたおばんざい。どれもおいしそう
「綴」(つづり)を営むのは、女将の氷置幸子さん。市場関係者の父と料理上手の母によるおもてなし好き家庭に生まれ育ち、おのずと料理の世界へ進みました。「みなさんにほっこりしてもらいたい」との思いで、九条葱や“お揚げさん”など京都をはじめ厳選した旬の食材を使い、料理への感性をしっかりと受け継いだ息子さんとともに日々腕をふるっています。

本日のお造り盛り合わせ1500円〜。料理ごとにうつわが吟味され、目にも楽しい
1階のカウンターに並ぶ大皿のおばんざいは8品から10品が日替わりでラインナップ。季節のおすすめ料理やそれに合うお酒を聞いてみるのもいいですね。2階にはグループでもOKのテーブル席も用意されています。訪れるお客さんは、地元の人はもとより界隈のホテルに泊まるひとり旅の女性客も多いそう。気兼ねなく京都の夜を楽しみましょう。

綴
ツヅル

瀬戸田レモンを使ったレモン料理の専門店「カプリ食堂」

明るい人柄のオーナーの金森さん。お客さんを楽しませる工夫がメニューや店内に
地下鉄五条駅から徒歩3分の場所にある「カプリ食堂」は、イタリア・カプリ島にある食堂をイメージしたレモン料理専門店。メニューに使用するレモンはすべて広島・瀬戸田のもの。ノーワックス・低農薬なため、皮ごと食べることができます。

レモンカルボナーラセット1580円
ランチで人気なのが「レモンカルボナーラセット」。ホワイトソースには隠し味の塩レモンを忍ばせているので、こってりし過ぎず爽やかな味わいに。パスタのほか、スープ、前菜3種盛、イタリアンサラダ、イタリアンレモンスカッシュ、レモンバニラが付くのでお腹も満たされますよ。

カプリ食堂
カプリショクドウ

風味豊かな自家製手打ち蕎麦「蕎麦の実 よしむら」

「二種そば膳」(1580円)は2種の蕎麦、小鉢、海老天ぷら丼、つけものが付く
地下鉄五条駅の1番出口からすぐのところにある「蕎麦の実 よしむら」は、ランチ使いだけでなく、ちょい飲みも楽しめる手打ちの蕎麦屋。使っているのは、生産者から直接仕入れる国産の蕎麦の実。石臼でていねいに挽くため風味が良く、蕎麦本来の香りを存分に楽しめます。

のれんをくぐると、職人さんが蕎麦を打ちながら迎えてくれる
麺の太さを細切り・並切り・太切りの3種から選べるのも、手打ちにこだわっているからこそ。「二種そば膳」では、細切りと太切りの2種の蕎麦を食べ比べ、太さによる食感の違いと最近では、蕎麦の実を使ったスイーツ〈sonoka〉も誕生しました。焙煎そば茶ロール・そば茶あんチーズケーキなどのオリジナルスイーツもぜひ味わって。

蕎麦の実よしむら
ソバノミヨシムラ
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text:Rei Tanaka、Rinako Sato(Rakutabi )、photo:Yasutaka Ogawa 編集:ことりっぷ編集部
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