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2020.12.29
【京都よりみちこみち】ゆるやかな一本道で世界遺産を結ぶ、きぬかけの路とその周辺:後編
金閣寺から仁和寺まで続く「きぬかけの路」は、約2.5キロメートルほど続くゆるりとした散策道です。まちなかとは趣が異なる落ち着いた風情を感じながら、世界遺産の寺院をめぐるぶらりおさんぽへ。お茶やランチを楽しむのも忘れずにゆっくり過ごしましょう。
北欧やロシアの品とハンドメイド品が集う「Vesna!」
1点ものが多く並ぶ。お気に入りとの出会いを大切にしたい
きぬかけの路から馬代通に入って歩くこと約5分。「Vesna!」は、デザイナーの店主・辰巳なおこさんが、旅先で出会った海外の雑貨に魅せられて誕生した海外での買い付け品やハンドメイドを扱う雑貨店です。
日本では見られない造形や色合いの品を中心にセレクト
店の代名詞になっているマトリョーシカは、常連さんのリクエストに応えるうちに自然と増えていったのだとか。年に数回、海外へ買い付けに出かける辰巳さんのこだわりは「自分のものにしたいと思う商品を選ぶこと」だそう。現在では、辰巳さんのオーダーによるオリジナルの品も充実。ここでしか買えない貴重な品を求めて、全国からファンが足を運びます。
Vesna!
ヴェスナ
刻一刻と変化するわらび餅「笹屋昌園CAFE&ATELIER」
本わらび餅 至高 御抹茶セット1850円。わらび餅は時間とともに弾力が増していく
大正時代から100年続く老舗和菓子店が、「作りたてのわらび餅のおいしさを知ってもらいたい」と本店の隣にオープンしたカフェ。店内は京都らしく奥に伸びた作りで、奥のテーブル席からは庭を眺められます。
わらび餅を練る音が店内に響き渡る。タイミング次第ではできたてのわらび餅を器に盛りつけるところも見られる
わらび餅は3分で食感が変わってしまうため作り置きせず、毎回注文を受けてから練り上げています。本わらび粉と水、砂糖のみで練り上げるわらび餅は、とろーんと柔らかな口当たり。作りたての食感を堪能したあとは、自慢のこし餡や丹波の黒豆を使ったきな粉、黒蜜などを合わせ、食感と風味の変化を楽しみましょう。
笹屋昌園CAFE&ATELIER
ササヤショウエンカフェアンドアトリエ
体にやさしい素材にこだわったおばんざい「おからはうす」
五穀米のとろろごはんランチ1400円
嵐電妙心寺駅すぐの場所にある「おからはうす」では、からだにやさしい自然食のランチを味わえます。店主の手塚麻喜子さんが30年ほど前に開いた店で、安心安全な低農薬の素材を使ったメニューをそろえています。 なかでも絶品なのはおから。干し椎茸や干瓢、干しずいきを人参やごぼうと一緒に炊き、おからとともにサラサラになるまで炒ることで、口あたりよく仕上がるのだそう。季節によって、きゅうりやさつまいもなど旬の素材が入るのもうれしいところです。
黒米粉のケーキ250円と深煎りヨーロピアン420円。古代黒米のぷちぷちっとした食感がアクセント
「五穀米のとろろごはんランチ」は、五穀米とおからに季節のおかず2品とみそ汁、漬物、山芋とろろがつく人気のランチメニュー。ランチはほかに、おからコロッケランチや生ゆばランチなどがあります。 小腹がすいたときはカフェメニューをどうぞ。「たんぽぽコーヒー」や「玄米コーヒー」などのノンカフェインドリンクが充実しているので、冷えが気になる方にもおすすめです。
おからはうす
オカラハウス
御室の地へ思いを込めた和菓子が並ぶ「御室和菓子 いと達」
四季を映した「包み餅」6個入1420円(店頭価格)
京都の老舗和菓子店で修業を積んだ伊藤達也さんが、昨年10月にオープンした和菓子のお店。「地域に根付いたお店にしたい」との思いから、贈り物や茶会向けだけでなく日常で気軽に食べたいおやつも作っています。 店を代表する「包み餅」は、伊藤さんの出身地・愛知県の名物で知られるういろうと、京都に伝わる平安王朝の襲色目の文化を融合させ、地元への思いを込めています。白味噌きな粉餡と小豆こし餡の2種の中身と、美しい餅の色合わせを楽しめます。
御室和菓子 いと達の生菓子と「飲めるほどに柔らかいわらび餅」
宇多天皇の「衣掛山」の伝説から誕生した「絹三笠」も、店があるこの地にちなんだもの。三笠の生地にはココナッツオイルを使用するなど、オリジナルのこだわりが詰まっています。生菓子は季節により変わるので、仁和寺を訪れるたびに寄りたいお店です。
御室和菓子 いと達
オムロワガシイトタツ
おいしい日本酒と蕎麦に出会える「kabe家 酒・肴・蕎麦」
鶏卵蕎麦1100円
嵐電妙心寺駅から徒歩約3分の「kabe家 酒・肴・蕎麦」は、元々蕎麦好きであった店主の日下部龍太さんが、自らの「こんなお店があったら……」をかたちにした日本酒と蕎麦の店。女性ひとり旅でも入りやすいカウンタースタイルで、常連さんとの会話も楽しめます。 毎日手打ちしているという、つなぎを使わない十割蕎麦はつるりとなめらかな食感。従来の十割蕎麦とは異なる食感に驚きます。冬には、おだしを緩めのあんかけにした「鶏卵蕎麦」をどうぞ。
蕎麦豆腐と旬の料理2種がセットになったおまかせ盛り800円
「おまかせ盛り」は、蕎麦豆腐と旬の料理2種がセットになった、おつまみにぴったりのセット。取材時にはいちじくの天ぷらとわかさぎの南蛮漬をいただきました。 常時30種ほどそろう日本酒は、どれも1本ずつしか仕入れないそう。その時々の出会いをゆるりと味わいましょう。
kabe家 酒・肴・蕎麦
カベヤサケサカナソバ
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text:Rei Tanaka、(Rakutabi )、photo:Yasutaka Ogawa 編集:ことりっぷ編集部
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