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2021.08.16
色とりどりの砂糖菓子にうっとり/琥珀糖と喫茶のお店「シャララ舎」
寒天に砂糖を加えて固め、表面を乾燥させた「琥珀糖」は、外はシャリシャリ、中はぷるぷるの和菓子。「シャララ舎」ではフルーツやいろいろな味の琥珀糖を20〜30種類手作りし、その食感や豊かな風味、光を通す美しい見た目に魅了される人がいっぱい。静かで穏やかな時間を過ごせる喫茶室では、琥珀糖の金魚が浮かぶソーダ水を味わえますよ。
住宅街にたたずむ森の中をイメージしたお店
2012年開店し、2018年に笹塚に移転。琥珀糖の専門店は多くなく、遠方から訪れる人も多い
京王線笹塚駅から歩いて8分ほど。ヨーロッパのアンティーク家具やグリーンに包まれた店内にノスタルジックな雰囲気がただよう「シャララ舎(シャララシャ)」は、琥珀糖を手作りする尾高みつえさんと喫茶室を切り盛りする翔介さんご夫妻のお店です。
琥珀糖の味はフルーツやソーダ、季節のもの、バラやスミレのリキュールを使った香りのよいものも
琥珀糖は日本伝統の和菓子「錦玉糖」の表面を乾燥させ、内側から外側に出た糖分を結晶化させた砂糖菓子で、「干錦玉」とも「こはく」とも呼ばれます。こはくとされたのは、昔は茶色の砂糖で作られ、琥珀色だったからではないかという話もあるそうです。
光を通す様が宝石や鉱物のようといわれ、それらの形に作られたものも人気。宝石型は1個180円
みつえさんは琥珀糖と出会ったとき、子どもの頃に読んだ本の物語で見た、森の中に光りながら落ちてきた木の実を思い出したのだとか。そこで、その木の実のようにキラキラとした、和菓子店にはない琥珀糖を独学で作り始めたのが開店のきっかけです。
動物型の琥珀糖は1個200円。琥珀糖はお茶、コーヒー、ワインともよく合い、贈りものにも喜ばれる
フルーツピュレやリキュールを使い、さまざまな形に一つひとつ作った琥珀糖は、割ると断面がキラキラ。そっとかじるとそれぞれの風味が広がり、シャリシャリ感が楽しいです。高級菓子に使われる白ザラメで作っているので甘みが上品で、すっと消えます。
隠れ家のようにこっそりと過ごせる喫茶室
本や作品が置かれ、物語の中のような世界観を楽しめるブース。店内のディスプレイは翔介さんが担当
お店の奥にある喫茶室は、“静かで穏やかな時間”を過ごしてほしいという思いから、2人で訪れても1人1ブースを利用し、会話を控えることがルール。本を読んだり展示作品を眺めたり、振り子時計がカチコチと時を刻むなか、一人の時間をじっくりと楽しめます。
左「赤のレモンスカッシュ」、右「青の梅ソーダ」、どちらも650円。お茶請けの琥珀糖付き
こちらでいただきたいのは、自家製シロップで作った2種類の「琥珀糖のソーダ水」。琥珀糖の表面に結晶化された糖分が時間が経つにつれて溶け出すことで、ピーチローズやブラッドオレンジ味の琥珀糖を入れた「赤のレモンスカッシュ」は華やかな味わいに、リンゴやマスカット味の琥珀糖を入れた「青の梅ソーダ」はより爽やかな味わいに変化します。
「生わらび餅」350円はラズベリーやクランベリーなどのミックスベリーシロップが甘酸っぱい大人の味
自家焙煎豆で好みのブレンドに仕立ててくれる香り高いコーヒーのほか、琥珀糖と同じように光を通す様が美しい「生わらび餅」も人気。ミックスベリーやグレープフルーツ、コーヒーなど3〜4種類から選べる自家製シロップの味もよく、つるつるもちもちです。
さまざまな作家さんのロマン感じる作品を展示
鉱物オブジェ作家の時計荘さんによる瓶の中のジオラマはペンライトで照らすと鉱物が光る
店内で鉱物オブジェや星座早見盤、ジェルキャンドルなどの作品を展示販売しているのは、宝石や鉱物、透明なものが好きな人が訪れること、豊島区雑司ヶ谷の「手創り市」に出品していたことから、さまざまな作家さんとつながりが生まれたことによるもの。 また、喫茶室には地下室があり、灯りをモチーフとして幻想的な世界を創出する造形作家の金井一郎さんの作品なども展示しています。こちらもぜひ覗いてみてくださいね。
シャララ舎
シャララシャ
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森田奈央 撮影:雪岡直樹
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