61
2021.09.02
瀬戸内海をバックに和洋の現代アートを鑑賞♪しまなみ海道・大三島のアートミュージアムへ
広島県と愛媛県を結ぶしまなみ海道の中央部に位置する大三島。ここには、現代日本画を収蔵展示する「大三島美術館」と、瀬戸内海をバックに現代的なアート作品を展示する別館「ところミュージアム大三島」があります。のどかな自然の中に佇む2つのミュージアムを訪ねてみました。
貴重な現代日本画を展示する「大三島美術館」
日本家屋のような平屋建ての外観。観覧料520円
大三島ICから車で8分。大三島の中央部に「大三島美術館」はあります。大三島の町長が日本画のコレクターだったこともあり、若手の作家を応援したいという思いから、1986(昭和61)年に現代日本画の美術館としてオープン。三角屋根にガラス張りの外観が印象的な美術館です。
彫刻家、高階城太郎の作品(写真右)、開放的なロビー(写真左下)、彫刻家、岩田健の作品(写真左上)
館内に入ると天井が高く、ガラス張りの大きな窓から光が差し込む開放的なロビーがあります。春には桜が見られる木々に囲まれた庭を望む休憩スペースには、いくつかの彫刻作品も展示されています。
現代の日本画を展示
日本画に使われる専用絵の具などを展示(写真右)、田渕俊夫の作品(写真左上)、所蔵の作品を展示する大展示室(写真左下)
展示室では「日本画家と共に歩み共に成長する」をコンセプトに、作家の若い頃の日本画を中心に、昭和後期から現代に至る約1000点の作品を所蔵。地方の美術館では珍しく、日本画壇の第一線で活躍する画家の初期作品を鑑賞できます。 大小2つの展示室の奥には、開館10周年を記念して増設された日本画家、田渕俊夫の記念展示室があります。日本画家として2019年度の文化功労者として顕彰された田渕さんの本画をはじめ、制作過程が分かる貴重な素描や下図などを見ることができます。
アートみやげもあります
ポストカード(各100円)、マスキングテープ(各440円)
ロビーには、美術館のオリジナルグッズや図録などを販売しています。地元出身の画家、村上佳苗の素朴でファンタジックな作品のポストカードや、島の自然をモチーフにしたオリジナルのマスキングテープなどがおすすめです。
大三島美術館
オオミシマビジュツカン
アートな扉がお出迎えする「ところミュージアム大三島」
ドアいっぱいに男女が描かれたノエ・カッツの作品「キッシング・ドア」
大三島美術館から車で10分ほどの高台には、別館にあたる「ところミュージアム大三島」があります。2004(平成16)年に現代アートの美術館として開館。アメリカで活動する作家、ノエ・カッツが手がけた、インパクトのある扉が目を引きます。間伐材の丸太を使って、江戸切子などにも見られる矢来紋様を模したアーチ屋根も特徴的です。
瀬戸内海を眺めるロケーション
海へと誘うように造られた階段を進む。観覧料310円
海に面した高台に建てられた美術館は、島々が浮かぶ海を眺めるロケーションも魅力。斜面に沿って登り窯状に造られた展示室へは、海へと降りるように階段状の散策路を進んでいきます。
展示室ごとに異なる作家の世界観が広がる
展示室の風景
階段状に造られた展示室は、自然光が入る明るい印象。ノエ・カッツをはじめ、イタリアのサン・ピエトロ寺院大聖堂の門扉を14年かけて制作したことで世界的に知られるジャコモ・マンズー、日本人アーティスト林範親や深井隆の立体作品や彫刻など約30点を展示しています。展示スペースごとに異なる作家作品が展示され、その幻想的な世界観に浸れます。
海を望むオープンテラス
最下層のフロアまで行くと、見晴らしのいいオープンテラスへ出ます。瀬戸内海の多島美が望めるビューポイントとなっています。瀬戸内のおおらかな海の景色がアートのように目前に広がります。
ところミュージアム大三島
トコロミュージアムオオミシマ
いかがでしたか?自然豊かな大三島に建つ2つのミュージアムでは、日本画と現代アートという和洋さまざまな作品が鑑賞できます。ぜひ、しまなみ海道めぐりの途中に訪れてみてくださいね。
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
上川奈穂美
アート・カルチャー
の人気記事
の人気記事