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2022.04.16
新感覚のせんべいスイーツを、おいしいコーヒーとともに♪ 銀座「MATSUZAKI SHOTEN」
東銀座にある歌舞伎座のすぐ近くに、紫色ののれんが印象的なおせんべいの店「MATSUZAKI SHOTEN」があります。創業はなんと江戸時代。ここでは新旧さまざまなおせんべいを購入できるのはもちろん、イートインスペースの素敵なテーブルで飲み物とともに味わうことも可能です。落ち着いた雰囲気の中、時代を超えて愛されてきたおせんべいやアレンジスイーツをかみしめて、ほっとひと息ついてみてはいかが。
歌舞伎座の隣にある和モダンな店
松のロゴを染め抜いたのれんをくぐって、店内へ
都営地下鉄浅草線と、東京メトロ日比谷線が乗り入れる東銀座駅。3番出口へ向かい、歌舞伎座の地下からエスカレーターで地上に出ると、木挽町通りに面しているのが「MATSUZAKI SHOTEN」です。風に揺れる紫色ののれんや、外壁のネオンがかわいいこの店は、江戸時代から続く「松﨑煎餅」の本店。以前は同じく銀座のすずらん通りにありましたが、2021年7月、屋号も新たにこの地に移転オープンしました。
思わずひと休みしたくなるイートインスペース
以前、並木通りの本店2階の喫茶で使っていたスギの木のテーブルを、店のテーマカラーの紫に塗って再利用
店の中には和箪笥など昔ながらの小物を取り入れた、おしゃれな空間が広がっています。壁の棚にずらりとおせんべいが並び、どれもおいしそう。入口近くにどっしりした一枚板のテーブルが置かれ、イートインスペースとなっています。傍らでは年代物の手巻き式柱時計が時を刻み、壁に飾られたモノクロ写真が懐かしい気分に誘います。
店ではおせんべい片手に語らうイベント「ぎんざ de ないと」を不定期で実施
松﨑煎餅の創業は、今から200年以上も前の文化元(1804)年。初代・惣八が現在の港区芝で、瓦せんべいと焼き菓子の店「三河屋」を開業したのが始まりです。慶応元(1865)年には3代目・松﨑宗八のもとで銀座に移転し、「松﨑煎餅」と店名を変更。その後、震災や戦争による大火を経験しつつも、店は脈々と現在まで受け継がれています。 2018年からは8代目の松﨑宗平さんが、伝統を大切にしつつもこれまでになかった試みを次々と行い、老舗に新しい風を吹き込んでいます。
愛され続ける瓦せんべい「大江戸松崎 三味胴(しゃみどう)」
砂糖蜜で季節感のある風物を描いた「大江戸松﨑 天着三味胴」。右上の2枚はコラボ商品の「tupera tupera 三味胴」
松﨑煎餅の看板商品は、小麦粉と砂糖、卵を使った瓦せんべい。もともとは瓦の形でしたが、5代目の保吉が三味線の胴を模した形に変えたため、「三味胴」と呼ばれています。 「大江戸松﨑 天着三味胴」(1枚162円)は、職人が天然の着色料を用いて、一枚一枚ていねいに手描きしているそう。季節感あるかわいい絵柄に、思わずほっこり。毎月のように新しい絵柄が加わり、キャラクターなどとのコラボレーション三味胴も登場します。
三味胴コーナー。壁に「一枚一枚 心を込めて 手を抜くな」という店のポリシーが
三味胴はサクサクとした歯ごたえが心地よく、やさしい甘さで卵のおいしさが感じられる、誰もが好きな味。賞味期限も長めなので、贈り物にもぴったりです。
イートインorテイクアウトで楽しむ「松﨑ろうる」
白玉は3色団子にヒントを得て3色に色付けされており、色は季節によって変わる
三味胴のほかにぜひ味わいたいのが、おせんべいの新しい楽しみ方ができると評判の「松﨑ろうる」(イートイン385円、テイクアウト378円)。やわらかい瓦せんべいに、生クリームと「ぎんざ空也 空いろ」のあんこ、天然着色料で色づけした白玉を挟んだスイーツです。やわらかいけれどしっかり歯ごたえのある瓦せんべいの食感がクセになりそうで、もちもちふわっとした白玉と、ほどよい甘さのつぶあんとも絶妙にマッチ。隠し味のクリームチーズの酸味とコクが、このスイーツの完成度を高めています。 やわらかい瓦せんべいを使ったスイーツはほかにも、栗やいちごなどを使った季節限定メニューが登場するので要チェックです。
夏季限定(6月上旬~9月中旬)のかき氷(イートイン825円、テイクアウト810円)も人気。2022年は抹茶といちごの2種類を販売する予定
三味胴を1つサービス! お得なドリンク
ドリンクは、松﨑ろうるまたはかき氷と合わせて注文すると100円引きに。さらに、1杯につき三味胴1つをプレゼントしてくれるのでお得です。イチオシは厳選したエチオピアの豆を使用した「ホットコーヒー」(イートイン550円、テイクアウト540円)。少し酸味があり後味がすっきりしたコーヒーは、スイーツとの相性抜群。このほかにもカプチーノやアメリカーノコーヒー、季節によっては冷たい煎茶や温かいほうじ茶もあるので、好みに応じて選ぶことができます。
和菓子の常識を打ち破る、カカオニブ入りおせんべい
「大江戸松﨑 黒格子」にはサンフランシスコ発のクラフトチョコレートメーカー、ダンデライオン・チョコレートの製品を使用
イートインで松﨑ろうるや三味胴などを楽しんだら、帰り際にはおみやげも手に入れたいもの。おすすめが、すべて手焼きし、手でカットしているという瓦せんべいの「格子」です。 「大江戸松﨑 格子」(6枚432円)はピーナッツが香ばしく、ザクザクとした食感もクセになりそう。「大江戸松﨑 黒格子」(6枚540円)は、カカオニブ(カカオ豆の胚乳)とチョコレート入り。カカオニブのほろ苦さとカリっとした食感、チョコレートの上品な味わいがマッチした大人のおいしさに、やみつきになることうけあいです。
瓦せんべい以外にも、草加せんべいやおかきなどさまざまな商品が並ぶ
おいしいおせんべいが世代を問わず愛され続けてきた松﨑煎餅。味わってみれば、「一枚一枚心を込めて」という店の理念が今も立派に息づいていることを、きっと舌で感じられることでしょう。伝統に新たな要素を加えて、素敵な気づきや味の発見をさせてくれるMATSUZAKI SHOTEN。銀座を訪れたら立ち寄る場所のひとつに加えてみてはいかが。
MATSUZAKI SHOTEN
マツザキショウテン
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菅沼佐和子 撮影:永岡邦彦
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