江ノ島電鉄・腰越駅から徒歩5分の場所にある『KOMOPAN（ コモパン）』。このあたりは江ノ電が唯一街を走るエリアなんだそう。ビーチにほど近く、ローカルな雰囲気が漂う街に佇むこのお店のこだわりを伺いました。

コンセプトは“ハワイの田舎にあるようなパン屋さん”

夫婦で経営されている『KOMOPAN』のコンセプトは、“ハワイの田舎にあるようなパン屋さん”。 店主である小森さんの奥さんが大好きなハワイ映画の影響で、「ハワイの田舎にあるようなお店を出したい」という奥さんの夢を小森さんが叶えたそう。素敵なお話に早速心が温まりました。

一度味わえばクセになる！甘さ控えめのハワイ定番ドーナッツ「マラサダ」

左が「プレーンマラサダ」、右が「ヘーゼルナッツチョコクリーム入りマラサダ」

一番人気の商品は、ハワイ定番のドーナツである「マラサダ」。栃木県の森林の牧場さんの脱脂乳（スキムミルク）を使用しているそう。さっぱりしたしつこくない甘さがクセになります。

こちらのお店ではプレーンの「マラサダ」以外にも、季節によってさまざまな「マラサダ」のメニューがあります。今回は「ヘーゼルナッツチョコクリーム入りマラサダ」が店頭に並んでいました。 5月からは、アイスクリームを挟んだ「アイスクリームマラサダ」がスタートするそう。海風を感じながら「アイスクリームマラサダ」片手に腰越を散歩してみるのも良いかもしれません。

国産小麦100パーセントのこだわりと石臼で引いた小麦を使用したイチオシの「サワードゥ」

そのほかにも、バゲットやクロワッサンなどの定番メニューから、黒ゴマのドーナッツやわかめとあおさのおかずパンなどの変わり種メニューまで、20種類以上のパンがずらりと並びます。 「お店のパンは全て国産小麦100パーセントで作っています。12種類程の国産小麦を使用していて、ひとつのパンに対して自分なりにブレンドしています。風味や食感、味などブレンドによって変わってくるので、自分なりに色々考えながらブレンドしていますね」と小森さん。

小森さんが特にこだわっているパンは、「サワードゥ」。「サワードゥ」は大きなカンパーニュのことで、アメリカの呼び名だそう。地元の方にとても大人気だそうで、自宅でワインやハム、チーズとあわせて食べるのに買って行かれる方が多いとのこと。今回、取材で訪れた際も売り切れていました。

小麦を石臼に入れる様子

「サワードゥは北海道の有機栽培の小麦を仕入れ、実際にお店の中の石臼で引いています。基本的には粉の状態で仕入れているんですが、このパンに関してはお店で引いて、天然酵母とあわせて焼く、ハワイの田舎パンになっています」と教えてくれた小森さん。実際に石臼で小麦を引いている様子を見せてくれました。

石臼で引かれた小麦粉

20歳からパンを作り始めて16年間経つという小森さん。パンが大好きな親の影響で小さい頃から自分自身もパンが大好きになり、パンを作りたいという夢を抱いたそう。 「特別なパンを作るというよりは、生活に寄り添うようなパンを作りたいと思っています。僕自身、料理と合うようなパンを大事にしています。サワードゥや食パン、バゲットなどをみなさんがおいしいと言って来てくれる。そのついでに少し変わったパンも買っていってくれるのがうれしいです」。 パン作りへの熱い想いとこだわりがお客さんから愛される理由のひとつになっているのだと感じます。

パンと合わせてチャイやコーヒー、またお店のロゴが入ったグッズなども販売しています。コーヒーは、小森さんと仲が良いという鎌倉駅にある『THE GOOD GOODIES』の豆を使って引いているそう。街の繋がりが垣間見えるのもこのお店の楽しみ方のひとつかもしれませんね。

お客さんが集う場所や繋がりを大事に、いつかこのお店で叶えたい夢

『KOMOPAN』の“KOMO”は小森さんの名前と、ハワイ語で“仲間が集う”という意味があるそう。 「僕は、お客さんが集う場所や繋がりをとても大事にしたいと思っています。また、僕には夢があって。例えば、サワードゥがあっても食べ方を知らない人の方が多いと思うので、いずれはそれを伝える場にしていきたいなと考えています。料理人やワインに詳しい人を呼んで、サワードゥの食べ方を共有するイベントやポップアップができればいいですね。そんなお店にしていけたらなと思っています」と話す小森さん。 熱い想いとこだわりが詰まったパン。さらに地域の繋がりが垣間見えることで、おいしさと楽しみ方が増える『KOMOPAN』。素敵な街とお店の温かさに包まれ、心癒される素敵なお店でした。