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2023.10.06
函館の歴史が伝わる「五島軒」伝統のパンプキンパイは甘味豊か♪
スイーツプロデューサー・磯崎 舞が、日常に寄り添うおやつから贈り物にも選びたくなる焼き菓子を紹介する連載『#焼き菓子部』。暑さも少しずつ和らぎ、実りの秋がやってきました。ほっくりとしたやさしい甘さに癒されるかぼちゃの焼き菓子で、ほっと心ほどけるティータイムを楽しみませんか。今回は「五島軒」の五島軒パンプキンパイをご紹介します。
北海道を代表する老舗洋食レストラン

本店は登録有形文化財に指定され、レトロな雰囲気が漂う
横浜や長崎とともに、日本で最初の国際貿易港として開港された北海道・函館。西洋文化の影響を強く受け、街並みは異国情緒にあふれています。函館の観光名所としてあげられる二十間坂の中腹に建つのが「五島軒」。1879(明治12)年に創業し、在留外国人にパンや西洋料理を納める小さな洋食店から始まったと言われています。 創業時からの名物であるイギリス風カレーが全国的に有名ですが、歴史を紡いださまざまなスイーツメニューも見逃せません。初代料理長の五島英吉が故郷の長崎カステラを手本に作り上げたスイーツは、当時外国人を中心に話題となって外国航路の船内や横浜などでも販売されていたそう。以来、フルコースで提供されるデザートからお取り寄せできるものまで、さまざまな商品を生み出してきました。秋におすすめしたいのが、五島軒パンプキンパイです。
懐かしさが心くすぐるパッケージ

「五島軒パンプキンパイ 18cm」1620円
パッケージは、レトロな書体にシンプルなデザインが洗練された雰囲気。複数人で食べるのにぴったりな18cmのホールタイプのほか、既に切り分けてある4カット入りもあり、シーンによって選べるのが嬉しいですね。
北海道産かぼちゃの味を生かした豊かな味わい

表面に塗った艶やかなジャムと美しい焼き色に思わず息をのむ
五島軒パンプキンパイの歴史は古く、終戦後の激動の時代に生まれたそう。アメリカ進駐軍の食事のデザートしてアップルパイを当時は提供していましたが、りんごの価格が高かったため日本人の戦時食のかぼちゃを代わりに使ったところ、喜ばれたのが誕生のきっかけなのだとか。レシピは時代に合わせて都度変えながらも、「かぼちゃの豊かな風味を余すことなく味わってほしい」という職人の想いが大切に受け継がれています。

お好みでオーブンで温めると、風味や食感がより際立つ
風味豊かな北海道産のかぼちゃを昔ながらの製法でペースト状にした餡は、口当たりなめらかでこっくりとした甘さ。幾重にも織り込んだパイ生地は、表面はさっくり、餡と接している部分は馴染んでしっとり。どこか懐かしく、ほっと温かい気持ちになれますよ。 歴史に思いを馳せながら、ノスタルジックな秋のティータイムはいかがでしょうか。
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五島軒本店
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スイーツプロデューサー 磯崎 舞

乳業メーカーの広報などの仕事を経て、ライターとして雑誌やwebで記事執筆のほか、百貨店の催事企画、パティシエと生産者を繋げた商品開発など“スイーツプロデューサー”として活躍。スイーツの中でも日常に寄り添って小さな幸せを与える焼き菓子に着目。年間1000個以上食べ、新たな魅力を引き出し広めている。
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