あふれる緑に囲まれた一軒屋

箱根西麓に広がる、三島市の閑静な住宅街「パサディナタウン」。その一角に「MOMIJI CAFE」はあります。 周囲は木々にすっぽり包まれて、建物の姿がほとんど見えないほどの緑の濃さ。まるで森に溶け込むようにひっそりと佇んでいます。

入り口にある、木製看板が目印

階段をのぼり、木の矢印に導かれて奥へ。竹垣の小道に足を踏み入れた瞬間、ちょっとした冒険気分に♪「この先には、何が待っているんだろう？」と好奇心がくすぐられ、ワクワクが止まりません。

突き当たりまで進むと、木々に包まれたウッドデッキが姿を現します。カウンター席の向かいに広がるのは、自然豊かな庭園。この場所には、小さな池や庭滝があり、さらさらと涼しげな音を奏でています。

和とオーストラリアが調和した癒やしの空間

窓からは森の木々が見渡せる

店内は、居心地の良さとおしゃれさが調和する和の空間。初めてでも、 どこか懐かしくて、肩の力がふっと抜けるような空気が漂います。 ただし、「MOMIJI CAFE」に入れるのは11歳以上限定。ここは静けさを大切にした、大人の隠れ家です。

木のぬくもりあふれるカウンターは、もともとオーストラリアで家具職人だったグレアムさんの手作り

そんなお店を切り盛りするのは、太陽のように明るいオーストラリア・ブリスベン出身のグレアムさんと、あたたかいお人柄の奥様・近子さん。 2020年に、念願だったカフェをオープンさせました。現在、グレアムさんは英語講師としても活動しており、リクエストがあればプライベートレッスンも行うのだとか。 いつも穏やかな笑みで迎えてくれるお二人の人柄に惹かれて、ふらりと立ち寄る常連客も少なくありません。

ゆるりとバードウォッチングを楽しむ

お料理を待つ間は、ぜひバードウォッチングを楽しんで。窓際には、自由に使える双眼鏡を用意。季節ごとにやってくる野鳥たちを眺められます。 春には、メジロやウグイスが蜜をついばみ、夏になると、ヒヨドリが元気に枝を飛び回るように。シジュウカラとヤマガラは一年中出会えます。森に響く自然の音に癒され、気づけば心がふわりといくよう。

さらに窓の外には、風ではためくオーストラリア国旗が。その姿を眺めているだけで、異国気分が高まります。

オーストラリア料理に舌つづみ

「オーストラリアミートパイ」ミニスープとグリーンサラダ付き（2000円）

人気ナンバーワンは、オージーのソウルフード「ミートパイ」。オーストラリアでミートパイは、定番中の定番料理。日本人にとって、おにぎりのような存在なんだとか。 ミートパイだけでなく、人参のラぺやフライドポテトなど副菜も手作り。ヘルシーかつ満足感のあるワンプレートになっています。

「デボンシャーティー」紅茶（ポット）、スコーン２個、いちごジャム、クリーム（1100円）

意外にも、オーストラリアの人たちはイギリス発祥の「デボンシャーティー」が大好き。かぼちゃとシナモン入りのスコーンは、クイーンズランド州のティーハウスでもよく見かける組み合わせです。 「MOMIJI CAFE」では、そんな本場の味を再現。イングリッシュティーとともに、オージーになりきって召し上がれ。

スイーツのおすすめは、オーストラリアの国民的なおやつ「ラミントン」。四角いふわふわのスポンジにジャムをサンドし、チョコレートでコーティング。その上からココナッツパウダーをまぶしたシンプルなケーキです。 食べてみると、スポンジの軽やかさとチョコレートの濃厚さ、ココナッツの香ばしさが絶妙にマッチ。日本ではあまり見かけないケーキなので、見つけたらぜひチャレンジを。きっと記憶に残るおやつになりますよ。

11月終わりから12月にかけて、周囲は秋色に染まる

「MOMIJI CAFE」という名前通り、紅葉シーズンには、赤・橙・黄色のグラデーションが広がり、絵画の世界に迷い込んだような非日常空間に。ゆったりとオーストラリア料理を味わいながら、魔法のような美しい景色を楽しんでみてはいかがでしょうか。