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2025.11.12
昭和2年築のレトロな空間でのんびり時間「古民家カフェ こぐま」
東京の下町・墨田区東向島に100年近い歴史を持つ「鳩の街通り商店街」、その中に「古民家カフェ こぐま」はあります。1927年(昭和2年)築の建物には、薬局として使われていた頃の薬棚や柱時計が残り、古民家ならではの木の温もりと、どこか懐かしい昭和レトロの空気が心地よく漂います。
昭和時代にタイムトリップ

現役の白熱電球とガラスサイン
東武スカイツリーライン曳舟駅から徒歩8分。歴史ある商店街よりも前に建てられた古めかしい建物が「古民家カフェ こぐま」です。引き戸を開けて中に入ると、その昔薬棚として使われていた大きな棚に、残されたままの薬瓶や道具が並び、表面が凸凹状のガラス窓と柱時計に囲まれたノスタルジックな空間が広がります。 昭和初期に建てられたこの建物は、戦時中の空襲を奇跡的に免れ、長い歳月を経て現在はカフェとして多くの人々に愛される場所になっています。
歴史と温もりが息づく空間

奥の席にビッシリ置かれた本の数々
店内に置かれているのは、どこか懐かしい学校の机と椅子。 これらは学習塾から譲り受けたもので、今も大切に再利用されています。床はコンクリートの上に松の木を貼り合わせ、温もりと落ち着きのある空間づくりにひと役買っています。
店の奥には長い時間をかけて集めたお気に入りの本が300冊以上も並び、どれも観覧可能。懐かしさと心地よさが同居する空間には店主の手仕事とこだわりがそっと息づいています。
オーブンで焼き上げる、人気の焼きオムライス

オリジナルなのにどこか懐かしい「焼きオムライス」
ランチの人気メニューはオリジナルメニューの「焼きオムライス」(1200円)です。オーブンでしっかり焼かれた玉子は少しかために仕上げられた昭和レトロな味わい。卵の下にはチーズがとろりと広がり、ひと口ごとにやさしさが感じられ、卵とチーズのまろやかで、心まで温まるどこか懐かしい一皿です。
使い込まれたテーブルに映える透き通ったあんみつ玉

きれいなあんみつ玉にはお好みで黒蜜を
食後におすすめなのが、自家製和スイーツ「あんみつ玉」(600円)です。フルーツを寒天でやさしく包み込んだ見た目にも美しい一品で、長野県産の寒天はほどよく柔らかく、口に入れると"ほろり"とほどけます。 甘さ控えめのあんみつは、どんなドリンクにもよく合い、食後の時間をより豊かにしてくれます。添えられた黒蜜をかければ、さらに深みのある味わいを楽しむこともできますよ。 あんみつ玉のお供には、温かな「ホットアップルスノウジュース」(680円)がおすすめ。見た目も香りも心をくすぐる一杯で、温かいリンゴジュースにシナモンを添え、ふわふわのミルクフォームを浮かべたやさしい味わいです。すっきりとした後味で、スイーツとの相性も抜群。寒い日には心まで温まります。

ポットに描かれた小さなこぐまは店オリジナルデザイン
このほかのドリンクメニューも充実しており、「こぐまブレンド」(580円)や紅茶(580円)をはじめ、蓮の花茶やキンモクセイ茶(各680円)といった珍しい花茶、自家製ラテ(各580円)も楽しめます。季節や気分に合わせて、お気に入りの一杯を見つけてみてください。

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昭和の時代にタイムトリップしてそのままときが止まったような小さなカフェで、喧騒から離れゆったりとしたひとときを過ごしてみませんか?

古民家カフェ こぐま
コミンカカフェ コグマ
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文:加藤一生(オフィス・ポストイット) 撮影:古本麻由未
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