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2025.11.29
名古屋の奥座敷・山あいの静かな湯宿でほっとひと息。猿投温泉「金泉閣」
日々の忙しさの中で、ふと“どこかでゆっくりしたい”と思う瞬間があります。 そんな気持ちにそっと寄り添ってくれるのが、愛知県の自然の中に静かに佇む猿投温泉「金泉閣(きんせんかく)」。ジブリパークにも近く、車で15分ほどの場所に位置する人気の温泉宿です。今回はこの宿を実際に訪れて、その魅力を体感してきました。
名古屋から車で約40分。山あいに佇む静かな湯宿へ

名古屋から車で約40分。豊田市と瀬戸市にまたがる猿投山のふもと、深い緑に囲まれた猿投温泉「金泉閣」。

この“猿投(さなげ)”という地名は、古くから語り継がれる猿投伝説に由来します。景行天皇に仕えた一匹の猿が、知恵と武術で毒蛇を退治し、恩人のために海に身を投げたという物語で、その勇敢さから山は「猿投山」と呼ばれるようになったのだとか。

そんな物語の残る猿投は、春は桜、初夏は青もみじ、秋には紅葉と、季節ごとに違う色を見せてくれる場所。山道を抜けた瞬間、自然の静けさがすっと身体を包み、心がゆるむような心地よさを感じます。
全国でもわずか7%。“飲める温泉”が旅の特別な体験に

金泉閣を訪れたらぜひ味わいたいのが、地下1,200mから湧き出る100%天然ラドン泉。 全国でもほんの7%ほどしかない「飲める温泉」で、宿ではこの温泉水をさまざまなかたちでたのしめます。 滞在中はまず「温泉ドリンクスパ」で温泉水を使ったコーヒーや紅茶、ハーブティーを気軽に味わえます。専用の蛇口からはいつでも温泉水を飲むことが可能。 また、客室の冷蔵庫にも温泉水が用意されていて、やさしい口あたりがすっと身体に染みていくようです。 さらにお料理にも温泉水を使用しているため、身体の内側から整うような感覚に。 温泉水を“飲んで、浸かって、食べて”——そんな貴重な体験ができるのも、この宿ならでは魅力です。

お部屋にも浴衣が用意されていますが、ロビーエリアで好みの浴衣を選べるのもうれしい。
大浴場も貸切露天も。山の風が心地よい温泉時間

ゆったりと大浴場やサウナでのんびり過ごしたあとは、人気の個室貸切露天風呂「ほしみの湯」へ。

個室貸切露天風呂 ほしみの湯「アルタイル(角型寝湯付)」
「luxury」「deluxe」「concept」「standard」の4タイプの客室に泊まると、1室につき50分無料で楽しめる貸切露天風呂「ほしみの湯」(それ以外の客室に宿泊の場合は有料)。お部屋のモニターからそのまま予約できるのもうれしいポイント。予約が空いていれば好きなタイミングでゆったり入ることができます。

どのお風呂に入ろうか、迷ってしまいそうな個室貸切露天風呂(ほしみの湯)
3種類ある個室貸切露天風呂「ほしみの湯」は、陶磁器製の壺湯の保湿効果で身体を芯から温めてくれる「ジェミニ(美泡壺湯)」、家族で楽しめる広さの「シリウス(大型丸形)」、空を眺めながらくつろげる“寝湯”が心地よい「アルタイル(角型寝湯付)」。 それぞれに違った心地よさがあり、夜には山あいの静けさと星空が深く感じられます。思わず長湯したくなるような特別な時間が流れます。

また、宿から徒歩2分には日帰り温泉「金泉の湯」もあり、温泉水でつくる十割そばや温泉湯豆腐といった名物もたのしめます。ここだけの“温泉づくし”が旅の満足度をぐっと高めてくれます。

ホテルから徒歩2分の日帰り温泉「金泉の湯」
物語を感じる客室と、新しく生まれる特別な空間

今回宿泊した「楽」は、昭和のアンティークショップを思わせるコンセプトルーム。丸テーブルや味わいある家具に囲まれ、どこか時間がゆっくり流れるような空気が漂います。 コーナールームの窓から広がる景色も気持ちよく、ここだけの静けさをたっぷり味わえます。

2025年10月には新たに、半露天風呂付きスイートルームが3室誕生。日本の伝統美とモダンデザインが融合した客室になっています。また、宿泊者専用ラウンジ『花鳥風月』もオープン。上質なクラフトビールなどを味わえる空間として旅の夜を彩ってくれます。
地元の恵みをいただく食事と、山の散策が心地よい宿時間

地元の旬な食材を活かした創作会席料理(写真は2025年の9月16日〜のメニュー)
温泉と同じくらい楽しみなのは食事。調理水には「飲めるラドン泉」を使用しています。 夕食には、地元豊田市や東海圏の旬の食材をふんだんに使った、目にも彩り豊かな「創作会席」を。 この日のメニューでは、三河湾の海の幸、名古屋コーチン、飛騨牛、地元の野菜やフルーツなど、素材の良さがまっすぐ伝わる味わいを心ゆくまで堪能しました。

温泉水をたっぷり使った「あさごはん」。(メニューは時期により変動)
朝食には温泉水をたっぷり使った「あさごはん」が。温泉水で炊く豊田のお米「みねあさひ」や小原の生卵「たまご村」、栄養豊かな「自然薯とろろ」、名物の「温泉湯豆腐」など、身体にやさしい品々が並びます。 温泉水で調理されたお料理はどれもやさしく、豊田市で作られている素材そのものの味わいの豊かさに驚かされました。

マイナスイオンたっぷり、緑に囲まれた「鈴ヶ滝」
また、滞在中は宿のまわりをお散歩するのもおすすめ。1554年創建の「不動明王社」や、涼やかな音を響かせる「鈴ヶ滝」など、清らかな空気に触れられるスポットが点在しています。

「鈴ヶ滝不動明王」。あらゆる災難を払い除き参拝者を強いパワーで守ってくれます。

猿投温泉 癒しの宿 金泉閣
https://kinsenkaku-sanageonsen.com/
名古屋から約40分
豊田市駅から一般道で約40分
ジブリパークから車で約15分
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モリサワ ジュンコ
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