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2013.08.30
「京都・戒光寺」のお釈迦さまに隠された秘密とは・・・
皇室ゆかりの泉涌寺の境内に建つ塔頭・戒光寺の本尊・釈迦如来。実は、ある秘密から“身代わりのお釈迦さま”と言い伝えられ、現在でも厚い信仰を集めています。
天皇家ゆかりの泉涌寺、そして戒光寺へ

東福寺駅から東山へ向かって徒歩10分、「御寺」と書かれた門をくぐると、そこは皇室の菩提寺として格式高い歴史を受け継ぐ泉涌寺(せんにゅうじ)。広い境内には数多くの塔頭(たっちゅう/泉涌寺に属する寺院)が建ち並び、さきほどの門をくぐって最初に見えてくる塔頭が戒光寺(かいこうじ)です。門前には「丈六釈迦如来」と刻まれた石碑が立ち、お参りの方は靴を脱いで自由にお堂の中へ。
本尊は京都最大級の巨大なお釈迦さま

お堂に入るとそこには見上げるような巨大なお釈迦さまの像が。 門前の石碑にもあったように、“丈六”とは一丈六尺(約4.8m)というお釈迦さまの高さ(身長)を表す言葉で、まさにお釈迦さまの等身大の像が本尊として立ち、足下の台座から背中の光りを表す飾り(光背)まで合わせると高さ約10mという、京都でも最大級の迫力ある仏像です。 鎌倉初期、仏師・運慶と湛慶の父子によって刻まれた貴重な仏像で、国の重要文化財に指定されています。
天皇の命を救った“身代わりのお釈迦さま”

戒光寺のお釈迦さまは“身代わりのお釈迦さま”とも呼ばれ、悪い事や、特に首から上の病気の“身代わり”になってくれるとして人びとから厚い信仰を集めています。 その由来は江戸初期のこと、後水尾天皇がまだ皇太子だった頃に次の皇位をめぐって争いが起きて暗殺に遭いましたが、ここ戒光寺のお釈迦さまが自らの首に傷を引き受けて血を流し、身代わりとなって皇太子の命を救ったと伝えられ、たしかにお釈迦さまを見上げると今も首元にその時に流した血の痕がくっきりと残っています。
身代わりとなってお釈迦さまが消える腕輪念珠

お釈迦さまに悪事や病気の“身代わり”を願い、さらにお釈迦さまに献じられたお茶のお裾分けをいただいて一服した後は、ぜひ同じお堂の中にあるお札・お守りの授与所へ。戒光寺をお参りする方の多くが授かる腕輪念珠(500円)があります。 この念珠、玉を覗くと身代わりのお釈迦さまのお姿が見えますが、自分の身に万一の悪事が起こった時にそのお姿が身代わりとなって消えて身を救うとか。お寺さんいわく、お姿が消えた人びとがお礼参りにやってきて、新たな念珠をもう一度授かって大切に持ち帰るそうです。 私の念珠は・・・、しっかりとお姿がまだ見えています♪

戒光寺
カイコウジ
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