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2013.12.12
幻の江戸野菜“亀戸大根”が食べられる和食料理店「亀戸升本 本店」
江戸時代、亀戸で自生していたと言われる幻の江戸伝統野菜“亀戸大根”。 一体どんな味がするのか、確かめに行ってきました♪
亀戸大根を使った料理は20種類以上
亀戸駅から歩いて約7分。白壁の大きな建物が、明治38年創業の「亀戸 升本 本店」です。入口にはつくばいがあり、水が滴り落ちる先には亀戸大根が置かれ、どこか懐かしさを感じさせます。店内は、1階がゆったりとくつろげるテーブル席、2階が大人数の宴会にぴったりな広々とした座敷です。 こちらで食べられる“亀戸大根”とは、その名の通り、江戸時代に亀戸に自生していたと言われる大根のこと。長さ約30cm、重さはわずか200gの日本一小さな大根で、その可愛らしい姿から「お多福大根」と呼ばれていました。明治時代には栽培も盛んになり、地元の人に親しまれた野菜でしたが、宅地化が進み、昭和初期になるとその姿はほとんど消滅してしまったのです。 それを本格的に復活させたのが、「亀戸升本」です。代々、亀戸大根をつくり続けていた鈴木さんに契約農家になっていただくとともに、タネを分けていただきました。そして、お店で年間を通して提供するため、他県の農家さんにも栽培をお願いしたのです。 以来、お店で亀戸大根を使ったメニューをどんどん増やし、今では、なんと20種類以上にのぼります。
まるでカブのような、ほくっとした食感
亀戸大根あさり鍋めし 1380円(ランチタイム)
お店の名物は、亀戸大根との相性抜群のあさりを使った「亀戸大根あさり鍋めし」(ランチタイム)1380円(写真)です。具材には、亀戸大根はもちろん、粒の大きなあさり、えのき、白菜、ねぎ、あわの実を練りこんだ、つるんとした食感のあわ麸に、亀戸天神社の太鼓橋にちなんで名づけられた、幅約5センチの太鼓橋うどんなどが入っています。 気になる亀戸大根のお味はと言うと、歯ごたえがしっかりしていながら、ほくっとして、まるでカブのようです! さらに、別皿に盛られたスライス大根を混ぜて食べると、シャキシャキとした食感と生の大根の香りが楽しめ、ひと味も、ふた味も変わります。 副菜には、有機醤油と紹興酒でつくった秘伝のタレに漬け込んだ「大根たまり漬け」、あさり、ねぎ、ごぼう、しょうがをすって練りこんだ「おあがり揚げ」、瑞々しく、食べるとパキッと気持ちほどいいほど音がする「亀戸大根すてぃっく」が付き、お得感たっぷりです。
アボカドとフォアグラのソースでいただく「大根ステーキ」も
夜はあさり鍋のコース料理のほか、亀戸大根を使った一品料理が人気です。揚げ出し、田楽、江戸前煮、寿司など、豊富なメニューがそろいます。中でもおすすめは、「亀戸大根ステーキ」 (580円)。厚さ3cm、長さ5cmほどに切った亀戸大根に、和風出汁で下味をつけてから、ステーキのように鉄板で焼き上げています。そこにアボカドとフォアグラを混ぜ合わせた、濃厚なソースを合わせていただきます。 食べてみると、少し固さを残しつつも、とろけるような口当たり。フォアグラのバターのようなこってりとした脂が、亀戸大根から出る出汁と絡み合い、一度食べたらやみつきになる味わい。キリッと辛口のオリジナル日本酒「升本」(1合)480円と合わせれば、食が進むこと間違いなしです。
亀戸升本 本店
かめいどますもと ほんてん
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上浦未来
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