65
2014.02.19
京都に早春の到来を告げる、梅の名所・北野天満宮「梅花祭」へ
京都屈指の梅の名所・北野天満宮では、梅の花をこよなく愛した祭神・菅原道真の命日にあたる2月25日に「梅花祭」が行われ、舞妓さんによる野点席や天神市で賑わいます。
梅をこよなく愛した菅原道真を祀る北野天満宮
嵐電・北野白梅町駅から東へ徒歩5分、学問の神様として厚い信仰を集める北野天満宮は、平安時代に学者・政治家として活躍した菅原道真を祭神として崇めています。高校や大学入試のシーズンと重なる現在、学問の神様にあやかって多くの受験生が参拝に訪れて本殿前に長蛇の列を成し、合格への願いを絵馬に書いて絵馬所に掛けて帰ります。 祭神の菅原道真は、天皇の信頼を得て右大臣として活躍しましたが、その後に政治の争いに敗れて九州・太宰府へ左遷されました。京の都を旅立つ日、幼き頃より梅をこよなく愛した道真は、邸宅に咲く梅との別れを惜しんで「東風(こち)吹かば匂い起こせよ梅の花 あるじなしとて春を忘るな」と詠み、九州・太宰府へと赴いて行きました。
菅原道真を偲んで、紅白の梅が咲き競う華やぎの「梅花祭」へ
北野天満宮において毎年2月25日に行われる「梅花祭」は、梅を愛した祭神・菅原道真が903(延喜3)年2月25日にこの世を去ったことから、道真を偲んで約900年前から続く長い歴史を誇る祭事です。 午前10時から本殿にて執り行われる神事は非公開ですが、境内に華やぎを添える約1500本の梅はほのかな香りを人びとに届け、可憐な紅白の梅に顔をほころばせます。
ひときわ華やぎに満ちる、芸舞妓さんによる野点のお茶席
梅花祭が行われる北野天満宮の境内には、かつて豊臣秀吉が催した北野大茶会にちなんで、午前10時から午後3時まで野点の茶席も設けられます。京都最古の歴史を誇る花街・上七軒の芸妓さん・舞妓さんによる野点の茶席で、梅の優しい香りを楽しみながらお抹茶をいただくことができます。お茶席はとても人気が高く賑わいますので、時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。 ≪野点席≫ 有料:1500円(拝服券・宝物殿拝観券・撤饌引換券の三連券) 1月25日より拝服券頒布、先着3000枚限り
梅花祭で賑わう天神市と、知る人ぞ知る梅のライトアップ
北野天満宮では毎月25日に「天神市」が催され、境内一円に数多くの露店が所狭しと並んで参拝者で大いに賑わいます。天神市の夜に毎月行われているのが境内のライトアップ。特に2月25日「梅花祭」の夜は梅のライトアップとなり、光輝く美しい梅林が広がります。仕事などで昼間の梅花祭に行けない方も、ライトアップされた梅を愛でに夜の北野天満宮へ足を延ばしてみては。 ≪境内ライトアップ≫ 毎月25日 日没から21時まで
北野天満宮
キタノテンマングウ
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
若村 亮 写真:吉村晋弥
の人気記事