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2024.06.30
京都よりみちこみち 上七軒通~御前通【前編】
北野天満宮に隣接し、市内のどこからでもアクセスしやすい上七軒。通りには、伝統的なお茶屋、料亭、和菓子店が並ぶ一方で、洋食や洋スイーツの店も点在します。気軽に入れる町家カフェや雑貨屋さんに立ち寄りながら、すっきりと洗練された町並みを満喫しましょう。
夏になると恋しくなる涼やかな夏柑デザート「老松」
デミグラスソースたっぷりのハンバーグステーキ「グリル彌兵衛」
ヨーロピアンテイストの花街の愛されスイーツ「GRACE SAISON」
非日常の空間で楽しむクリームティー「CLEHA coffee & tea room」
多彩な布小物がそろう、まるでがま口のギャラリー「まつひろ商店」

夏になると恋しくなる涼やかな夏柑デザート「老松」

「老松」は、上七軒で1908(明治41)年に創業した老舗和菓子店。儀式に用いる有職菓子から、その場をふっと和ませてくれるふだん使いのものまで幅広く扱っています。 店内もどことなく花街ならではのはんなりした雰囲気。使い込まれた和菓子の木型や、芸舞妓さんの名前が入ったうちわがさりげなく飾られています。花街の人々から信頼されている証ですね。


「夏柑糖」1620円。昔ながらの夏みかんの酸味とほろ苦さ、見た目の涼やかさが暑い京都の夏にぴったり(7月初旬頃までの販売)
お菓子の原点は、ときどきの野山に実る木の実や果実という考えから、フルーツや木の実を使った和菓子があり、その代表格が夏季限定の清涼感あふれる夏柑糖。寒天で固めてあるのでホロリと崩れ、心地よい酸味、爽やかな香り、ほんのりした甘さが夏の暑さを忘れさせてくれます。

蜜漬けの金柑とローストした香ばしいくるみに、それぞれ白いすり蜜をあしらった「山人艸果 (さんじんそうか)」6個入1836円
老松 北野店
オイマツキタノテン

デミグラスソースたっぷりのハンバーグステーキ「グリル彌兵衛」

店にかかる赤いのれんの文字 「yahey」は店主の筆による
京都の老舗フレンチ店などで修業を重ねた店主が手がける洋食屋さん「グリル彌兵衛」。中がほんのりピンク色に焼き上げられたハンバーグステーキに、たっぷりかかるデミグラスソースは絶品です。

「ハンバーグステーキとカニクリームコロッケ」2800円と、「スモールサラダとポタージュスープ、ライスまたはパンのセット」1700円
店主が命の次に大切というデミグラスソースは、脂っぽさがないのに、何ともいえない重厚なコクがあります。また、サラダにかかる、マヨネーズから手作りのドレッシングも他にはないおいしさ。足しげく通うリピーターが多いのにも納得です。
グリル彌兵衛
グリルヤヘイ

ヨーロピアンテイストの花街の愛されスイーツ「GRACE SAISON」

町家が並ぶ上七軒通の一角にあるヨーロッパ風の建物が目を引く「GRACE SAISON(グラース セゾン)」。ショーケースにはチョコレートの生菓子や、フルーツのケーキが並んでいます。

オーナーの母でもある大谷敦子さんは半世紀以上もの経験があるベテランパティシエで、自慢のザッハトルテは、フランボワーズジャムを使うなど独自のアレンジが施されたもの。ヨーロッパの固い甘さではなく、花街らしいはんなりした甘さを味わって。
GRACE SAISON
グラース セゾン
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文:戸塚江里子 写真:小川康貴 編集:ことりっぷ編集部
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