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2014.09.17
スウェーデンの陶芸家 リサ・ラーソンの世界へ
アフリカシリーズ「ライオン」など、素朴で温かみのある作風で知られるリサ・ラーソン。83歳になる今も創作活動を続ける彼女の作品に触れてみました。
「北欧の豊かな時間 リサ・ラーソン展」

アフリカシリーズ「ライオン」 1964年(プロダクト作品)
動物や子どもたちをテーマにした作品で知られるリサ・ラーソン。日本でもファンが多い陶芸家です。 スウェーデンの名陶器窯「グスタフスベリ」のアート責任者、スティグ・リンドベリに見出されたリサは、23歳でグスタフスベリ社に入社。 以来26年間の在籍中におよそ320種類の作品を制作し、国を代表する人気作家になりました。 そんなリサの代表作品を集めた展覧会「北欧の豊かな時間 リサ・ラーソン展」が松屋銀座で行われていると聞き、さっそく出かけてみました。 メイン写真/サマーハウスのアトリエ。展覧会ではアトリエを再現し、実際に使用している道具や制作中の作品も展示している
素朴で温かみのある作品の数々

転写された木と2羽のトリ 1960年代(ユニークピース)
展覧会には、グスタフスベリ社に入社する前から近作まで、ユニークピース(一点ものの作品)約60点と、社に在籍した26年間に作られたプロダクト作品約170点を一堂に展示。作品のセレクトはリサ自身が行ったそうです。 ユニークピース(一点ものの作品)は、量産するプロダクト品のように工程上の制限がないため、日本で知られるリサの作品とはまた違った趣があり、それらを直に見ることができるのは展覧会ならでは。 どこかユニークで温かく、自由でのびのびとした作風はプロダクト作品にも共通しているように感じられます。

トリップ・トラップ・トロール 1968年(プロダクト作品)

大きな動物園シリーズ「ネコ」 1965年(プロダクト作品)
豊かな暮らしから生まれるインスピレーション

会場にはスケッチも展示している
私生活では1952年に芸術家グンナルと結婚、3人の子どもと9人の孫に恵まれました。 現在はグンナルとストックホルム郊外に暮らし、夏はスウェーデン南部のスコーネ地方にあるサマーハウスで過ごします。 ここにはグンナルが建てた小さなアトリエがあり、まるで屋外にいるような大きな窓がリサのお気に入りだそう。 フリーになった今でも新作を発表するほか、絵本作りやファブリックのデザインをするなど、精力的に創作活動を続けています。 自然豊かなスウェーデンでの暮らしや、彼女を支えてる家族とのかかわりが、83歳の今でも尽きることのない創造性を生み出しているようです。

アトリエで創作活動を続けるリサ・ラーソン

グンナルとフィーカ(スウェーデンのコーヒーブレイク)を楽しむリサ。展覧会ではリサが日常使っているテーブルセッティングを展示している
来年まで日本各地を巡回展示予定
リサ・ラーソン展は銀座松屋での開催後、引き続き日本で展示を予定しています。 ぜひ、実際にリサ・ラーソンの世界に触れてみてはいかがでしょう。 ◆展覧会開催予定 2014年9月11日~23日 銀座松屋 2014年11月19日~12月8日 阪急うめだギャラリー 2015年3月7日~6月7日 滋賀県立陶芸の森 陶芸館 2015年7月18日~8月30日 群馬県立館林美術館 ほか、国内複数会場 作品所蔵:Collection Bernhard Svensson [email protected] 作品画像:©Lisa Larson/Thomas Carigren 風景写真:2014年6月 photograph by naoko akechi

北欧の豊かな時間 リサ・ラーソン展
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青木 萌
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