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2015.02.19
自然派ワインに惚れ込んだオーナーがひっそり営む、葉山のワインセレクトショップ「プール・ヴー」
ゆったりとした時間が流れる神奈川県の葉山町。豊かな自然に囲まれたこの地に、自宅の一角を改装した小さなワインショップ「Pour Vous(プール・ヴー)」があります。
“あなたのために”をコンセプトに

オーナーの金井麻衣子さんが自信を持っておすすめするワインがずらり
JR逗子駅からバスで約15分。バス停から歩くこと数分の閑静な住宅街の一画に、控えめに置かれた「プール・ヴー」の看板を見つけました。ガラス越しにワインボトルが並べられたカウンターを確認し、玄関のドアをノックすると、店主の金井麻衣子さんが笑顔で出迎えてくれます。まるで友人宅を訪れたような居心地の良い空間です。 店名の「プール・ヴー」とは、フランス語で“あなたのために”という意味。「小さいながらも店舗を構え、対面販売にこだわったのは、お客様の好みや、どういう状況で誰と飲むのか、などを踏まえてアドバイスしたいという思いがあったから」と金井さん。まさに店名のとおり“お客様一人一人のために”を考えて、ていねいにアドバイスしてくれるお店です。
厳選の自然派ワインがラインナップ

飼いイヌが多い葉山では、イヌのラベルのワインが人気
店に並ぶのは、金井さん自らが試飲会に足を運び、厳選したワイン。そのほとんどが自然派ワインと呼ばれるものです。 有機栽培で育てられたブドウから造ったワインのことを、オーガニックワインやビオワインと呼びますが、栽培だけではなく、醸造にも気を配っているのが自然派ワインなのだそう。 「農薬などを使わない健全な土壌で大事に育てられたブドウを、人為的な熱処理や、化学的な方法などをできるだけ用いないで、そのブドウの皮についた酵母だけで発酵させて、ていねいに造るのが自然派ワインです。とても手間のかかる作業ですが、だからこそ滋味豊かな、体に染みこんでいくようなおいしいワインができあがるんです」 金井さんの話には、それほどワインに詳しくない人でも楽しめる、ちょっとしたエピソードが盛り込まれています。「このイヌのラベルのワインは、本当にイヌの毛が濡れた時のような独特の匂いがするのですよ」などと聞けば、どんな香りか気になりますよね。 「ネコはありますか?」「ネコのラベルのワインもありますよ」という調子でどんどん話が弾んでいくのも、このお店ならではです。
ニュージーランドの旅が転機に

思い出の1本、ニュージーランド産のフェルトン・ロード
金井さんがワインに目覚めたのは、旅行で訪れたニュージーランドで出会った1本のワインがきっかけでした。 「それまでは、あまり深く考えずにワインというものを飲んでいました。でも、フェルトン・ロード・ワインズの『ドライリースリング』と出会って、そのおいしさに感動し、大事に飲みたいという思いが芽生えたんです」。 それをきっかけに、ワインに向き合う姿勢が変わったという金井さん。その後、自然派ワインの父と呼ばれる醸造家、マルセル・ラピエールの『モルゴン』と出会い、ワインへの愛着はますます深まっていきました。
試飲会やワインセミナーも開催

運が良ければ看板犬の「はな」が出迎えてくれる
日本では「ちょっと敷居が高い」と感じている人も多いワイン。そんなワインをもっと気軽に楽しんでもらいたいと、2000円台の手ごろなワインを数多く取りそろえています。 またお料理との相性を見極めるポイントや、冷蔵庫でどのくらい冷やせばいいか、開栓したけれど飲みきれなかった場合の保存方法など、的確なアドバイスを受けたくて、リピーターになる人も多いようです。 「お客様からいろいろフィードバックしていただくことで、より的確なアドバイスができるようになりますし、このお料理と一緒に食べたら美味しかったわよ、なんて教えていただくと、さっそく、試しちゃいます。そうやって、ワインを日常的に楽しむ土壌が広がっていくのが、お店をやる楽しみの一つですね」と金井さん。 季節に合わせたイベントや試飲会、ワインセミナーなども随時開催し、ワイン好きの輪を広げているそうです。イベント(詳細はHP参照)に参加して金井さんの人柄に触れ、厳選された自然派ワインを味わってみてはいかがでしょうか。葉山のおだやかな空気感も手伝い、何度も足を運びたくなってしまいます。

Pour Vous
プール・ヴー
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