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2016.10.12
かわいい落雁づくり体験も♪美しい庭園を望む、金沢の老舗和菓子店「森八 本店」
金沢にある「森八 本店」は創業390年の老舗和菓子店。「長生殿(ちょうせいでん)」をはじめとした伝統の銘菓や季節の和菓子のほか、2階には美しい庭園が望める茶寮や藩政時代からの菓子木型を展示した美術館も併設されています。金沢の和菓子の世界にたっぷりと浸かることができますよ。

創業390年、加賀藩御用菓子司「森八」

金沢市大手町にある「森八 本店」
2011年に移転オープンした「森八 本店」は、兼六園から徒歩10分、東山方面へ抜ける大通り沿いの大手町にあります。寛永2年(1625)年創業、390年の歴史を誇る金沢を代表する老舗です。

壁には、ひときわ目をひく「長生殿本舗」と書かれた一枚板の看板が
古き良き金沢の情緒を醸し出す建物の中へ入ると、店内は伝統的な商家風の広々とした贅沢なつくり。伝統の和菓子や四季の和菓子がところ狭しと並び、その種類の多さに驚かされます。

紅白の落雁「長生殿」。菓子表面には「長生殿」の文字が浮かんでいる
「長生殿」とは日本三名菓の1つの落雁。三代藩主前田利常公の創意から作られ、以来、変わらない製法が守り続けられている「森八」の代名詞的な菓子。北陸のもち米の粉と四国産の和三盆糖から丁寧に作られた「長生殿」は、その柔らかな甘さとほどけるような口当たりが特徴です。

千数百点もの木型の展示で和菓子の歴史を伝える「金沢菓子木型美術館」

たくさんの木型と不思議な光に包まれる「木型トンネル」
落雁や金花糖作りに使われる創業以来の木型を集めて展示しているのが、2階にある「金沢菓子木型美術館」(入館料大人200円、小中学生100円)です。「森八」で藩政期より使われてきた木型、千数百点が展示されています。歴史だけでなく代々の職人達の心意気までも伝わってくるような特別な空間です。

藩政時代からの木型が展示されている(上)。長さ40センチほどの大きな金花糖の鯛(左下)やオブジェのように飾られた焼印(右下)も

寺島蔵人邸の庭を眺められる絶景の茶寮

2階の茶寮。庭園側はカウンター席になっている
2階には、隣接する金沢市指定文化財、寺島蔵人邸の庭園の風景が楽しめる茶寮もあります。春のドウダンツツジ、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々の景色を楽しめるよう、庭園側はカウンター席に。

「お抹茶・上生菓子セット」(700円)
四季の景色と合わせて楽しみたいのが、「お抹茶・上生菓子セット」(700円)です。四季折々の色や形を競い、和菓子の芸術品とも言われる上生菓子。「森八」ではおよそ2週間ごとに種類をかえて、季節にあった和菓子が作られていますので、どんな和菓子と出会えるのかも楽しみですね。

上生菓子はおよそ2週間ごとに種類が変わる

極上の糸寒天を使った「あんみつ」

「あんみつ」(950円)
和スイーツファンに人気なのが、「あんみつ」(950円)です。極上の糸寒天からつくられていて、寒天のさくっとした食感が魅力です。家伝の黒蜜と箸休めの塩昆布がついているのも嬉しいですね。 ここでは、主計町の人気料亭「貴船」の森八本店限定特製弁当(小さなあんみつ・お抹茶付き3240円、要予約)もあって、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
「貴船」の記事はこちら

「落雁作り体験」(1296円)
茶寮の奥では、「落雁手作り体験」(体験料、お抹茶、お土産用小箱、木型美術館入館料付き1296円、要予約)も1日に2回行われていて、自分で手作りした落雁をその場でお抹茶と共にいただくこともできます。 「森八 本店」で四季折々の和菓子の魅力から、和菓子の歴史まで、金沢の和菓子文化をたっぷりと堪能してくださいね。

茶寮にあるお茶室

森八 本店
モリハチ ホンテン
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吉田 紀子
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