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2019.04.09
台湾のパンを堪能! 五反田『東京豆漿生活』で味わう朝ごはん|by PARISmag
毎日の暮らしのなかで少しだけ心が弾むような豊かさをお届けするWEBマガジンPARIS mag(パリマグ)から、今回は五反田にある『東京豆漿生活』をご紹介します。
パリと言えばパンですが、世界にはさまざまな種類のパンがありますよね。パンのおもしろさをもっと探求したい!と、東京で楽しめる世界のパンの情報をお届けすることにしました。今回ご紹介するのは、台湾式の朝ごはんが楽しめるお店。
五反田駅から徒歩5分、今回の目的地『東京豆漿生活(トウキョウトウジャンセイカツ)』。台湾式の朝ごはんとは、一体どんなメニューなのでしょう?店主の田邊さんにお話を聞いてきました。
台湾の食文化を日本に伝えたい
『東京豆漿生活』の店内
店主である田邊さんは、都内初の豆花*専門店『東京豆花工房』のオーナーでもあります。今回、新たにオープンしたのが台湾式朝ごはん専門店『東京豆漿生活』。どちらも台湾にまつわるお店ということで、なにかきっかけがあったのでしょうか? *豆花…豆乳を用いた台湾の伝統的なスイーツ。
「私の妻が台湾人ということもあり、お店を始める前の会社員時代から飲食に限らずいずれは台湾と関わりのある仕事をずっとしたいと考えていたんです。それがたまたま豆花(トウファ)でした。台湾で実際にお店をされていた方に教えていただいて、本場の味再現することをすごく大切にしました。でも、教えてもらった通りのレシピで作っても、日本の大豆・お水・豆乳の作り方…など、材料が全く異なるので本当に試行錯誤しました」と田邊さん。
今回オープンした『東京豆漿生活』では、台湾式の朝ごはんが食べることができます。朝食にフォーカスした理由を伺いました。 「台湾だと朝の5時、6時から朝ごはん屋さんが開いていて、みんな本当にしっかり朝ごはんを食べます。台湾では日常的なことですが、それってすごく豊かな文化だと思うんです。でも東京には、朝早くからやっていて朝食が食べられるようなお店が全然ないんですよね。だから、日本でも朝食が食べられるお店があったらなというのが一番最初の出発点でした」。 朝食を通じて、台湾の食文化を体験できるのはうれしいですね。
搾りたての豆漿に、台湾の伝統的なパンがずらり!
『東京豆漿生活』では、台湾の朝ごはんの定番でもある、豆乳と豆乳に合う台湾系のパンなどを堪能できます。ぱっと見ただけでも、日本では見かけない気になるパンがずらり! すべてお店で手作りしているというから驚きます。
手前が甘いもの、奥が塩っけのあるもの
こちらはパンとパイの間のような感じで、しっかりとした生地が特徴です。中には甘い具材、塩っけのある具材が入っていてます。 「ラードを入れた生地と、普通の小麦粉を入れた生地を重ねて織り込んでいくことで層になるんです。サクサク感もあり中はしっとりと仕上がるんです」と田邊さん。
訪れた日は、甘い具材はゴマやピーナッツ、塩っぱい具材は大根や春雨を調理したものが入ったパンがありました。
塩もみした大根と干しエビ、ネギが入った「蘿蔔酥餅(大根)」も絶品!
中には具材がぎっしり入っていて食べごたえも満点。具材はそのときどきで変わるそうなので、お楽しみに!
こちらは中華系のお菓子のような「酥餅(スーピン)」。皮がサクサクほろほろとくずれるような食感で、月餅に近い食感。
ごまがたっぷりのったこちらは、「焼餅(シャオビン)」という中国式の焼きパン。 焼餅は、横に切り込みを入れて具材を挟んで食べるというのが一般的な食べ方。『東京豆漿生活』では、ネギ卵というネギ入りの薄焼き卵などを加えてサンドすることができます。
また、お店では毎朝しぼりたての豆乳をいただけます。店名にもある「豆漿(トウジャン)」とは豆乳のことなんです! 豆漿を絞るのは、田邊さんの朝一番の仕事。使用する大豆も、北海道や九州などいろいろな土地の大豆を試しているそう。
「台湾のパンや食べ物は、口の中の水分を持っていかれるようなものが多いので、豆乳を一緒に飲むスタイル一般的です。台湾の方は、朝ごはんや小腹が空いたときに豆乳やピーナッツスープ(花生湯)というほんのり甘めのスープに、揚げパンを浸して食べています」と田邊さんが教えてくれました。 お店で味わえる豆漿の種類も豊富。プレーンな「豆漿(豆乳)」、自家製のシロップで甘みを加えた「黒糖豆漿(黒糖豆乳)」や「胡麻豆漿(ゴマ豆乳)」。そして、一番人気が「鹹豆漿(シェントウジャン)」という豆乳スープ。さっそく注文してみました。
酸っぱい豆乳スープが絶品!ゆっくり味わう朝ごはん
一番人気という「鹹豆漿(豆乳スープ)」と、焼餅のサンドをオーダー。
「鹹豆漿」は、お酢が入った自家製調味料で豆乳をゆるりと固めたスープ。酸味と、とろっとなめらかな優しい味わいのスープで、朝食にぴったりの1品です。 日本では、なかなかこのスープを食べられるところが少ないそうで、お店には台湾人の方も多くいらっしゃっていました。
一緒にオーダーした焼餅のサンドがこちら。見てくださいこのボリューム。焼餅にネギ卵と揚げパン「油条(ヨウティヤオ)」を挟んで食べるのが、台湾ではポピュラーな食べ方なのだそうです。
「油条」は単品でもオーダーできます。
パンにパンを挟むということでボリューム感に驚いてしまいますが、やさしい卵の味わい、油条のサクっとした軽い食感、そして包み込む焼餅の3つのコラボレーションが絶妙!癖になるおいしさでした。
「蘿蔔酥餅(大根)」と「花生餅(ピーナッツ)」、「豆漿(豆乳)」
プレーンの豆乳は、優しい味わい。甘い具材、塩っぱい具材どちらとも相性◎。 酸っぱい豆乳スープ「鹹豆漿」以外の豆乳のメニューは、アイスとホットから選ぶことができます。
思い思いに、豆乳と気になるパンを選んで楽しむ朝食のひととき。おいしい朝ごはんに、店内には大きな窓から朝日も差し込み、1日の始まりに活力をチャージできそうです。 「幸せですよね、朝ごはんをゆっくり食べられるのって。3年後、5年後とかに、もっと朝ごはんのお店が増えたらいいなという願いも込めています」と話す田邊さん。 ついつい朝食を抜いてしまうことも多いですが、台湾の朝ごはん文化に触れて、ゆっくりとした朝の時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?
東京豆漿生活
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