ミラーボールをモチーフとした幻想的な空間

2000年に彗星のごとく顕れた「ミラーボーラー」とは、多種多様な美術・芸術・技術表現により、各々の分野で活躍中のメンバーから構成される日本のインスタレーションアート集団です。 名前の由来でもあるミラーボールとは、20世紀前半の世界のキャバレー文化や、日本の1970年代後半～90年代初めのディスコ文化の象徴ともいえる照明装置。小さな鏡が球体状に張り付けられていて、光をあてながら回転させると反射されたたくさんの光が散りばめられます。 ミラーボールをモチーフとした独創的な造形物を使って、無数の光と反射を放つ幻想的な空間を創り出しています。

6つの巨大アート作品が空間に登場

「小さくて大きな自然と宇宙の軌跡」

館内では、「二度と同じ瞬間は見られないような、誰にとっても同じものには見えないような、固有名詞をもたない、どこにも存在しないものを創る」というテーマで、6つの巨大アート作品が空間に登場しています。 「小さくて大きな自然と宇宙の軌跡」は、ドームにからまる野生の姿の大きな根と幹、葉、そして生きている草花らに囲まれた百葉箱のようなオブジェ。オブジェの中の別世界には隣の作品が映り込み、見る角度によって、向こうにゆらめく別世界が、すべて異なって見えます。

「記憶のかけら」

「記憶のかけら」は、いにしえの北欧での自然崇拝に基づくヒンメリと、生命の循環をイメージするフラワーオブライフに、守られるようにそびえたつトーテムポール。 トーテムポールは天へと高くそびえるだけでなく、地下深くどこまでも続いているように見えます。

「inner voice」

「inner voice」は、再生の途中、もしくは破壊の途中にも見える巨大な多面体。多面体の中央で回る物体は、右回転したと思うと左回転したり、また回転は速度もまちまちです。 外側の多面体のとある面から覗き込むと、すべての作品が、現れては消えていきます。

このほか、刺々しい外身の内に秘められた安らぎの光の環が印象的な「WAREE宇宙まん華鏡1.1」をはじめ、すべての生き物にとって生きる源であり、暗黒の世界を変える希望の象徴でもある光を表現した「Ⅼight The Ⅼight」、ミラーボーラー星の守護神のごとく全作品に影響を及ぼしている「彩龍舞 chaos&rebuild」など、異なるタイトルとコンセプトを持つ巨大アート作品が広がります。

館内は、作品ごとに緻密に組み立てられた照明演出に彩られています。それだけではなく、会場全体には、時とともに、いくつもの場面を積み重ねて構成された照明演出が仕掛けられています。 各作品の内から放たれる光の粒やあふれる七色の輝きが、さらに互いの光と混じり、反射しあい、二度と同じ瞬間は訪れない、予想を超えた無限の煌めく幻想世界が創出されています。

大きな展示作品以外にも、ミラーボーラーが様々な場所で創ってきた作品の鏡の中で光り輝くかのような写真展示や、宇宙を旅するお花屋さん“モッケル” のわくわくワールドが出没しています。

展覧会会期中は、作品を手掛けたミラーボーラーのアーティストによるワークショップが開催されます。 オリガミアート「ホログラムオリガミでランプシェードを作ろう」では、ホログラムの加工をされた特殊な折り紙キットを使って、ランプシェードを作ることができます。初級と中級で、完成する作品が異なります。

また展覧会開催を記念し、ミラーボーラーのアーティストがデザインした会場限定オリジナルグッズの販売や、アーティストの作品などが販売されます。 ミラーボールの光と影が織りなす壮大なストーリーを、ぜひ感じてくださいね。