
94
2022.02.17
西陣の京町家に週2日だけオープンする出張カフェ「みのり菓子」で、こだわりの和スイーツを♪
京旅の楽しみのひとつでもある町家カフェ。そのなかの一軒、「みのり菓子」は、週に2日間だけオープンする隠れ家カフェです。風情ある西陣の町家空間で、和菓子をベースにした話題の創作スイーツとおばんざいランチをいただくことができますよ。
ゲストハウス「草と本」のイベントスペースに出店

赤い紅殻格子(べんがらごうし)が目を引く築約100年になる町家
「みのり菓子」へは、京都駅からバスで約30分の堀川上立売で下車、上立売通を東へ進み、2筋目の路地を右へ入った辺りです。営業日には「みのり菓子」の看板も出ているので見逃さずに。スマホの地図を利用する場合は、「草と本」で探してください。

町家が人と人をつなぐ場になるようインテリアも工夫
町家は「織屋建」という造りで、かつては西陣織の工房でした。土間で靴を脱ぎ部屋に入ると、心地よさそうな空間が広がっています。ゲストハウスのロビーとして利用されていますが、ときにはこちらで食事をする方もいるそう。
毎回違うから面白い出張カフェ

庭をのぞむ二間続きの和室がカフェスペース
店主の小林優子さんが町家のオーナーと出会い、出張カフェをオープンにいたったのは2021年3月のことです。 「旬の素材を使い、その場に合ったお菓子を作ることが以前からのテーマでした。毎回違う条件でテーマに挑戦できる出張カフェというスタイルは、コンセプトにぴったりなんです」と小林さん。まさに一期一会のカフェです。
爽やかな苺がふわりと香るスープで食べる苺大福

「スープで食べる苺大福」(単品700円、ハーブティーとのセット1200円)
カフェのコンセプトから、特定のメニューが長く提供されるということは少ないそうですが、そのなかでも比較的長期間にわたって味わえるのが苺大福。 「主役である苺が、大福の中に隠れているなんてもったいない」という素朴な疑問から考案されたスイーツです。スープには、甘味の強い「あまおう」と酸味と香りに優れている「恋みのり」の2種の苺が使われています。大福の生地には卵白が混ぜ込んであり、中には白あんが。そのため白さが際立ち、苺の赤との対比が印象的です。 こちらは、トッピングに使われている柚子の季節が終わる3月上旬頃まで楽しむことができます。
春の足音が聞こえてくる桜餅

「さくらさくら」(単品700円、ハーブティーとのセット1200円)
寒さが少しやわらぐ頃、苺大福と入れ替わりにお目見えするのが、スープで食べる桜もちの「さくらさくら」。豆乳ベースのスープは、青大豆からつくる鶯きな粉でほんのりと若草色に染まっています。カプチーノのようにふわりと泡立てられている様子は、春霞のようですね。 また、桜葉は餅に桜の香りを移すためのもので、正式には食べないそう。「でも私は好きなので食べます」と、和菓子のプロである小林さんが打ち明けてくれました。ルールにとらわれずおいしく頂くことが一番大切です。
週替りのプレートランチも充実

「彩りランチ」1000円
カフェのオープン時間は少し遅めの12時。お昼ごはんの時間に合わせて、ランチメニューも用意されています。 大皿に、ごはんやスープ、それに何種類ものおばんざいがぎっしりと盛られたランチをお目当てに、毎週通ってこられるご近所さんもおられるとか。濃厚な人参のポタージュ、食べ応えのある高野豆腐の南蛮漬け、ピリリと実山椒が爽やかな糸こんにゃくの煮物など、味のメリハリが効いていて、楽しく完食できますよ。 みのり菓子さんのメニューは、ランチ1種、スイーツ2種にドリンク数種が基本で、訪れるごとに新しいスイーツや料理に出会えることが魅力です。「みのり菓子」という店名は、お菓子の原型は果物であったことと、お菓子を食べた人に笑顔が実りますように、という思いからきているそう。 出張カフェという珍しいスタイルから生み出される、その時、その場でしか味わえない一期一会のお菓子を、ぜひ味わってみませんか。

みのり菓子
ミノリガシ
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
戸塚江里子 撮影:保志俊平
の人気記事















































