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2022.03.21
スタイリッシュに生まれ変わった錦糸町の老舗銭湯「黄金湯」で、ほっこりしましょ♪
東京スカイツリーの南側、錦糸町エリアにある「黄金湯」。昔ながらの住宅街が広がるこの地で戦前から続く老舗銭湯が2020年8月、ビアバーやDJブース、サウナを備えたスタイリッシュな銭湯にフルリニューアルしました。昔ながらの銭湯の雰囲気を残しつつ、おしゃれに生まれ変わったと注目を集める「黄金湯」に足を運んでみませんか。
建築家・長坂常が改修を担当し、おしゃれにリニューアル
改修はブルーボトルコーヒーなどを手掛けた建築家・長坂常が担当
JR・東京メトロ錦糸町駅から北へ徒歩6分。大型複合ビル「錦糸町オリナス」を越えた少し先に「黄金湯」はあります。創業80年を越える「黄金湯」は2018年、建物や設備の老朽化から廃業の危機に。そんな時ここから北に徒歩6分の下町エリアを代表する銭湯「⼤⿊湯」の運営をしていた新保夫婦が、「次の世代に銭湯を繋げたい」という思いから新たにオーナーとなり、クラウドファンディングを立ち上げ。最終的に1043人が参加、600万円以上が集まったそうで、その資金を基に2020年8月にフルリニューアルしました。
暖簾をくぐると洗練された空間が広がりまるでカフェのよう
カフェのようにスタイリッシュな空間
暖簾をくぐると、コンクリートの壁や配管があえてむき出しになった、およそ銭湯らしくないスタイリッシュでおしゃれな空間が広がっています。番台にはバーカウンターとアナログレコードのDJブースがあり、その横にはベンチも設置されています。こちらは入浴後にゆっくりとくつろげるスペースで、「黄金湯」を訪れる人々の憩いの場として親しまれています。
スタッフさんが着ているはっぴの裏にも「黄金湯」のロゴが
こちらは世界的に活躍するデザイナー・高橋理子が、「黄金湯」のためにデザインしたオリジナルロゴ。浴槽やタイルをイメージしたという立方体のロゴには「黄金湯」の文字が書かれており、ラインの部分は“銭湯を見えないところで支える配管”を表現しているそう。スタイリッシュな店内にぴったりのおしゃれなロゴですね。
スタイリッシュななかに昔ながらの雰囲気が感じられます
リニューアル前から使用していたものを譲り受けて設置した靴箱
おしゃれに生まれ変わった「黄金湯」ですが、店内では昔ながらの雰囲気を感じることもできます。こちらはフロントに設置されている靴箱。フルリニューアル前から使用していたもので、古き良き銭湯の雰囲気を感じることができます。ノスタルジックな木札式靴箱の木札裏ひとつひとつに、クラウドファンディングの支援者の名前が刻まれているのだとか。
現代風の大きな暖簾が印象的
こちらはアーティストの田中偉一郎氏が手掛けた大きな暖簾が目を引く脱衣所。暖簾は、“銭湯といえば「お~い」の掛け声がかけたくなる”ということからデザインされたそうです。脱衣所はスタイリッシュで明るく清潔感があり、洗面台やドライヤーコーナーもきれいで使いやすいと好評です。
広々とした浴場で、ゆったり温まりましょう
白やベージュで統一されたすっきりとした浴場
白やベージュで統一されたシンプルな浴場には、男湯・女湯ともに4種の浴船があります。43~44度のあつ湯や中温湯の日替わり薬湯のほか、疲労回復や美肌などに効果がある高濃度炭酸泉、掛け流しの水風呂が。地下から汲み上げた軟水をさらに軟水機に通した超軟水を使用しているため、肌にやさしいやわらかな肌触りとなっています。
水深90㎝の広々とした水風呂
こちらは近頃若い人々からも人気を集めている水風呂。温度の異なる湯船に交互に入ると体の疲れが取れ、リフレッシュできると好評です。水深90㎝の水風呂は夜になるとライトアップされ神秘的な雰囲気に。男湯の奥にあるため通常は男性専用ですが、毎週水曜日に男湯と女湯が入れ替わるため、気になる人はこの日を狙って訪れてみて。そのほかサウナも併設されており、女湯には国産ヒノキを使用したセルフロウリュサウナがあります。
銭湯の代名詞ともいえる壁画にも注目です
漫画家・ほしよりこ氏により描かれた壁画
浴場の壁には『きょうの猫村さん』でおなじみの漫画家・ほしよりこ氏による壁画が。右から左へと物語が進む巻物スタイルで、黄金湯の近くで生まれた男の子が成長し結婚。家庭を持ち子供とともにまた黄金湯を訪れる、という黄金湯と男の子の成長・循環を題材にした物語になっています。
やわらかくしなやかなタッチで描かれている
ほしよりこ氏によりしなやかなタッチで描かれた黄金湯と男の子の成長・循環の物語を、お湯に浸かりながらじっくりと眺めるのも楽しいですね。
お風呂上りはビアバーでひと息つきましょう♪
注ぎたての「黄金湯ビール」(600円)で温まった体をクールダウン
2020年8月のリニューアルを機に番台にビールサーバーが設置され、ビアバーのように楽しめる、訪れた人々のくつろぎの場が設けられました。サーバーから直接注がれたビールが飲める銭湯は珍しいですよね。 お風呂上がりの火照った身体にぴったりと人気なのが、黄金湯オリジナルの「黄金湯ビール」。店名の「黄金」から、黄金色のビールを提供しています。そのほか自家製レモンスカッシュやコーヒー牛乳などのソフトドリンクもあるので、大人から子供まで、お風呂上がりの至福の一杯を楽しむことができます。
番台に設置されているアナログレコードのDJブース
こちらは「音楽でも人々を繋げたい」という思いで番台に設置したというDJブース。店内のBGMはこのターンテーブルでかけられており、曲をリクエストすることも可能です。中にはレコードを持参してくる人もいるのだとか。BGMは浴場でも聴こえるようになっており、すてきな音楽を聴きながらお風呂に入れるのはうれしいですね。
「黄金湯」オリジナルのスタイリッシュな商品をおみやげに
「SLEEVE BAG」(左・2500円)、「手ぬぐい」(右・1500円)
番台では「黄金湯」オリジナルのアイテムを購入することができます。オリジナルロゴ入りのアイテムも豊富で、折り畳んでコンパクトに持ち運べる「SLEEVE BAG」のほか、「今治タオル」やキーホルダーなどをラインナップ。さらにほしよりこ氏による壁画がそのまま染められた「手ぬぐい」など、普段使いにもぴったりなアイテムが豊富にそろっています。訪れた記念にゲットするのもいいですね。 ゆったりとお湯に浸かって疲れを癒せるのはもちろん、そこに集う人々と交流が生まれるのも銭湯の魅力のひとつ。スタイリッシュの中に昔懐かしい雰囲気を感じる「黄金湯」で、心も体もじっくりと温まりませんか。
黄金湯
コガネユ
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クエストルーム 写真:古本麻由未
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