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2023.01.26
1/26-4/9|夭折の天才エゴン・シーレをめぐる「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」
上野にある東京都美術館では、1月26日(木)から4月9日(日)まで、「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」を開催します。
夭折の天才エゴン・シーレをめぐるウィーン世紀末美術を展観する大規模展

エゴン・シーレ 《ほおずきの実のある自画像》 1912年 レオポルド美術館蔵 Leopold Museum, Vienna
世紀末を経て芸術の爛熟期を迎えたウィーンで活躍した画家、エゴン・シーレ(1890-1918)。わずか28年という短い生涯の間に鮮烈な表現主義的作品を残し、美術の歴史に名を刻みました。 生涯にわたり自画像を描き続けたシーレの作品の中でもよく知られる、自画像《ほおずきの実のある自画像》も来日。高さが不ぞろいな人物の肩と、ほおずきの蔓がおりなす構図には、世紀末のウィーンという多様な価値観が交錯し対立する世界にいる画家の苦悩や葛藤が映し出されているようです。

エゴン・シーレ《装飾的な背景の前に置かれた様式化された花》 1908年 レオポルド美術館蔵 Leopold Museum, Vienna
最年少の16歳で、美術学校の最高機関であるウィーン美術アカデミーに入学するも保守的な教育に不満を抱いていたシーレ。その頃、当時のウィーン美術界の中心人物だったグスタフ・クリムトと個人的に知り合います。 クリムトからの影響がもっともよくあらわれている作品が、《装飾的な背景の前に置かれた様式化された花》。正方形のカンヴァスや背景に金や銀を用いた点が、クリムトの手法を感じさせます。

エゴン・シーレ《菊》 1910年 レオポルド美術館蔵 Leopold Museum, Vienna
エゴン・シーレの生涯は、アカデミーへの失望と中退、常識にとらわれない創作活動による逮捕、第一次世界大戦への招集といった波乱に満ちたものでした。わずか28歳でスペイン風邪のパンデミックで命を落とすまで、自己のアイデンティティへの葛藤や人間の内面や性を描き続けました。

エゴン・シーレ《母と子》 1912年 レオポルド美術館蔵 Leopold Museum, Vienna
今回の展覧会には、エゴン・シーレ作品の世界有数のコレクションで知られるウィーンのレオポルド美術館の所蔵作品を中心とする50点が集結。画家の生涯と作品を振り返りつつ、クリムト、ココシュカ、ゲルストルをはじめとする同時代作家たちの作品もあわせて紹介します。 爛熟した世紀末から20世紀初頭にかけてのウィーン美術に触れることができる大規模展覧会へ、ぜひ足を運んでみませんか?

エゴン・シーレ《モルダウ河畔のクルマウ(小さな街Ⅳ)》 1914年 レオポルド美術館蔵 Leopold Museum, Vienna
レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才
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