
61
2024.01.03
新春江の島さんぽ♪2024年の良縁を願って天女と五頭龍の恋伝説がある「江島神社」へ初詣
初夢に見ると縁起がいい “一富士・二鷹・三茄子”。湘南の海に浮かぶ江の島から眺める富士山は青空に映える優雅な姿で、その眺めと江島神社の参拝で毎年江の島のお正月は大勢の人々で賑わいます。またこの島を舞台にした天女と五頭龍のロマンチックな伝説も語り継がれ、伝説にあやかって龍年の2024年は初詣に出かけるのもおすすめです。名物のしらすのお昼ごはんやお茶屋さんのお汁粉で一休みしながら、江の島で新年のひと時を過ごしてはいかがでしょうか。
江戸時代から親しまれ続ける江島神社へ初詣
三つの宮にお参りしながら島内を巡る江の島詣で
手水舎で心と手先を清めて参拝する「辺津宮」
ひときわ美しく芸事にも通じる神様「中津宮」
やわらかい光りに包まれる厳かな「奥津宮」
江戸時代から親しまれ続ける江島神社へ初詣
長さ約390mの長い弁天橋を渡って江の島へ
今ではすっかり観光地としてお馴染みの江の島は、江戸時代には江の島詣でとして賑わいを見せた霊験あらたかな一面もある島。この島に古くから伝わる『江島縁起』によると、悪行を繰り返す5つの頭を持つ龍が、天から舞い降りて江の島をつくった天女に恋をしたことで心を改め善行を尽くし、天女と結ばれたというロマンチックな伝説が言い伝えられています。
三つの宮にお参りしながら島内を巡る江の島詣で
朱の鳥居と瑞心門
弁天橋を渡り青銅の鳥居をくぐると、弁財天仲見世通りへと続きます。土産物店が軒を連ねる賑やかな通りをそぞろ歩き歩くと江島神社の朱の鳥居、その奥に「瑞心門(ずいしんもん)」が見えてきます。江島神社は三姉妹の女神様が祀られ、辺津宮(へつみや)・中津宮(なかつみや)・奥津宮(おくつみや)の三つの宮からなり、海の神、水の神、幸福や財宝を招き芸道の上達の功徳を持つ神様として仰がれています。
手水舎で心と手先を清めて参拝する「辺津宮」
辺津宮の社殿
瑞心門から階段を登って一番はじめに見えてくる宮が田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)をお祀りした辺津宮です。江島神社でのご祈祷はここで奉仕され、いつも多くの参拝者でいっぱいの境内です。参拝したあとは「茅の輪」くぐりで邪気を払うほか、銭洗いで有名な「白龍池」で心とお金を清めると金運のご利益も期待できます。

(左上)奉安殿(右上)弁財天様のお守り(左下)白龍池でお金のお浄め(右下)楠の大木に見守られる御朱印所
辺津宮境内にある八角のお堂・奉安殿には、日本三大弁財天として知られる八臂(はっぴ)弁財天と妙音弁財天が祀られています。特に江戸時代はこの弁財天への信仰が集まり、たいへんな賑わいをみせたのだとか。
2024年の開運を願って龍の御朱印とお守り
「切り絵御朱印」(1500円)
奉安殿の向かい側では御朱印がいただけます。「江島神社」「弁財天」をはじめそれぞれの宮ごとの御朱印などを合わせるとその数は10種類にも。毎年恒例のカラフルな台紙に重ねる切り絵御朱印は、2024年の干支と島の伝説にちなんだ龍が絵柄です。
「御朱印帳」(各2000円)
御朱印帳は葛飾北斎の版画のような構図の富士山と江の島を描いたものや神秘的な三女神、勇壮な龍など数種類。ぜひお気に入りを見つけて。
「龍神守」(800円)
お願いごとに応じて数多く用意されているお守りも、美肌・美髪・美笑・美形・美白と5つの種類から選ぶ「美人守」という3姉妹を祀った神社ならではのものが登場します。運気向上・心願成就なら力強い今年の干支の「龍神守」を。
「おみくじ」(200円)縁起物は偶然にも干支の龍でした
吉凶が気になるおみくじには、この神社にゆかりのある小さな縁起物が納められています。バッグやお財布に入れてゲンを担ぐのもおすすめです。
ひときわ美しく芸事にも通じる神様「中津宮」
1964年の東京オリンピックでは日本で初めての競技用ハーバーとして使用されたヨットハーバー
辺津宮をあとにして参道を進むと、視界が開けて対岸の江の島東浜や腰越のエリアを見渡す展望台に出ます。ここからは江の島のヨットハーバーも見渡し、青い海と白いヨットのコントラストがまぶしく映ります。この展望台から階段を上がった先が中津宮です。
中津宮の社殿
市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)をお祀りした中津宮は、三姉妹の中でもひときわ美しいと伝えられ、美の神様としてもあがめられています。朱色の社殿があでやかで、拝殿の格天井には四季折々の花鳥画がほどこされ、軒先の龍の彫物も見事です。

(左上)屋根の彫り物(右上)格天井の花鳥画(左下)石灯篭(右下)水琴窟
芸事の向上にもご利益があり、参道の両側には江戸歌舞伎の「市村座」と「中村座」が奉納した一対の石灯篭があります。また社殿脇の庭園にある水琴窟では、水を流すと心が洗われるような音が聞こえてきますよ。
やわらかい光りに包まれる厳かな「奥津宮」
奥津宮
奥津宮へは御岩屋道通りを進んで江の島のさらに奥へと入っていきます。「山ふたつ」という切り立った断崖と海を眺める展望台を過ぎると、源頼朝が寄進したといわれている奥津宮の鳥居が見えてきます。
柵の向こうにみえる奥津宮の本殿
女神三姉妹のなかの長女である多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)をお祀りした奥津宮。江戸時代まではご神体を奉祀していた岩屋に近く、拝殿から眺める本殿は光をまとった壮麗な佇まいです。波の浸食でできた岩屋は、4月~10月の間は海水が入り込むためご神体をこちらに移し、本宮御旅所(おたびしょ)と呼ばれていたのだそう。
じっと見つめる「八方睨みの亀」
拝殿の天井には江戸時代の絵師・酒井抱一画の「八方睨みの亀」が描かれています。拝殿のどこに立っても描かれた亀と目が合うのが不思議です。
龍神様の迫力に圧倒される人気スポット「龍宮」
存在感のある龍の像
奥津宮のとなりには龍神様を祀る「龍宮(わだつのみや)」があり、眼光鋭い大きな龍の像が威厳を放ちます。ちょうど岩屋本宮の真上にあり最近はパワースポットとしても人気で、財運にご利益があるといわれる日には参拝の長い列ができるのだとか。
江島神社
えのしまじんじゃ
名物のしらすを海上の絶景テラスで「江ノ島 魚見亭」
140年の歴史を持つ「江ノ島 魚見亭」
江島神社の参道は階段が多く3つの宮も離れていることから、参道沿いにはお茶屋さんが点在し休憩しながらお参りをするのも楽しみの一つです。とくに江の島名物・しらすの定食を看板メニューに掲げるお店が多く、明治時代に創業した「江ノ島 魚見亭」は、しらすはもちろんのこと地元で水揚げされた新鮮な磯料理が自慢です。
「釜揚げしらす丼 かにの味噌汁付」(1600円)
小あがりやテーブル席のどこからでも海が見えるほか、青い海が眼下に広がるテラスも心地よく過ごせます。初詣の時期におすすめの釜揚げシラス丼は、ふっくらと仕上げた温かいしらすがごはんの上にたっぷり。カニのお味噌汁と一緒に召し上がれ。
湘南の海をひとり占めするテラス席
「江ノ島 魚見亭」の記事はこちら
江ノ島 魚見亭
エノシマ ウオミテイ
温かい甘味でひと休み「島の茶屋 あぶらや」
秋田杉をふんだんに使った老舗旅館のようなたたずまい
甘酒やあんみつなど、昔ながらの甘味でほっと一息つける和カフェ「島の茶屋 あぶらや」。龍恋の丘にも近く、願掛けの南京錠に名前を書くカップルの姿も見られる縁起のいいお茶屋さんです。

「抹茶しるこ」(900円)
食材は体に良い素材を厳選し、小豆のあんこも北海道産の品種を数種類、用途別に使います。福岡のお茶どころとして知られる八女の抹茶で点てた「抹茶しるこ」には小豆あんと手づくりの大きな白玉がゴロンと入って、心も体もホカホカと温まりますよ。
「白玉あんみつ」(900円)
「島の茶屋 あぶらや」の記事はこちら
島の茶屋 あぶらや
シマノチャヤ アブラヤ
一日かけてゆっくり楽しむ江の島のお正月
拝殿の屋根や釣り灯篭などでみられる江島神社の社紋「向かい波三つ鱗」
江の島は今回ご紹介したほかにも、龍神伝説の舞台となった岩屋や展望灯台の江の島シーキャンドルなど見どころいっぱいです。ぜひ新春の一日を穏やかに過ごしてくださいね。
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
高橋茉弓
Writer
高橋茉弓

おやつの時間を何よりも大切にするライター&カメラマン。波の音とカフェがあればそれで幸せ。
の人気記事















































