本格的なフレンチが味わえるお店

大きなワインセラーが印象的な店内

JR城崎温泉駅から歩いて5分ほど。柳並木にかかる石橋・辨天橋の近くに「非時香果」があります。 風情を感じる町並みにたたずむお店は、シックで落ち着きのある空間。半個室もあり、さまざまなシーンで利用できます。 シェフの高石達郎さんは、城崎温泉がある兵庫県豊岡市出身。神戸や銀座の名だたるレストランで修業した後、大阪でフレンチレストランを開業。コロナ禍を経て、2023年3月に故郷へ戻り「非時香果」をオープンしました。

こだわり抜かれた食材から生まれる料理

前菜の一例。写真は香住カニを使ったアンサンブル

ランチは全8品、ディナーは全10品で構成された季節ごとのコースを楽しめます。料理に取り入れられているのは、シェフが故郷でお店をオープンするきっかけのひとつにもなったという「但馬地方の食材」。城崎を含むこのエリアは山や海・川に囲まれており、但馬牛や松葉ガニをはじめ、広大な自然の中で育てられた農産物など多彩な食材がそろいます。

デザートの一例。写真は赤紫蘇風味の桃のコンポート、山桃と梅干のシャーベット

シェフの食材選びに対するこだわりも光ります。例えば、但馬牛は「上田畜産」のものを使用。特別なエサを与え健康に育てることで、脂が通常より低い温度で溶け出し、肉のうまみや甘みをしっかりと感じることができるのだそうです。ほかにも、香住漁港で水揚げされた新鮮なカニや魚など、生産者や場所も大切にしているのがわかります。 25年以上フレンチに携わってきたシェフの経験を活かし、厳選された食材から着想を得た料理の数々は、オリジナリティーあふれるものばかり。城崎ならではのエッセンスをふんだんに取り入れた本格的なフレンチを五感で味わうことができます。

城崎の新たな魅力に触れてみて

看板も洗練された雰囲気を醸し出す

店名にもなっている「非時香果」は、古くから日本に自生していた果物の橘を意味しているのだそう。日本神話では不老長寿の実として登場し、天皇の命を受け「非時香果」を探した人物・田道間守の故郷も兵庫県豊岡市だといわれています。 城崎の魅力をフレンチで味わえる「非時香果」。最近は、料理を用意しない宿も増えてきて、楽しみ方にも変化をみせる城崎温泉。温泉はもちろんですが、「非時香果」の料理を目当てに城崎に訪れてみるのもおすすめです。