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2025.05.05
ことりっぷ編集部おすすめ♪「大阪・関西万博」の注目パビリオンをレポート
2025年4月13日から10月13日の184日間開催される大阪・関西万博(2025年日本博覧会)が、いよいよ開幕となりました。大阪湾に浮かぶ“夢洲”を会場に、約155haもの広さで展開される大規模なイベントで、なんと万博史上最多となる160以上もの国や地域、国際機関が参加します。

前編では万博の概要についてご紹介したので、後編ではことりっぷ編集部がおすすめするパビリオンをじっくりご紹介します! 近未来の生活や自分の健康チェックまでできるパビリオンに、不思議な石ころに案内される屋外ミュージアム、海外のユニークで美しすぎるパビリオンまで、今までにない貴重な体験が目白押しです。
前編はこちらから

「シグネチャーパビリオン」のおすすめ

SANNAが設計したパビリオンは、空の存在を際立たせる建築になっている
まずは大屋根リング内のウォータープラザ前に集まる8つの「シグネチャーパビリオン」の中から、おすすめを2つご紹介します。 ひとつめは、万博会場の中心にある「静けさの森」と一体となって佇む、屋根も壁もないパビリオンが印象的な「Better Co-Being」。慶応技術大学医学部教授の宮田裕章さんによるプロデュースで、新感覚のアート体験が楽しめます。こちらは要予約です。

キャノピー下に人工の雨を降らせる「共鳴の空」。虹が現れることも
予約の時間に集まった15名ほどでグループとなり、「共鳴」をテーマにした3つのアート体験とエピローグをツアー形式で体験します。ツアー前に振動する石ころ「echorb(エコーブ)」とWEBアプリの説明もあり、それぞれを両手に持ったスタイルでめぐります。写真も撮りたいという人はスマホとカメラを首掛けにしておくのがおすすめです。 「echorb(エコーブ)」の振動する場所で立ち止まってみたり、アプリに表示される説明を読んだり、スタッフの解説を聞いたり、とアートの鑑賞ではなくまさに体験。グループの人々の動きや気になる作品、気象データまでを掛け合わせた唯一無二の映像がツアーのエピローグとなります。「いのちを響き合わせる」というこのパビリオンのテーマが、ふと腑に落ちる瞬間になるかもしれません。
ふしぎな石ころ「echorb(エコーブ)」を選ぶところからワクワク♪

12mの高さから流れる水がパビリオンを包み込む「いのちの未来」 © FUTURE OF LIFE / EXPO2025
続いてご紹介するのは、アンドロイド研究の第一人者として知られるロボット学者の石黒浩さんがプロデュースをした「いのちの未来」です。このパビリオンは3つのゾーンで構成され、約50体のアンドロイド・ロボット・CGキャラクターなどのアバターがいて、展示空間には約30体が出演しています。

話題のマツコロイドが実際に動き、話をしている様子も見られる
メイン展示となるのはZONE2の「50年後の未来」。人間がアンドロイドと共存し、高度なテクノロジーを用いた様々なプロダクトを活用しながら暮らす日々をストーリー仕立てて紹介しています。アンドロイドのまるで人間のような仕草などが見られることも魅力ですが、ここで描かれる物語がとても印象深いので、ぜひじっくり追体験してください。
ZONE3の「1000年後のいのち“まほろば”」は幻想的な雰囲気

「国内・民間パビリオン」のおすすめ

建物は鳥などの巣がモチーフ。ステージではさまざまなイベントも開催
4つある国内パビリオンのなかでおすすめなのが、体験型の展示がおもしろいと編集部でも話題になった「大阪ヘルスケアパビリオン」です。 「大阪ヘルスケアパビリオン」は大阪府・市や大学・企業などが連携して出展していて、る。「REBORN」をテーマに「いのち」や「健康」の観点から、ヘルスケア、エンターテインメント、食文化まで、ミライの可能性を感じることができる展示体験を提供しています。

心血管、筋骨格、髪、肌、歯、目、脳の健康データが測定できるカラダ測定ポッド
健康データをもとに生成した25年後の自分(アバター)とミライを体験する「リボーン体験ルート」。まずはカラダ測定ポッドで、7項目の健康データを測定。結果からカラダ測定年齢の算出や25年後の自分(アバター)が生成されます。「リボーン体験ルート」には事前予約のほか、公式アプリもしくはWebでの事前登録が必要となりますので、忘れないようにしてくださいね。

様々な企業のブースがあり、最新技術をゲームや映像などで体感できる

記念撮影をする人が後を絶たない「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」 ©創通・サンライズ
企業や大学などが中心に展開する民間パビリオンからも2つおすすめします。まずは、海外の人からも絶大な人気を誇るガンダムを通して、未来の可能性を描く「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」。臨場感たっぷりの完全新規映像と、フェーズ0から7までのパビリオン空間を通して、ガンダムシリーズが描いてきた世界を体験できます。

ウォークスルー型の展示になっているので、より臨場感ある体験が楽しめる ©創通・サンライズ
「夢洲ターミナル」から軌道エレベーターで宇宙ステーション「スタージャブロー」へ。モビルスーツたちが宇宙で働く様子を見学していると、スペースデブリが暴走し、緊急避難ポッドへ移動することに…。ここから先の緊迫したシーンはぜひ現地で体験してください。 宇宙体験後に、再び向き合う実物大ガンダム像に感慨もひとしおです。

グラスフェザーを装着したガンダムが助けに来てくれる ©創通・サンライズ

“いのちの象徴”としてアンモナイトの螺旋形状を採用した「PASONA NATUREVERSE」
もう一つは、iPS 心臓や生命進化の樹を展示する「PASONA NATUREVERSE」。ブラック・ジャックの手によって生まれ変わった新キャラクター、ネオアトムがパビリオン全体を、ブラック・ジャックが“からだ(未来の医療)”の展示エリアをナビゲートしてくれます。iPS細胞によって作り出した心臓モデル『iPS心臓』など、展示される最新テクノロジーは驚きの連続です。

1970年大阪万博の太陽の塔を連想させる「生命進化の樹」
生命進化の樹とネオアトムの誕生の映像が見られる「いのちの歴史ゾーン」、拍動するiPS心臓や未来の医療などを見学、体験できる「からだゾーン」、LEDキューブを駆使したNATUREVERSEショーが見られる「こころ・きずなゾーン」の3つエリアをめぐります。映像の美しさやネオアトムの愛らしさにもぜひ注目してください。

iPSメモリアルミュージアムにはネオアトムとブラック・ジャックが登場 ©︎TEZUKA PRODUCTIONS

「海外パビリオン」のおすすめ
洗練された美しさが目を引く、劇場をイメージした「フランスパビリオン」
海外パビリオンの注目は、まるで美術館のような美しい展示が目白押しの「フランスパビリオン」。ルイ・ヴィトンとディオールが常設展を、セリーヌとショーメが特別展を展開し、フランスを象徴するファッションブランドによる展示が話題です。こちらは予約なしで見学可能です。

約400点の真っ白なトワルが、壁一面にずらりと並ぶディオールの展示エリア
フランスの伝統的な織物技術で表現した『もののけ姫』のタペストリーに、オーギュスト・ロダンの彫刻、南フランスから持ってきた樹齢1000年のオリーブの木が堂々とそびえる中庭など、かなり見ごたえのある展示内容です。パビリオンを出るころには、フランスの幅広い魅力にすっかり夢中になってしまうこと間違いなしです。
ブーランジェリーはパビリオンの一番右側に専用の並び列がある
ユーカリの森の木々には伝統的な木の彫刻方法「スカー・ツリー」が施されている
次のおすすめは、楽しいがいっぱい詰まった「オーストラリアパビリオン」です。森の中や美しい星空、そして海の中まで、まるで現地を旅するようなリアルな没入型の体験展示が楽しめます。こちらは要予約パビリオンですが、一部予約なしでも入館可能です。

頭上までスクリーンが広がりまるで現地にいるみたい
パビリオンは、ユーカリが香る静かで美しい森からスタート。オーストラリアを代表する動物たちがひそんでいるのでぜひ探してみてください。続いて、オーストラリアの美しい夜空見ながら先住民の人々の星の物語を聞いて、もうすっかり現地気分です。最後は、多様な生き物と美しいサンゴ礁が広がるオーストラリアの海へ。包み込まれるように配置されたスクリーンの映像が臨場感たっぷりで美しく、目が離せません。

充実したパビリオンをめぐるためのお得なチケットは?

万博は22時まで開いているので、夜間券でも5時間滞在できる
今回ご紹介できたのは、ほんのほんの一握りのパビリオンになります。すいている平日に大急ぎで見て回れば10館ほどめぐれたりもしますが、会場を歩いていればどこからともなくおいしそうな匂いがただよい、楽しそうな音楽が聞こえてきて、夕日は目が離せなくなるほどきれいで…と本当に誘惑たっぷりなのです。 できれば1日といわず、数日かけて満喫するのがおすすめですが、遠方から難しいこともありますよね。そんな人におすすめしたいのが、夜間券3700円と1日券7500円(平日券6000円)を組み合わせた、1.5日スタイルです。夜間券は17時以降から入場可能なチケットなので、大阪への移動日からお得に万博へ。翌日も、前日に距離感などがつかめているので、よりスムーズにめぐれそうですよね。7/19~8/31に行く予定の人は、期間中毎日入場可能な夏パス1万2000円(平日券2日分と同料金)もぜひ覚えておいてください。
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大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)
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文:角 佳苗、撮影:保志 俊平
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