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2025.11.05
イチョウ並木の横浜さんぽ♪ノスタルジックな建物と黄金色に染まった葉っぱが織りなす異国の情緒ただよう街角
街路樹の葉が色づき始める季節は、横浜ベイエリアのおさんぽもますます楽しくなります。なかでも、日本大通りから山下公園の周辺にかけては、イチョウ並木が黄金色に染まり格別の美しさ。今回はこの美しいイチョウ並木をたどりながら、重厚な歴史的建造物が点在するエリアをめぐる、おさんぽコースをご紹介します。
レトロ建築に紅葉が映える秋の横浜ベイエリア
古き良き街並みでほっとひと息 「UNI COFFEE ROASTERY横浜日本大通り」
ハイカラな景色を楽しみながら山下公園へ
歴史と美食が薫る「ホテルニューグランド」で優雅なひととき
キング・クイーン・ジャックの横浜三塔物語に想いを馳せて
レトロ建築に紅葉が映える秋の横浜ベイエリア

ノスタルジックな建物が多い日本大通り (C) 横浜市観光協会
秋の横浜さんぽのはじまりは、日本大通りから。この通りは、明治初期に完成した日本初の西洋式街路で、その道幅はなんと約36m。文明開化を迎えたばかりの当時の日本ではかなり広く、砕石舗装をほどこし下水道まで整備されていたという画期的な通りです。港から横浜の中心部へと向い、日本を訪れる人々を招く象徴的な存在でもありました。

突き当りに見えてくるのは横浜スタジアム (C) 横浜市観光協会
日本大通り沿いには、「キング」の愛称で知られる神奈川県庁をはじめ、イギリス式建築様式の横浜開港資料館、風格ある横浜地方裁判所、そして三井物産横浜ビルや旧関東財務局など、歴史を静かに語りかける建物が軒を連ねています。突き当りには市民の憩いの場である横浜公園があり、その向こうには横浜スタジアム。過去から現代へと、多くの人の往来を見つめ続けています。
そんな歴史的な道路を彩るのが、街路樹のイチョウ並木です。春には一斉に芽吹き、大きく枝葉を広げて空を覆い尽くす大木は、秋風を感じる季節になると、その色を緑から黄金色へと変えていきます。ノスタルジックな建物を背景に秋の柔らかな日差しを浴びてキラキラと輝くイチョウ並木は、まさに絶好の散歩道。落ち葉を踏みしめながら、ゆったりと歩を進めてみましょう。一歩進むごとに歴史の重みと季節の美しさを同時に感じる、横浜ならではの贅沢な時間です。
古き良き街並みでほっとひと息 「UNI COFFEE ROASTERY横浜日本大通り」
街角に佇むカフェ
日本大通の美しい銀杏を堪能した後は、横浜地方裁判所横の細い小径を抜けて、「UNI COFFEE ROASTERY (ユニコーヒーロースタリー)横浜日本大通り」へ。散策で少し疲れた身体を癒す、素敵なカフェです。

「かためのプリン」(650円)
お店の前には開放的なテラス席があり、港町の爽やかな空気を感じながらバリスタが淹れるコーヒーを楽しめるのが魅力です。固めのプリンやチーズケーキの「なめらかバスチー」、バニラとラム酒の風味が香る「元町カヌレ」などと一緒にのんびり過ごして。

「ファーストブリュー」(450円)「なめらかバスチー」(700円)
https://co-trip.jp/article/560129
UNI COFFEE ROASTERY横浜日本大通り
ユニコーヒーロースタリー ヨコハマニホンオオドオリ
ハイカラな景色を楽しみながら山下公園へ

山下公園沿いの幹線道路 (C) 横浜市観光協会
カフェで心と体をリフレッシュしたら、再びおさんぽへ。レンガ造りの横浜市開港記念会館を左手に見ながら海岸通りへと進みます。この一帯も、優美なドームが印象的な横浜税関など、開港当時のハイカラな街並みが色濃く残るエリアです。

ゆったりとした歩道の所々にはガス灯も (C) 横浜市観光協会
目的地の山下公園方面へと足を運ぶ道すがら、公園沿いの幹線道路にも見事なイチョウ並木が続いています。山下公園はバラなどを中心とした整備された庭園が美しい場所ですが、この時期だけは、周囲のイチョウが主役。カサカサと音を立てるイチョウの落ち葉を踏みしめながら公園へとたどり着くと、横浜のシンボル的な存在である「氷川丸」が静かに停泊しています。

停泊する氷川丸(C) 横浜市観光協会
時間があれば、ぜひ船内の見学をおすすめします。かつて「太平洋の女王」と呼ばれ、北米航路で活躍した氷川丸は、華やかなアール・デコ調の豪華な内装が当時の船旅の優雅さを今に伝えています。
歴史と美食が薫る「ホテルニューグランド」で優雅なひととき

クラシカルな「ホテルニューグランド」
山下公園に面した「ホテルニューグランド」は、昭和2年に開業した横浜のなかでも歴史のあるホテルです。喜劇王チャールズ・チャップリンをはじめ、多くの著名人が宿泊したホテルとしても知られ、本館は今も開業時の姿のまま大切に残されています。
本館2階ザ・ロビーからの眺め
銀座の和光ビルや上野の東京国立博物館などを設計した渡辺仁氏による設計で、正面の重厚な大階段、高い天井を持つ本館2階ザ・ロビーなど、建物自体が静かに歴史を語りかけてきます。本館2階ザ・ロビーからアーチ型の大きな窓越しに眺める銀杏並木は、絵画のような美しさ。クラシカルな空間から黄金色の景色が浮き出てくるようです。

「スパゲッティ ナポリタン」(2178円)
今では誰もが知るシーフードドリア、スパゲッティ ナポリタン、プリン・ア・ラ・モード、といった料理は、このホテルが発祥となって全国に広まった料理です。本館1階「コーヒーハウス ザ・カフェ」では、当時のレシピを受け継いで提供されています。ぜひ味わってくださいね。
「ホテルニューグランド」の記事はこちら
キング・クイーン・ジャックの横浜三塔物語に想いを馳せて

神奈川県庁(C) 横浜市観光協会
ホテルニューグランドでクラシカルな雰囲気に包まれたあとは、神奈川県庁までのさんぽを楽しみましょう。レンガ色の外壁が印象的なこの建物は、昭和初期に建てられ、その風格あるスタイルから横浜三塔のなかで「キング」と呼ばれています。横浜には港町の歴史を見守るように建つ三つの塔があり、キングの神奈川県庁に加えて、優美なドームを持つ横浜税関は「クイーン」、レトロな横浜開港記念館は「ジャック」と呼ばれています。歴史と文化が凝縮されたこのエリアは、まるで古い映画のセットを歩いているようです。
開港の歴史を感じながらお土産探し「PORTER’S LODGE」

おさんぽの締めくくりに向かうのは、横浜開港資料館の敷地の中にあるショップ「PORTER’S LODGE(ポーターズ ロッジ)」です。このショップは、江戸時代にペリーが来航し、それまで鎖国していた日本が開国するきっかけとなった「日米和親条約」が結ばれた開港広場のすぐ横にあります。

複製画「ペリー上陸図」(1100円)
歴史の教科書で見たことのある「日米和親条約」が結ばれた様子を描いた版画の複製画など、開港にまつわる品々が飾られ、まるで小さなミュージアムのよう。日本の歴史が大きく動いた当時の空気を肌で感じられるような、貴重な場所です。

左から「横浜赤レンガ倉庫デザイン紅茶」(648円/12種類)「MOTOMACHI TEA BAG」(540円/10種類)
店内には横浜の老舗店が手がけるマグカップやレースをあしらったハンカチに加えて、レトロなパッケージのお菓子や、雑貨など、センスの良い品々が揃っています。お土産にもおすすめです。

繊細ながらも丈夫で使い勝手のいいレースのハンカチ 左:赤い靴(1430円)中・右:ガス灯(各1650円)
「PORTER’S LODGE」の記事はこちら
PORTER’S LODGE
ポーターズ ロッジ
歴史と黄金の光が織りなす秋の横浜さんぽ

ライトアップされる日本大通り (C) 横浜市観光協会
ご紹介した日本大通りから山下公園周辺は、歴史的な重厚さと、港町の開放感が心地よく調和した、秋におすすめの散歩道です。イチョウの色づきがさらに深まってくると、夜にはライトアップも始まり、昼間とはまた違った幻想的な表情を見せてくれます。横浜の歴史と文化を感じる素敵なおさんぽに出かけてみてはいかがでしょうか。
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高橋茉弓
Writer
高橋茉弓

おやつの時間を何よりも大切にするライター&カメラマン。波の音とカフェがあればそれで幸せ。
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