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2013.10.28
花の色がほのかに赤く酔う酔芙蓉が咲き誇る京都「妙蓮寺」へ
京都・妙蓮寺は広大な境内に四季折々の花が咲く“花の寺”。色が刻々と変化する酔芙蓉や、秋に咲き始めて冬を越えて春まで咲く御会式桜など、美しい花が境内を彩ります。
美しい芙蓉の花が咲き誇る西陣・妙蓮寺へ

京都・西陣は伝統工芸“西陣織”の町として古くから商工業が盛んで、西陣の街中には財を得た町衆が信仰を深めた日蓮宗の巨大な大本山がいくつも建ち並んでいます。 市バス・堀川寺之内のバス停から西へ2分ほど歩くと、江戸末期に御所から拝領した格式ある山門を構える本門法華宗大本山の妙蓮寺が建ち、参道は夏から秋にかけて色鮮やかな芙蓉の花が咲き誇っています。 境内は自由(枯山水の庭園見学は拝観料が必要)に散策ができますので、美しい花に誘われるように山門をくぐって境内へ。
花の色は白から赤へ移ろう、酔う芙蓉

四季折々の美しい花が咲く妙蓮寺では、晩夏から初秋にかけて酔芙蓉(すいふよう)の花が境内一円で咲いています。酔芙蓉の名の由来は、朝に白い花を咲かせ、時間とともに赤色を帯び始めて、夕方から夜になると紅色に染まることから、酒飲みが酔って顔を赤く染める様子を重ね合わせて“酔う芙蓉”から名付けられたとも。翌日になると花はしぼんで地に落ちる儚い花であることから、仏教では諸行無常の教えを説く花としても大切にされています。妙蓮寺の境内には一重や八重の酔芙蓉が美しい花を咲かせます。
秋に咲き始める珍しい「御会式桜」

四季折々の花が咲く妙蓮寺には、芙蓉の他にも初秋から咲き始める珍しい桜の一種「御会式桜(おえしきざくら)」が咲き、今年もすでにちらほらと花を咲かせています。 日蓮宗を開いた日蓮聖人は、弘安5(1282)年10月13日にその生涯を閉じましたが、死去の際に季節外れにも関わらず桜の花が咲き誇ったと伝えられています。 日蓮宗の寺院では毎年10月13日を中心に日蓮聖人の忌日法要「御会式(おえしき)」が執り行われますが、その頃から咲き始める珍しい桜を「御会式桜」と呼んで大切にしています。御会式桜は秋から冬にかけてちらほらと咲き続けて、春になると満開の花を咲かせますので、日蓮聖人を偲びながら来春まで見守り続けてみてください。

妙蓮寺
みょうれんじ
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若村亮
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