3種類のチョコレートが奏でる繊細なハーモニーにうっとり

ワールド・ショコラティエ・マスターズの優勝作品「モード」

｢今、いちばん食べたいスイーツは？｣と、神戸の女性たちに聞いてみました。そうしたら、ダントツの一番人気はこれです。異人館街がある北野に近い、「ラヴニュー」の「モード」（630円）。早いときは朝10時の開店から2～3時間で売り切れてしまうこともあるというのだから、人気のほどがうかがえます。 ミルク、ホワイト、ジャンドゥーヤの3種類のチョコレートと、さらに甘酸っぱいアプリコット、ヘーゼルナッツ、生キャラメルが生み出す複雑で繊細なハーモニーが口いっぱいに広がると、思わずため息が。

チョコレートの世界選手権で優勝経験を持つシェフのスペシャリテ

東京の名門ホテルとフランスで修業を重ねたシェフの平井茂雄さん

シェフの平井茂雄さんはチョコレートの世界選手権、「ワールド・ショコラティエ・マスターズ」で優勝トロフィー獲得の実績を持ち、その受賞作品がこのケーキ。つまり、世界をも魅了した味というわけなのです。

人気のケーキを確実にGETするには、お昼過ぎまでが勝負です

フランス・ブルターニュ産ソルトを使った塩キャラメルとミルクチョコレートのタルトレット「セギュール」（504円）、イチゴとマスカルポーのネィラミス｢レディ｣（462円）も売り切れ必至。旬のフルーツを使った季節限定のスイーツも楽しみです。人気のケーキは午後になると売り切れ続出なので、早めの時間に訪れるのがおすすめです。 店内にイートインのスペースはないのですが、近くにシェフのお姉さんが経営するカフェがあり、ケーキを持ち込んで飲み物と一緒に楽しむこともできます。お店の人が空席状況を確認してくれるので、相談してみてください。 ○L'AVENUE（ラヴニュー） [所]神戸市中央区山本通3-7-3　ユートピア・トーア1階 [TEL]078-252-0766 [営]10：00～19:00 [休]水曜日、火曜日不定休 [HP]http://www.lavenue-hirai.com

気難し屋のメレンゲを自在に操る、“メレンゲの魔術師”

そしてもう一店。 老舗洋菓子店が多い神戸で、2005年の開店からわずか10年足らずで確固たる地位を築いたのが、「パティスリー モン・プリュ」のオーナーパティシエ、林周平さん。 そんな林さんについたニックネームが、“メレンゲの魔術師”。ちょっとした温度や製法の違いで味と食感に大きな差が出るメレンゲを使ったケーキが得意なことから、こう呼ばれるようになったのだとか。 「ヴァランシア」（480円）は、まっ白な雪玉のようなシンプルなルックスですが、サクッとしたメレンゲの中に、ふわふわのムースが包まれ、口に入れるとオレンジの鮮烈な味と香りが弾けます。

パリ修業時代の思い入れがつまった「ヴァランシア」（480円）

食感と味のバリエーションが広がる、技ありのケーキ

外側はパリッと香ばしく、中はクリーミーな「ピュイ・ダムール」（450円）

一方、シュー皮の生地にクリーミーなシブーストと、パリッパリのカラメルをのせた「ピュイダムール」（450円）も、人気の1品。 最近では、本国のフランスでも作る人が少なくなった伝統的なフランス菓子の製法を伝えるべく、菓子職人の指導にもあたる林さん。お店でも定期的にお菓子作り教室を開催し、遠くは九州や関東方面から通ってくる生徒さんもいるそうです。 ○パティスリー モン・プリュ [所]神戸市中央区海岸通3-1-17 [TEL]078-321-1048 [営]10:00～19:00（イートインは18:30LO） [休]火曜日 [HP]http://www.montplus.com 老舗から気鋭の新店舗まで、知れば知るほど奥深い神戸のスイーツ。お気に入りの味を探して食べ歩いてみてはいかがでしょう。