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2014.04.29
真紅の躑躅と華麗な牡丹に心華やぐ、京都・長岡京市の花名所へ
京都市の南西に位置する長岡京市は、春の花が美しいエリア。真っ赤に色づく霧島躑躅(きりしまつつじ)が華やかな長岡天満宮と、“花の王”とも称される牡丹(ぼたん)が艶やかに咲き誇る乙訓寺(おとくにでら)をご紹介します。(メイン写真:長岡天満宮の霧島躑躅)
真紅の回廊が連なる「長岡天満宮」の霧島躑躅

長岡天満宮のキリシマツツジ
現在の長岡京市は、「平安京」遷都の直前、10年ほど「長岡京」と呼ばれる都が造営された歴史を持ち、現在は四季折々の花や紅葉が美しい地域として、観光客の人気を集めています。 阪急・長岡天神駅から西へ10分ほど歩くと、祭神として菅原道真公を祀る長岡天満宮があります。901(延喜元)年、菅原道真公が大宰府へと左遷される際にこの地に立ち寄り、都を振り返って名残を惜しんだ道真公ゆかりの地であり、のちに道真公自作の木像を祀って天満宮が創建されました。 4月下旬から5月上旬にかけて、境内東側の八条ヶ池に面した参道には、真っ赤に燃えるような霧島躑躅の花が咲きます。その数は約100株、背丈は約2.5mもあり、参道の両側を壁のように包み込んで真紅の花回廊を作り出して参拝者を迎えてくれます。鮮やかな色彩の霧島躑躅の眺めは、春の長岡京市を代表する風景が広がります。 ○長岡天満宮(ながおかてんまんぐう) [所]長岡京市天神2-15-13 [TEL]075-951-1025 [時間]境内自由、社務所受付:9:00~18:00(4月~9月) [休]なし
境内いっぱいに咲き誇る「乙訓寺」の牡丹

乙訓寺の牡丹
長岡天満宮から北へ約15分ほど歩くと「乙訓寺」があり、飛鳥時代、聖徳太子によって創建された古い歴史を受け継いでいます。長岡京に遷都された時代は大いに繁栄し、その後の平安時代には弘法大師・空海が別当(寺を統括管理する僧)に任じられ、現在も大師ゆかりの寺として地域の人びとから厚い信仰を集めています。 4月下旬から5月上旬にかけて、約2000株もの牡丹の花が優しい色合いで境内に咲き誇ります。かつては松並木の美しい境内で知られていましたが、1934(昭和9)年の室戸台風によって松はことごとく倒れ、その無残な光景に心を痛めた長谷寺の住職より2株の牡丹が乙訓寺に贈られました。花は年々数を増やし、今では京都でも屈指の牡丹の名所へと生まれ変わりました。 牡丹はその華やかさから唐の時代に“花の王”とも称され、“立てば芍薬(しゃくやく) 座れば牡丹 歩く姿は百合(ゆり)の花”の言葉もあるように、美人の代名詞として愛される花です。乙訓寺の牡丹には、日除けと雨除けのために白い番傘が差され、境内いっぱいに咲いた気品あふれる艶やかな花に趣を添えています。過ごしやすい春の季節に、少し遠出をして長岡京市の美しい花々をたっぷりとご覧ください。 ○乙訓寺(おとくにでら) [所]長岡京市今里三丁目14-7 [TEL]075-951-5759 [時間]8:00~17:00 [休]なし [拝観料]500円
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若村亮 / 写真:吉村晋弥
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