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2014.07.01
京都の夏を彩る壮大な祭り「祇園祭」がいよいよ始まります
1カ月間に渡って京の町を熱気で包む「祇園祭」が本日(7/1)からスタート。まばゆい夏の太陽の下、執り行われる神事の数々には「曳初め」や「宵山」「山鉾巡行」など見どころたくさん。今回は祭りの歴史と、見物におすすめの行事をご紹介します。(メイン写真:祇園祭・長刀鉾の稚児舞)
疫病退散を願って始まった「祇園祭」

船鉾の巡行
祇園祭は八坂神社の祭礼で、平安時代の貞観11(869)年に都をはじめ全国に疫病が流行したとき、神泉苑に当時の国の数と同じ66本の鉾を立て、神輿を送って悪疫退散を願ったことに始まります。 室町時代になると、町衆の手によって絢爛豪華な山鉾が巡行し、さらに盛大な祭りへと発展しました。応仁の乱で祭りは一時途絶えますが、明応9(1500)年に復興して以降、町衆の財力で得た外国産のタペストリーなどで山鉾を華美に飾って人びとの目を楽しませるようになり、山鉾も大型化して現在とほぼ同様の形態となりました。 現在の祇園祭は「山鉾巡行」とその前夜祭である「宵山」を中心にさまざま行事が続きます。山鉾巡行は本来、神輿が街中に出る(神幸祭・還幸祭)前に街中を清める神事で、17日の神幸祭に先立つ「前祭(さきのまつり)」と、24日の還幸祭に先立つ「後祭(あとのまつり)」があり、今年(2014年)は49年ぶりに24日の後祭の山鉾巡行が復活することで話題を集めています。 ○八坂神社(やさかじんじゃ) [所]京都市東山区祇園町北側625 [TEL]075-561-6155 [時間]境内自由 ◆山鉾巡行 7月17日・24日、見学自由(有料観覧席あり)、雨天決行 7月17日(前祭)09:00~ 四条烏丸→四条河原町→河原町御池→御池新町 7月24日(後祭)09:30~ 烏丸御池→河原町御池→四条河原町→四条烏丸
老若男女を問わず山鉾を試しに曳く「曳初め」

菊水鉾の曳初め
山鉾巡行を前に、組み立てられた山鉾を試しに動かす「曳初(ひきぞ)め」が、12日・13日(前祭)と20日・21日(後祭)に行われます。本番の山鉾巡行では、関係者とボランティアの男性のみが山鉾を曳きますが、曳初めでは老若男女を問わず、誰でも綱を握って山鉾を動かすことができます。 山鉾の上からは本番さながらにコンチキチンの祇園囃子が奏でられ、豪華絢爛に飾られた山鉾が動く貴重な機会。綱を引くと1年の厄除けになるといわれ、多くの参加者で賑わいます。 ◆山鉾曳初め 7月12日・13日・20日・21日、参加自由、雨天決行 12日:函谷鉾14:00~、月鉾・菊水鉾・鶏鉾15:00~、長刀鉾15:30~ 13日:放下鉾・船鉾・岩戸山15:00~ 20日:大船鉾14:00~、北観音山・南観音山15:00~ 21日:橋弁慶山11:00~
大役を果たす長刀鉾の「お稚児さん」

長刀鉾稚児社参
山鉾巡行の先頭を行く長刀鉾には、「お稚児さん」と呼ばれる男の子が乗ります。お稚児さんは神の使いとして、山鉾巡行において神域への結界である注連縄を切り、鉾の上からは街々を清めるため「稚児舞」を舞うなどの大役を担います。 7月13日には「長刀鉾稚児社参」があり、四条烏丸の長刀鉾町から八坂神社に社参をするため、白馬にまたがったお稚児さんがゆっくりと進んで行きます。この行事は「お位(くらい)もらいの儀」とも呼ばれ、お稚児さんは小五位少将、10万石の大名と同格の高い位を得るための参詣です。以後、17日の巡行が終わるまで、お稚児さんは神の使いとして邪気が満ちる地面に足を付けることは許されず、食事や着替えなどの世話は父親が行う習わしです。 ◆長刀鉾稚児社参 7月13日 町内出発10:00頃、八坂神社での神事11:00~ 見学自由、雨天時は白馬での社参が中止の場合あり

長刀鉾稚児社参
ホイットホイットの掛け声勇ましい「神輿」にも注目

神幸祭の神輿渡御
祇園祭は華やかな山鉾巡行が話題となりますが、巡行後の夕刻には山鉾が清めた街中をゆく「神輿渡御(みこしとぎょ)」が行われます。17日の神幸祭では、八坂神社から3基の神輿が出て四条寺町にある御旅所へと向かい、7日間に渡って鎮座した後、24日の還幸祭で再び八坂神社へと戻ります。雅な雰囲気のある山鉾巡行や宵山とは異なって、威勢のよい担ぎ手たちの掛け声が響き、勇壮な神輿の差し上げにも注目をしてみてください。 7月の京都は祇園祭一色となり、様々な行事が行われていきます。歴史と伝統を今に伝える祇園祭を眺めに京都の街を訪れてみませんか。 ◆神幸祭 7月17日 神輿出発18:00~、八坂神社~御旅所(四条寺町) 見学自由、雨天決行 ◆還幸祭 7月24日 神輿出発17:00~、御旅所(四条寺町)~八坂神社 見学自由、雨天決行
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写真 / 吉村晋弥
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