
13
2014.12.18
京都の冬の風物詩、かぼちゃを食べて「冬至」に無病息災を願いましょう
お正月の準備を始める12月13日の“事始め”が過ぎて、いよいよ暮れも押し迫ってきた京都。2014年12月22日(月)は、太陽が出ている昼の時間が1年で最も短くなる「冬至」です。京都では古くから、冬至の日にかぼちゃを食べて無病息災を願う習わしが伝わっています。
太陽の力が弱まる「冬至」に、黄色い「かぼちゃ」を食べる

渡月橋のかなたに昇る冬の朝日。冷たい空気を照らす柔らかい日差しに、一陽来復を感じます
毎年12月22日頃に訪れる「冬至」は、1年で最も太陽が出ている昼の時間が短くなる日です。太陽の力が一年で最も弱まる日である一方、冬至の日を境として1日ごとに陽が長くなり、太陽は力強さを取り戻して行きます。 そのため、冬至は幸運をもたらす“陽“の気が復活していくという意味の「一陽来復(いちようらいふく)」と呼ばれ、前向きに新しいことを始めるのにふさわしい、おめでたい日とも考えられてきました。 京都では、冬至の日に諸病除けや厄除けを願って「おかぼのたいたん」と呼ばれる黄色いかぼちゃの煮物を食べる習わしがあります。中国では黄色は魔除けの色とされ、さらに太陽と同じ黄色の食べ物を食べることで、弱まった“陽”の気を補うという意味が込められています。 ○冬至(とうじ) 2014年は12月22日
諸病退散を願い、かぼちゃ供養が行われる「矢田寺」

甘くて柔らかく煮炊きしたかぼちゃが振る舞われます
地下鉄東西線・京都市役所前駅から、寺町通の商店街を南へ徒歩3分ほど歩くと、「矢田寺(やたじ)」があります。奈良にある矢田山金剛寺の別院として承和12(845)年に創建され、戦国時代に現在地へ移転しました。本尊の地蔵菩薩像は、地獄で苦しむ罪ある人びとでさえも救うとされる地蔵菩薩の姿を写したものと伝わり、代わりに苦しみを受けてくださる「代受苦(だいじゅく)地蔵」の名で信仰されています。 冬至に近い毎年12月23日、矢田寺の境内では「かぼちゃ供養」が行われ、本堂前に大きな「なでかぼちゃ」が供えられます。お参りの人びとはこのかぼちゃを優しくさすりながら、中風除けや諸病退散を祈願します。 また、かぼちゃ供養では、先着1000名に煮炊きしたかぼちゃの無料接待があります。無病息災を願うだけでなく、師走の忙しい時期にかぼちゃを食べて一息ついてもらえたらというお寺の心配りもあるのだとか。京都伝統の「おかぼのたいたん」をいただこうとお寺の前には多くの参拝者が列をつくり、健康を願いながら甘くて柔らかいかぼちゃをいただいて、顔をほころばせています。 真冬の寒い時期にホッと心が温まるかぼちゃ供養。無病息災を願う人びとの信仰を伝える行事を訪ねてみてください。 ○矢田寺(やたじ) [所]京都市中京区寺町三条上る天性寺前町 [TEL]075-241-3608 [時間]8:00~19:30 ○かぼちゃ供養 12月23日 10時~、かぼちゃの接待は先着1000名。

丸々と大きな「なでかぼちゃ」。諸病退散を願ってさすります

かぼちゃ供養の日は参拝者が列を作るほど賑わいます
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
吉村 晋弥
の人気記事














































