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2014.12.25
大晦日の京都に迫力ある音色を響かせる「知恩院・除夜の鐘」
お正月の準備が進み、いよいよ京都にも年の瀬が押し迫ってきました。お寺の多い京都では、除夜の鐘が撞かれる寺院がたくさんあり、中でも「知恩院」の大梵鐘は、大晦日の古都にひと際大きな音を響かせます。(メイン写真:知恩院・除夜の鐘)
重さ約70トンを誇る巨大な「知恩院の鐘」

大正時代、物理学者のアインシュタイン博士が訪れて、鐘の真下では音の波が干渉して無音になる場所があることを実験をした、というエピソードが伝えられています
市バス・知恩院前バス停から東へ徒歩約5分、浄土宗の総本山「知恩院」の境内は、三門や御影堂をはじめ、徳川将軍家の寄進によって建立された巨大な建物が建ち並んでいます。 広大な境内、南東の階段を上った高台には「大鐘楼(だいしょうろう)」があり、1636(寛永13)年に鋳造された、高さ約3.3m、重さ約70トンにも及ぶ「大梵鐘(だいぼんしょう)」が吊り下がっています。知恩院の鐘は、最も古い奈良・東大寺の鐘、最も重い京都・方広寺の鐘と並ぶ”日本三大梵鐘”のひとつとして名高く、重厚感のある大きな鐘の姿に参拝者は驚きの声を上げるほどです。 知恩院(ちおんいん) [所]京都市東山区林下町400 [TEL]075-531-2111 [時間]9:00~16:30(庭園受付は~16:00) [拝観料]境内無料(庭園300円)
特徴的な撞き方で迫力ある音を響かせる知恩院の「除夜の鐘」

親綱を持つ僧侶は逆さまになり、勢いよく体重をかけて鐘を撞きます
大晦日の夜から元旦にかけて各地の寺院で撞かれる鐘が「除夜の鐘」です。除夜とは1年最後の夜のことで、人間が持つ108の煩悩(ぼんのう)を取り除くという意味を込めて除夜の鐘が撞かれています。 知恩院の除夜の鐘では、最も太い親綱を握る僧侶1人に加え、16人の僧侶が子綱を引いて、なんと総勢17名で鐘を撞きます。中でも親綱を握る僧侶は、「えーい、ひとつ、そーれ」の掛け声でタイミングを合わせると、綱に一気に体重をかけて、体全体を使ってダイナミックに鐘を打ち鳴らします。その音の大きさは、間近で見守る人びとの体に振動が伝わるほど。こうして鐘は約1分おきに108回、年をまたいで撞かれます。 知恩院の除夜の鐘は、一晩で約3万人が訪れるほどの賑わいとなる京都の年越しの風物詩。多くの人びとがその音色を耳にしながら年を越します。なお、12月27日(土)には「試し撞き」があり、本番さながらに鐘が撞かれるため、大晦日にお出掛けが難しい方におすすめです。 大晦日の夜に音を響かせ、煩悩を打ち払う除夜の鐘。京都では、一般の人びとが鐘を撞くことができる寺院も多くあります。いにしえの都に響く除夜の鐘とともに、年を越してみてはいかがでしょうか。 ○知恩院 除夜の鐘 12月31日(水) 22:40頃~翌00:20頃、見学のみ 参詣入口閉門:23:00(収容可能人数を上回る場合は繰り上げ) ○除夜の鐘 試し撞き 12月27日(土) 14:00~、見学のみ

子綱を持つ僧侶がずらりと並ぶ様子も見応えがあります
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吉村 晋弥
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