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2015.01.14
自家製粉にこだわった、京都で評判の小麦のおいしさを味わうパン屋さん
世界遺産の下鴨神社からすぐの下鴨本通り沿いに、京都のパン好きの間でも話題の「ナカガワ小麦店」があります。風味豊かな小麦のうま味がギュッとつまった味わいと店主の誠実さから、多くの人に愛されているパン屋さんです。
小麦の香りがする木の温もりを感じるお店
京都駅前から市バス4系統または205系統で約30分、下鴨神社前で下車して北へ少し歩くと、右手に木とガラス張りのシンプルで開放的な店構えの「ナカガワ小麦店」が見えてきます。その扉を開けると、パンのいい香りに包まれます。 店主の中川さんは、芦屋にある名店の全粒粉パンに惚れ込み、飽きずに安心して食べられるパン作りを目指してパン職人になりました。雑貨アーティストとのコラボレーションや、今はなき西陣の「スガマチ食堂」で開催されるイベントなどに出店しながら、独学で試行錯誤を重ねます。店を構えて4年目の現在、店頭での販売はもちろん、安全な食材にこだわる地元のデリカテッセンやカフェなどで、メニューに使うパンを注文されるほど支持を得ています。
おいしさの理由はこだわりの自家製粉
「ナカガワ小麦店」で使う全粒粉は、味や風味などを考え取り寄せるカナダ産の有機小麦を自家製粉しています。粒の崩れが少ないヨーロッパ製の石臼で玄麦を丸ごと製粉することで、食物繊維やミネラルといった小麦の栄養分をたっぷり含む粉になるそうです。製粉の際に外皮を取り除かずそのまま使うので、有機栽培の安全なものにこだわっています。 自家製粉だからこそ、挽きたての良き香りと新鮮な味わいを楽しめることも、この店のおいしさの秘密です。全粒粉のおいしさを知るなら、おすすめはレーズン種の天然酵母を使う「パン・コンプレ」(1/2本310円~)です。クセがなくシンプルな味わいの食事パンは、ずっしりとした味わい深い生地が自慢の一品です。 ほかに有機強力粉100%使用のパンもあり、人気は山形食パン「トースト・モンターニュ」(1/2本300円~)。予約で購入する常連さんが多く、しっとりモチモチの食感は毎日でも食べられるおいしさです。
厳選素材を用いて、ていねいに仕上げた贅沢な味わいのパン
食事パン以外では、小麦由来の天然酵母を使う生地にクルミと上品な味わいのスペイン産イチジクをたっぷり包んだ「フリュイ・ルヴァン」(270円)や、有機シナモンが香る「シナモンロール」(160円)など、シンプルゆえに厳選素材と小麦の味わいが一層引き立つものばかりです。 ていねいに時間と手間を惜しまず作られるパンは、地元の人に親しまれているのはもちろん、パン好きたちの間でも話題となっており、遠方から訪れる人も多いようです。天気のいい日なら近くを流れる鴨川の河川敷で買ったパンをいただくのも、気持ちがよくておすすめですよ。
ナカガワ小麦店
ナカガワこむぎてん
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岩永 茜
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