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2015.02.14
すべてが真っ白に包まれる、美しき「雪景色の京都」へ
立春を過ぎて梅花がちらほらと咲きはじめ、少しずつ春の足音が聞こえてきた京都の街。とはいえ、まだまだ厳しい寒さから雪が舞い降る日もあり、今回は冬の京都ならではの、凛とした「京都の雪景色」をご紹介します。写真は下鴨神社・楼門。
朱の社殿が白い雪に映える「下鴨神社」

雪が境内を白く染め上げて、朱の社殿がとくに色鮮やかに映ります
京都に雪が降り積もるのは、ひと冬にわずか数日だけ。それも、夜に降った雪が翌日の午前中には解けてしまうことが多く、京都の雪景色を見るのは一期一会の貴重な機会です。あらかじめ、天気予報で雪が降りそうな日をチェックして、当日の朝はできるだけ早く雪景色の社寺へ出かけてみましょう。 京阪電車・出町柳駅から北へ徒歩10分ほど、平安遷都以前に創建された歴史と由緒を伝える「下鴨神社」。雪が降ると、境内に広がる「糺(ただす)の森」が真っ白の幻想的な風景に変わり、朱の社殿がよく映えて色彩が際立ちます。降る雪がすべてを白く染めてゆく下鴨神社を、静かに参拝してみましょう。 ○下鴨神社(しもがもじんじゃ) [所]京都市左京区下鴨泉川町59 [TEL]075-781-0010 [時間]6:30~17:00 [拝観料]境内自由
まるで水墨画のような風景が広がる「南禅寺」

雪の日は、白と黒のみの世界が広がっている
地下鉄・蹴上駅から北へ10分ほど歩くと、「南禅寺」が東山の麓に大きな境内を広げています。こちらは鎌倉時代、亀山天皇の離宮を禅寺に改めて創建された、由緒ある歴史と高い格式を伝える寺院です。 雪景色の南禅寺は、雪の「白」と建物や樹木などの「黒」からなる水墨画の世界。とくに三門楼上からの眺めは素晴らしく、床の間を飾る水墨画の掛け軸のような絶景が見事です。 ○南禅寺(なんぜんじ) [所]京都市左京区南禅寺福地町 [TEL]075-771-0365 [時間]三門拝観8:40~16:30(受付終了16:10) [拝観料]境内自由、三門500円

三門楼上から眺める雪のお堂
白砂をさらに白く彩る、雪化粧の「龍安寺」石庭

陽が当たり、雪が少しずつ解けると姿を現す美しい砂紋
市バス・竜安寺前バス停からすぐ、世界遺産の「龍安寺」は、1450(宝徳2)年、守護大名・細川勝元によって創建された禅寺で、白砂に15個の石が配された石庭が世界的に知られています。 石庭の雪景色は、雪がうっすらと覆う程度がおすすめで、砂紋に合わせて雪の紋が波打ち、さらに庭園の趣を引き立てます。冬の凛とした空気の中で向かい合う雪化粧の石庭は、普段は目にすることができない新たな庭園の美しさを見せてくれます。 ○龍安寺(りょうあんじ) [所]京都市右京区龍安寺御陵下町13 [TEL]075-463- 2216 [時間]8:30~16:30(3/1~は08:00~17:00) [拝観料]500円
ひとたび雪が降れば、雪国に変わる「大原」へ

山里を静かに包む一面の雪景色。市街地では味わえない雄大な自然の風景
市営地下鉄・国際会館前から京都バス・大原行きに乗車して約25分、「大原」は日本海の若狭(わかさ)地方と京都を結ぶ街道沿いにあたります。三千院や寂光院など歴史と格式を伝える古寺が建ち、山里の趣が漂います。京都市の北に位置し、日本海側から雪をもらたす雲が流れ込み易いことから、大雪になって銀世界が広がることも。 阿弥陀三尊像を祀る「三千院」の往生極楽院は、白く彩られた極楽浄土のような世界が広がり、三千院の北に建つ「宝泉院」では樹齢700年を超える松に雪が降り積もり、座敷からの眺めは絵画を思わせる美しさとなります。 京都市街地では見ることのできない景色を求めて足を延ばせば、寒さも忘れるほどの美しい景色に出合えます。 ○大原(おおはら) [所]京都市左京区大原 [TEL] 075-744-2148(大原観光保勝会)
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吉村 晋弥
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