かつては御所御用達も務めた味噌の老舗

落ち着いた住宅地にある本店は、街の雰囲気とよく馴染んでいる

創業は1830（天保元）年。京都御所のほど近く、西側に位置し、かつては御所の御用達も務めたという「本田味噌本店」。 江戸時代から続く老舗で「味噌屋といえる商売せい」を鉄則に、その時代のニーズにあわせた味噌づくりを続けてきました。

店内には京都御所への入館証など老舗ならではの貴重な資料が並ぶ

看板商品は「西京白味噌」。京料理には欠かせない調味料、まさに縁の下の力持ちとして、今日まで京の食卓を支え続けています。

種類豊富な味噌を手がける

「本田味噌本店」が造る西京味噌は、米麹を大豆の約2倍使って仕込むことで生まれる、「まったり」とした甘みが特徴。乳製品との相性は元々良いのです。 けれど、ここが味噌屋の腕の見せどころ。「単に白味噌が入っているだけのお菓子ではおもしろくない」との思いから、和の味噌と洋のスイーツが見事にマッチする「本田味噌本店」にしかできない味を探し出しました。 それが、「Le martin de miso」の誕生です。

味噌の老舗が手がける洋菓子とは?

左：「味噌香 京（みやこ） ダックワーズ」（195円） 右：「味噌香 京（みやこ） フィナンシェ」（173円）

柏もちやはなびらもちなど、古くから白味噌を使った和菓子が作られてきた京都。 そこをあえて洋菓子で攻めるという遊び心。伝統を重んじながらも革新を続ける、老舗ならではの心意気です。

正反対の食感を楽しめると、2種類セットで購入する人も多い

注目すべきは、「Le martin de miso」のお菓子には西京味噌以外にもさまざまな味噌が使われていること。 たとえば「味噌香 京（みやこ） フィナンシェ」（173円）。 アーモンドプードルを使用したしっとりした生地には、砂糖やバターの香りとともにほんのり柑橘系の風味が。それもそのはず。アクセントとして「柚子みそ」を加えているのです。 他にも「味噌香 京（みやこ） ダックワーズ」（195円）は、きな粉の香るサクっと軽い生地が特徴ですが、その隠し味はなんと「赤味噌」。香り付けに赤味噌を加えることで、より深い味わいになるのだとか。 これらの絶妙なさじ加減もすべては味噌を知り尽くした専門家だからなせるワザ。

見た目の華やかさも人気の秘訣

「味噌香 京（みやこ） ボンボンショコラ」（1080円）は秋～春先までの季節限定

中でも「味噌香 京（みやこ） ボンボンショコラ」は、その見た目の美しさも相まって人気の高い商品。濃厚なチョコレートにごま味噌や柚子みそを忍ばせた、4種の味が楽しめます。ブルーとゴールドのパッケージも上品で、贈り物としても購入されることも多いのだとか。

気軽に味わえる「味噌香 京（みやこ） 京味噌カラメルシューケット」（605円）

新商品でもある「味噌香 京（みやこ） 味噌カラメルシューケット」は、口当たりの軽いシュークリームの皮をキャラメルでコーティング。その上からお味噌のパウダーをまぶした、甘塩っぱくてくせになる味わいです。サクサクとした軽い食感で食べ始めるともうとりこ。

西京味噌&ホワイトチョコレートのガナッシュクリームがサンドされている「味噌香 京（みやこ） お野菜クッキー」（648円）

そして、何といってもかわいさナンバー1は、「味噌香 京（みやこ） お野菜クッキー」です。 この商品の特徴は、京野菜ではなくあえて洋のお野菜を使っていること。ピンクはビーツ、オレンジはトマト、黄色はかぼちゃ。そして緑のバジルに、黒はなんとブラックオリーブだというから驚きです。 不思議とお酒にも合うのも、きっと味噌の味わい深さによるもの。

お客様をお見送りするマルタンの暖簾と、ツバメをイメージしたロゴ

ちなみにブランド名の「マルタン」とは、暖簾にもかかれている本田味噌本店の屋号から。そしてもうひとつ、martinとはフランス語でイワツバメを意味します。 幸せの象徴・イワツバメにマルタン＝伝統を託し、食べれば幸せになれるお菓子を多くの人に届けたい、との思いが込められているのだとか。 やさしい甘み中にもどこかでさりげなく味噌の風味を感じられる、老舗ならではのスイーツを味わってみてはいかがでしょう。