
53
2025.09.14
横浜元町で憧れのブランドとカフェをめぐる休日♪街の歴史に触れて私だけのお気に入りを探すプチトリップ
明治初期の文明開化に沸いた頃、横浜の山手に暮らす外国人のために家具や洋食器などを扱う店が集まったことから始まった横浜元町商店街。職人たちの手仕事が息づくこの街は、今も歩いているだけで新しい発見があります。1970年代から80年代にかけては、「ハマトラ(横浜トラディショナル)」ファッションの一大ムーブメントが起こり、元町発のバッグや靴、洋服が全国の女性たちの憧れの的に。その歴史は今も色あせることなく、街の品格を支えています。 今回は、そんな元町で長く愛されるブランドの本店や、散策の途中で立ち寄りたい素敵なカフェをめぐります。歴史と新しさが交差するエレガントな街で、お気に入りを探してはいかがでしょうか。
上品なかわいらしさを作り続けるバッグのお店「キタムラ 元町本店」
職人技が光る星と月の繊細なきらめき「STAR JEWELRY the shop & museum MOTOMACHI」
宝石箱みたいなスイーツに心ときめく「STAR JEWELRY CAFE & Chocolatier」
繊細なレースのハンカチにうっとりする「近沢レース店 元町本店」
物語の世界へ迷い込んだかのような隠れ家「汐汲坂のクレープ屋さん」
上品なかわいらしさを作り続けるバッグのお店「キタムラ 元町本店」

軒先のKのロゴが目を引く本店
創業から140年以上にわたって元町のシンボルとして親しまれ続ける「キタムラ元町本店」は、5代目がその歴史を受け継いでいます。どこか懐かしくも新しい、キタムラならではの上品な空気が漂い、伝統を大切にしながら新しいものを取り入れてきたブランドの歴史を感じます。

奥行きのある店内
創業当時は和装小物を扱うお店でしたが、時代の変化とともにオリジナルのバッグを扱うようになり、横浜の女性たちのファッションを支えてきました。ブランドの頭文字「K」をあしらったバッグは、1970年代後半に全国を席巻。質のいいものを大切に長く使うというハマトラの精神は今も受け継がれています。

時代を超えて愛される定番のデザイン
かつてバッグの色といえば黒か茶色が主流だった時代に、紺色をいち早くラインナップに加えたのはキタムラでした。「ダークブルー」と名付けられたその深みのある紺色は、知的で洗練された印象を与え、キタムラを象徴するカラーのひとつです。
世代を超えて愛される幅広いアイテム

パステルカラーの革小物を世に送り出した先駆けともいわれている
キタムラの魅力はバッグに加えてお財布やキーケースといった革小物から、ワンピースにカーディガンといった清楚なイメージの洋服まで、トータルでファッションを楽しめることです。上品でいてかわいらしさもあるデザインは、手に取るたびに優しい気持ちになれそうです。

2階のクロコダイルショップ
2階ではオーダー可能なクロコダイル商品やメンズスーツも展開しています。世代を超えて、家族で愛用するファンも多いというキタムラ。その訳を実感しながら、元町の歴史を感じる次のお店へと歩みを進めましょう。
キタムラ 元町本店
キタムラ モトマチホンテン
職人技が光る星と月の繊細なきらめき「STAR JEWELRY the shop & museum MOTOMACHI」

キタムラ本店から少し歩くと、洗練された雰囲気の「STAR JEWELRY the shop & museum MOTOMACHI (スタージュエリー ザショップ&ミュージアム モトマチ)」に到着します。ショーウィンドウに並ぶ繊細な輝きに誘われて、さっそく店内へ。そこには、身につける人の日常を特別なものに変えてくれる、小さな宇宙が広がります。

広々とした店内
スタージュエリーの大きな特徴は、1946年の創業当時から元町に自社工房「PREMIUM WORKSHOP」を構え、そこで熟練の職人が原型から製作、完成に至るまで一貫して携わることです。納得のいくジュエリーをつけ心地にまでこだわって製作しています。

ブランドの象徴、星や月のモチーフ
ブランド名にもなっている星や、月、太陽といった天体のモチーフは、スタージュエリーを象徴するデザインです。夜空にまたたく星の輝き、やさしく照らす三日月、生命力あふれる太陽の輝き。そんな普遍的な美しさが、熟練の職人の手によって驚くほど繊細に表現されています。

歴史をたどる元町本店ミュージアム
本店の奥には、ブランドの歴史を振り返るミュージアムを併設しています。創業当時の資料や、これまでに話題をよんだコレクションが展示され、時代ごとの流行など興味深い発見がたくさん。ブランドの世界観に浸ってみるのはいかがでしょうか。
ものづくりを支える工房と手厚いサポート

元町仲通りの「PREMIUM WORKSHOP」
本店のすぐそばにある工房では、購入後のクリーニングや修理なども職人たちが丁寧に対応します。記念の刻印などもこの工房で作業しています。 ジュエリーの輝きに満たされた後は、すぐ近くにあるカフェで、甘いひとときを過ごしましょう。

職人による繊細な手作業
STAR JEWELRY the shop & museum MOTOMACHI
スタージュエリー ザショップ アンド ミュージアム モトマチ
宝石箱みたいなスイーツに心ときめく「STAR JEWELRY CAFE & Chocolatier」

おしゃれなたたずまいのカフェ
「STAR JEWELRY」がプロデュースする「STAR JEWELRY CAFE & Chocolatier」は、ショッピングの合間に気軽に立ち寄れるカフェです。店内に入ると、ジュエリーショップさながらのショーケースがあり、宝石のように美しいボンボンショコラが並びます。

人気のジュエリーをイメージしたボンボンショコラ4個入「ミステリアスハート/ダイヤモンド」(2500円)
このカフェでのお楽しみは、まるでジュエリーボックスのような「アフタヌーンティーセット」。タルトやマカロンなど7種類のスイーツに、まるで宝石箱を開けた時のような、わくわくとする気持ちになりますよ。花をテーマにした美しいパフェや、キッシュなどのセイボリーがつき、紅茶やハーブティーは約20種類の茶葉から選びます。元町の街並みを眺めながら、甘い余韻に浸る贅沢な時間をぜひ過ごして。

「アフタヌーンティーセット」(6800円)※事前予約制 画像提供:STAR JEWELRY CAFE & Chocolatier
「STAR JEWELRY CAFE & Chocolatier」の記事はこちら
STAR JEWELRY CAFE & Chocolatier
スタージュエリー カフェ アンド ショコラティエ
https://www.star-jewelry.com/pages/store/sj-cafe-chocolatier.html
※「アフタヌーンティーセット」の提供は14:00~16:00(週末は17:00)まで
繊細なレースのハンカチにうっとりする「近沢レース店 元町本店」

人気のタオルハンカチ(1650円~)
甘いもので心が満たされたら、レース専門店「近沢レース店 元町本店」へ。もともとは明治34年(1901年)に絹の輸出商として産声をあげたお店でした。時代の変化とともに、海外のライフスタイルに合わせたリネン製品を扱うようになると、その装飾として施された刺繍やレースが評判になり、やがてレース製品の専門店として多くの人に知られるようになりました。

毎日の暮らしに彩りと豊かさを添えるアイテムが豊富なショップ
店内には、ハンカチやポーチ、日傘など、上質なレースをあしらった様々な小物が並びます。品のいいクラシカルなデザインは、持つだけで淑やかな気分にさせてくれます。

タオルハンカチのモチーフはカラフルでユニーク
なかでも注目は、カラフルで愛らしいデザインのレースのタオルハンカチ。季節ごとに登場するシリーズもあり、熟練の職人による丁寧な縫製が、美しいデザインを支えています。
「近沢レース店 元町本店」の記事はこちら
近沢レース店 元町本店
チカザワレーステン モトマチホンテン
物語の世界へ迷い込んだかのような隠れ家「汐汲坂のクレープ屋さん」

クレープ「生はちみつ×バター」(780円)「ホットコーヒー」(580円)
つぎは少し小道に入って、隠れ家のようなお店を探しにいきましょう。「汐汲坂のクレープ屋さん」は元町商店街のメインストリートから一本入った汐汲坂の途中の一角にたたずみます。まわりをぐるりと建物に囲まれ、ちょうどパリのアパルトマンの中庭のような空間に建つ北欧風のログハウスのお店です。小さなテラス席もあり、人通りを気にすることなく過ごせます。

北欧風ログハウスの一軒家
オーダーを受けてから一枚一枚丁寧に焼き上げるクレープは、焼きたてをぜひテラスで。ニュージーランド産のマヌカハニーの美味しさを味わうシンプルなクレープや、たっぷり絞った生クリームにピーナッツペーストをトッピングしたタイプなど、組み合わせもいろいろ選べます。 美味しいおやつで元気が出たら、さらに坂を上って、素敵な器のお店へ。

クレープ「ピーナッツ×生クリーム」(880円)
「汐汲坂のクレープ屋さん」の記事はこちら
汐汲坂のクレープ屋さん
シオクミザカノクレープヤサン
温かみのある作家の器と出会う「altoyo」

ステキな外観
クレープ屋さんから汐汲坂をもう少し上ると、カフェのような佇まいの器のお店「altoyo(アルトヨ)」が見えてきます。この汐汲坂の界隈は、隠れ家的なカフェやレストランが点在する静かな住宅街。坂を上りきった先には、ベーリック・ホールなどのレトロな洋館が建ち並ぶ歴史あるエリアが広がります。

落ち着いた店内はじっくりと器に向き合う時間に
そんな穏やかな空気が流れる店内に並ぶのは、店主が日本全国を訪ね歩いて見つけてきた作家ものの器。一見すると素朴ですが、実際に手に取ると、作り手の温かみや息づかいが伝わってくるような作品ばかりです。

暮らしに遊び心と余白をくれる作品
店主が作品を選ぶ基準は使い勝手の良さはもちろん、「置いてあるだけでもその空間が満たされていくような感覚」を大切にしているのだそう。お気に入りのカップでコーヒーを飲んだり、美しいお皿に料理を盛り付けたり。そんなささやかなことが、毎日を少しだけ特別なものにしてくれます。 手仕事のぬくもりに触れたら、緑あふれるカフェを訪れます。
「altoyo」の記事はこちら
altoyo
アルトヨ
お花屋さんの2階のカフェですごす午後のひととき「花Lab.Nocturne」

スイーツとハーブティーでほっこり※スイーツは変更有
季節の生花や観葉植物が店頭を彩るお花屋さんの2階にある「花Lab.Nocturne 横浜元町店」。階段を囲む廻廊のようなつくりになっていて、窓からは明るい日差しが入ります。テーブルの中央には古木や石をあしらったオブジェが飾られ、ほっと和らぎます。

緑が映える廻廊のよう
エチオピアの農園から取り寄せるコーヒーや、インド政府紅茶局認証の茶葉を使った紅茶など、ドリンク類もこだわりが光り、手作りのスイーツともよく合います。緑豊かな空間で過ごすひとときは、心も体もリフレッシュしますよ。

「自家製デミグラスソースのオムライス」(1430円)
「花Lab.Nocturne 横浜元町店」の記事はこちら
花Lab.Nocturne 横浜元町店
ハナラボ ノクターン ヨコハマモトマチテン
また訪れたくなるエレガントな街・横浜元町

元町商店街入り口のフェニックスのモニュメント
歴史ある街並みをゆっくりと歩き、心惹かれるお店の扉を開けてみる。そんな豊かな時間の過ごし方が、元町にはあります。時代が変わっても、ずっと大切にしたいものが受け継がれ、エレガントで、どこか懐かしい空気が流れています。今度の休日は自分だけの宝物を探しに、おぜひ出かけくださいね。
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
文:高橋茉弓、写真:高橋茉弓、古本麻由未
Writer
高橋茉弓

おやつの時間を何よりも大切にするライター&カメラマン。波の音とカフェがあればそれで幸せ。
の人気記事
















































