94
2014.01.17
大正6年から愛され続けている、ホルンがトレードマークの「月光荘画材店」
銀座の街で96年もの間、文化をつないできたお店。1階は画材店、地下はギャラリースペース、喫茶スペースになっています。
与謝野晶子さん直筆の看板が目印
銀座駅からも新橋駅からも、徒歩約5分で「月光荘画材店」に着きます。 「月光荘」と書かれた看板が目印。この「月光荘」という達筆の文字は、歌人の与謝野晶子さん直筆のものなのだとか。 鮮やかなグリーンのドアには、イギリスのアンティークのステンドグラスが使われています。赤いランプも、イギリスのアンティーク。文化の香りを感じます。
トレードマークは「友を呼ぶホルン」
画材を扱う1階のお店に入ると、絵具や筆、スケッチブックなどがずらりと並んでいます。 トレードマークは創業者が考案した「友を呼ぶホルン」で、全ての製品についています。ひとつひとつ職人さんが丁寧につくった自社製品ばかりです。
「月光荘ピンク」とも呼ばれるコバルト・バイオレット・ピンクの油絵具
月光荘は1940年に純国産第1号の絵具を誕生させ、その後、新色コバルト・バイオレット・ピンク(月光荘ピンク)を発明。1971年の世界油絵具コンクールで一位を獲得。フランスのル・モンド紙で「フランス以外の国で生まれた奇跡」と絶賛されたそうです。
オーナーの日比さんは、とても魅力的なマダム
オーナーの日比さんは基本的にあまりお店にはいらっしゃらないのですが、とても素敵な洗練されたマダム。品があってエレガントですが、ツンと気取った感じはありません。「子どもの頃から、本当に美しい色に囲まれているかどうかが大事。本当の色の美しさを知らないと、大人になって、例えばおしゃれをしようとしても、色の遣い方が分からない人になってしまう」「色彩の感覚は、心の豊かさにつながる」など、心に残る言葉をたくさんおっしゃっていました。
贅沢な時間が過ごせる地下もオススメ
さて、地下に下りてみると、そこはギャラリースペースと喫茶スペースになっています。豊富なバリエーションのユーモアカードも販売されていて、この場でお茶を飲みながら「絵手紙」を描いて、小鳥さんの木のボックスポストに投函できちゃうのです。月光荘のスタンプが押されてから、発送されるのだとか。少し年代物の珍しい切手も購入でき、絵具や筆も無料で借りられて、至れり尽くせり。ふらっとここに立ち寄って、誰か大切な人に「絵手紙」を送れるなんて、素敵ですよね。 ここでは銀座の街の喧噪から離れて、静かなゆっくりしたひとときを過ごせます。このお店を出るときには、さっきの自分より心が豊かになっているのを感じるでしょう。
月光荘画材店
ゲッコウソウガザイテン
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
doiayako
の人気記事