ふんわりやわらかい優しいパン

店主の文珠川美雪さん(右）。お店を手伝ってくれるのは中学からの友人です

もともとケーキ作りを勉強していたという文珠川さんが、生まれ育った鎌倉の地でパン屋さんをオープンすることにしたのは、身体に優しく、心においしいものを提供したいと思ったから。｢それならば毎日食べてもらえるパンを作ろう｣と、パン職人の道へシフトチェンジをしたそうです。 みゆきぱんでは、カナダ・北米産の最高品質の小麦粉と、スイスの3000m級の山々に存在する自然のイースト、さらに北海道産の牛乳から作られるよつ葉バターを主材料に、文珠川さん自らが信頼できる良質の材料を吟味し、添加物をふくまないパンやケーキを一つ一つ手作りしています。 そのためオープンは週2日、お店に並ぶ商品の数も決して多くはありませんが、どれもふんわりとやわらかで、丁寧に作られたことが分かる誠実な顔をしています。そんなパンやケーキは子どもからお年寄りにまで大人気。大勢のファンがオープンを心待ちにしています。

ほんのり甘い食パンは耳までフワフワ

耳までフワフワの食感を楽しみたかったら、当日中にいただいてくださいね

大人が2人も入れば一杯になる、小さなお店のみゆきぱん。営業日は開店直後からひっきりなしにお客さんが訪れます。取材時に扉を勢いよく開けて入ってきたのは、お母さんと元気いっぱいの男の子。ショーケースに張り付くと｢これください！｣と、クリームパンを指名買いしていました。 クリームパンは、カスタード以外に白桃クリーム、豆乳クリーム、宇治抹茶クリーム、生チョコクリームなどがあって目移りしてしまいそう。有名和菓子店の餡を使っているというあんパンは上品な甘さで、固定ファンが多いのだとか。生地に抹茶と小豆を練り込んだミニ食パンは、和と洋のバランスが絶妙で、鎌倉を訪れる外国人観光客にもウケそうです。 チーズカレーパンなどのおかずパン、フルーツたっぷりのマフィンなども気になります。いずれもパクリといけるかわいいサイズで、お値段も150～160円とお手頃です。また塩麹や甘麹を加えてしっとりと焼き上げた食パンは、ほんのり甘くて柔らかい食感。軽くトーストしてバターを塗るだけで、幸せ気分を味わえます♪

お店のディスプレイもステキ

センスの良いディスプレイは、デザイナーである文珠川さんのご主人の手によるものだそう。アメリカの古い木材を利用したショーケースに、和箪笥用のガラスのキャビネットを組み合わせたり、ファイヤーキングのマグカップをさりげなく飾ったり。アメリカンとジャパニーズがさりげなく同居するお店の雰囲気は、文珠川さんが作るパンと同様、和と洋のバランスが絶妙で、小さいながらも居心地の良い空間です。 隣接するアウトドアスペースにはイスが並べられているので、ちょっとひと休みもOK。その奥にはイートインスペースがあるので、家までがまんできなくても大丈夫です。 地元の人でも｢なかなか開いている時に出会わない｣という隠れ家的なパン屋さん。みゆきぱんにお越しの際は、営業日のチェックをお忘れなく。