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2024.06.07
アジサイの見頃を迎えた北鎌倉さんぽ♪古刹の参拝やアジサイのスイーツを楽しむ一日
昔ながらのたたずまいを残す北鎌倉は梅雨になると街中のいたるところにアジサイが咲き、散策が楽しいシーズンの到来です。古刹のお参りや古民家のお店でのんびり過ごす時間は、豊かな自然に囲まれる古都ならではの楽しみ方。老舗和菓子店やフランス菓子のカフェにはこの時期限定のお菓子も登場し、街全体がアジサイカラーに染まっていきます。華やいだ雰囲気に包まれる6月の北鎌倉をご紹介します。
北鎌倉の豊かな自然に囲まれた古刹「円覚寺」
アジサイ色のゼリーとハリネズミのクッキーにほっこり「お菓子と喫茶 マルン」
古民家の風情も楽しむ「一素茶庵」でオリエンタルな薬膳菜食
アジサイをイメージした上生菓子と抹茶でくつろぐ「御菓子司 こまき」
花を濡らす雨も一興となる6月の北鎌倉
北鎌倉の豊かな自然に囲まれた古刹「円覚寺」
北鎌倉駅からすぐそばに建つ「円覚寺」
鎌倉時代、第8代執権の北条時宗が創建した禅宗の寺院・円覚寺。鎌倉独特の谷戸(やと)と呼ばれる丘陵地が侵食されてできた谷の地形に沿って、庵などの伽藍(がらん)がいくつも建てられています。総門から山門、仏殿、方丈へと徐々に登っていくような配置で、この時期は参道を幾種類ものアジサイが彩ります。
山門周辺に咲くアジサイ
「扇垂木(おうたるぎ)」という美しい禅宗様建築の山門の周りにもあでやかな色のアジサイが咲きそろいます。この山門は夏目漱石の小説『門』の舞台になったのだそう。
静かな境内にはときおり野生のリスも姿を見せる
広大な境内を小鳥のさえずりを聞きながら散策するのは気持のいいものです。まずはご本尊が祀られている仏殿でお参りをして、さらに奥へと足を伸ばすのがおすすめです。もとは住職の住まいだったという方丈に整備された美しい日本庭園、国宝に指定されている関東最大の梵鐘「洪鐘(おおがね)」など見どころがたくさんあり、「居士林(こじりん)」と呼ばれる道場では、だれでも参加できる土曜坐禅会も開かれています。
円覚寺
エンガクジ
アジサイ色のゼリーとハリネズミのクッキーにほっこり「お菓子と喫茶 マルン」

心地のいいテラス席
広い円覚寺を散策したら、JRの線路を渡った小径の先にたたずむ「お菓子と喫茶 マルン」でひと休み。パリのカフェを100件近くめぐったオーナーパティシエが手づくりするスイーツやキッシュなどで、のんびりと過ごせます。
ハリネズミの型で焼いたクッキー付き「あじさいブランマンジェ」(750円)
この時期は青色から紫色のグラデーションが美しい「あじさいブランマンジェ」がスイーツメニューに加わります。プルンとしたアーモンド風味のミルクプリンの上には、青系3色のバタフライピーのゼリーを彩りよく盛り付けていて、まるで北鎌倉に咲くアジサイのよう。ミント・ローズマリー・レモングラスのハーブシロップでさわやかな味わいに。

フランスの田舎町にありそうなカフェの雰囲気が漂う店内
「お菓子と喫茶 マルン」の記事はこちら
お菓子と喫茶 マルン
オカシトキッサ マルン
古民家の風情も楽しむ「一素茶庵」でオリエンタルな薬膳菜食

小鳥のさえずりが響く静かな一軒家
お昼時には台湾の薬膳料理のランチがいただける「一素茶庵」へ。情緒のある門から入る古民家で、苔むしたお庭や板張りの塀など、北鎌倉の昔ながらの暮らしが今もくっきりとその影を残します。

月替わりの「いっそプレート」(2500円)
名物の「いっそプレート」には季節の小皿料理とおにぎりなどを盛り合わせた薬膳菜食や台湾の豆乳スープ、大豆ミートのシュウマイにデザートやとフルーツティーがセットされています。大きなテーブルがあっという間に料理で埋まってしまうほど華やかですよ。

美人茶とも呼ばれる花とフルーツをブレンドした「花フルーツティー」(700円~ 4種類)はティータイムにも
「一素茶庵」の記事はこちら
一素茶庵
イッソチャアン
アジサイをイメージした上生菓子と抹茶でくつろぐ「御菓子司 こまき」
イートインは上生菓子のほかあんみつなどの甘味も
歴史のある街には、長きにわたって地元で親しまれるお店がいくつか点在します。北鎌倉駅のすぐ横に暖簾をかかげる「御菓子司 (おんかしし)こまき」も、昭和23年に創業した老舗の和菓子店です。落ち着いた店内からは庭の緑がまぶしく映り、まるで北鎌倉の自然を描いた額絵のようです。
6月の上生菓子「あじさい」(抹茶とのセットで1001円)
伝統的な技法を受け継いだ3代目のご主人が作る上生菓子は、近隣で開催されるお茶会で用いられるほど品がよく、日本の四季の移ろいを細やかに表現します。6月の上生菓子は「あじさい」。紫色の錦玉(キンギョク)という寒天をさいの目にカットして白あんにまとわせたお菓子です。
1箱6個入り上生菓子「あじさい」(2202円)
涼しげで透明感もあり、雨に濡れるアジサイのよう。弾力のある寒天としっとりとした白あんの食感も楽しく、このお菓子に合わせた備前焼の緋襷(ひだすき)の菓子器も素敵です。上生菓子は箱入りもあるので、おみやげにしてはいかがでしょうか。
御菓子司 こまき
オンカシシ コマキ
お花をちょこんと乗せたかわいい焼き菓子「マヤノカヌレ」
ショーケースに並ぶお花のカヌレ
エディブルフラワーをトッピングしたお花のカヌレが人気の「マヤノカヌレ」。米粉と平飼いの卵を使った体に優しいグルテンフリーの焼き菓子で、外はカリッと内側はモチモチとした食感も楽しめます。
わっぱ箱入りの「ボックスセット」(1720円/4個入)
ほんのりとラムの香りの漂うプレーンをはじめ季節のフレーバーも加わり、アンティークな木枠のショーケースの中はお花が咲いているかのように華やかです。好きなカヌレを選んでゆっくりイートインするほか、温かみのあるわっぱ箱に詰めてギフトにするのもおすすめです。
お店で手作りする「クラフトコーラ」(600円)とお花のカヌレ(各380円)
「マヤノカヌレ」の記事はこちら
マヤノカヌレ
花を濡らす雨も一興となる6月の北鎌倉
ひと雨ごとに奥深い色へと変化するアジサイは、今も昔も人々の心を惹きつけてやみません。見頃を迎えた北鎌倉のアジサイは、これからますます濃い色へと変化していきます。6月の北鎌倉の街歩きを楽しんでくださいね。
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高橋茉弓
Writer
高橋茉弓

おやつの時間を何よりも大切にするライター&カメラマン。波の音とカフェがあればそれで幸せ。
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