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2025.05.20
京都・洛北の青もみじプチトリップ、叡山電車に乗って「下鴨神社」から京の奥座敷「貴船」へ♪
5月になると京都はもう初夏の気配。青もみじのシーズンがやってきましたが、まだまだ知られていないスポットが京都には数多くあります。この爽やかな季節に、森の緑が涼やかな下鴨神社、洛北の澄んだ空気に包まれた妙満寺、山あいに庭園が広がる白龍園、そして京都の奥座敷にたたずむ貴船神社を訪れてみませんか。貴船では、夏の風物詩「川床」も体験できますよ。
鴨川デルタから糺の森を通って「下鴨神社」へ
花の寺「妙満寺」で比叡山を望む庭園を
神々が棲む二ノ瀬の里にたたずむ「白龍園」
青もみじに包まれた三社をめぐる「貴船神社」
「兵衛Cafe」で貴船の夏の風物詩・川床を体験

鴨川デルタから糺の森を通って「下鴨神社」へ

賀茂川と高野川が出合い「鴨川」が誕生する鴨川デルタ
洛北の青もみじを訪ねる旅は、京都駅からバスで北へ約30分の出町柳駅からスタート。賀茂川と高野川が合流する三角州は「鴨川デルタ」と呼ばれ、ドラマやアニメにもよく登場するスポットです。 デルタに、こんもりと茂る「糺(ただす)の森」は、大古の姿を残す街なかの原生林。青葉が空を覆い、そこから木漏れ日がこぼれ落ちる風景は幻想的で、歩くだけで森からパワーをもらえそうな気がしてきます。 また、この森は下鴨神社の表参道でもあり、森の奥には木々の緑に包まれた下鴨神社の社殿が厳かにたたずみます。神社は早朝6時半に開門されるので、朝の静かな森をぜひ散策してみましょう。

下鴨神社の参道でもある糺の森。人の少ない早朝は神秘的

森を抜けた先には、下鴨神社の朱色の鳥居と楼門が
下鴨神社の記事はこちらから
下鴨神社(賀茂御祖神社)
シモガモジンジャ(カモミオヤジンジャ)

花の寺「妙満寺」で比叡山を望む庭園を

門前には大きな池が広がり、橋をわたって境内へ
「妙満寺」へは、出町柳駅から叡山電車で約15分の木野駅で下車、徒歩10分足らずで到着します。5月上旬から中旬にかけては、鮮やかに咲き誇るツツジが迎えてくれます。 境内は広々としており、正面には本堂、その左にそびえ立つのはお釈迦様が悟りを開いたインドのブッダガヤに建つ塔を模した仏塔。また、3年前に修復を終えた「雪の庭」は、江戸時代の俳諧(俳句)の祖とされる松永貞徳の作庭と伝わる名庭です。 これからの季節は、カキツバタやスイレン、半夏生(はんげしょう)が次々と花を咲かせるそう。そんな可憐な花と郊外ならではの静けさに、心が癒やされますね。
ひときわ目を引く仏塔。石に施された彫刻を見るもの楽しい
お座敷の奥に座り、額縁風に眺める名庭「雪の庭」
妙満寺の記事はこちらから
妙満寺
ミョウマンジ

神々が棲む二ノ瀬の里にたたずむ「白龍園」

山にいだかれたダイナミックな風景が広がる
「白龍園」へは、木野駅から叡山電車で約10分の二ノ瀬駅で下車、鞍馬川を渡り、街道沿いを歩くこと10分足らずの距離です。 足を踏み入れると、鞍馬山の手前という深い山中に、よく手入れされた大庭園が広がります。荒れ果てた山の姿に心を痛めた京都のアパレルメーカー青野が、地元の人々と協力し、白龍園を開園したのは1963(昭和38)年のことでした。 山の神を祀る祠をはじめとし、小川や美しい苔地、東屋など、ゆっくりと時間をかけて庭園さんぽを楽しめるように整えられています。春と秋の決まった期間だけ、1日4回、各回50名までが入園できる完全予約制なので、混雑知らずの贅沢な時が過ごせますよ。

白龍園のシンボルプランツにちなんだ、カンアオイの窓

苔のじゅうたんが美しい。雨の降った後は緑が輝く

甘味処の河鹿荘は昔ながらの雰囲気。窓の外にも緑が広がる
白龍園を出て通りを挟んだ向かいには甘味処の河鹿荘があり、囲炉裏を中心にした古民家で、お抹茶とお菓子、おぜんざいなどの和甘味が味わえます。 広い庭園なので、長ければ2時間ほどかけて回る方もいるそう。次のスポットに行く前に、一息つくのによさそうです。

「お抹茶とお菓子」800円(メニューは公開時期ごとに変更)
白龍園
はくりゅうえん
075-311-8988
青野株式会社 ※平日10:00~17:00

青もみじに包まれた三社をめぐる「貴船神社」

本宮の参道は、朱色の灯籠と青もみじが美しい
「貴船神社」へは、二ノ瀬駅から叡山電車で3分の貴船口で下車、バスに乗り換え約5分の貴船で降ります。さらに、そこから8分ほど坂を上ると、参道の石段が左手に見えてきます。 鴨川の上流で太古の昔から京都を見守ってきた貴船神社は、貴船川に立ち並ぶ3つのお社からなり、本宮、奥宮(おくみや)、結社(ゆいのやしろ)をお参りする三社詣が古くから行われてきました。 本宮の水占みくじや、貴船最強のパワースポットとされる奥宮、平安時代の歌人・和泉式部が夫の愛をとりもどしたことから「恋の宮」とも呼ばれる結社など、ご利益をたっぷりいただきましょう。
奥宮は、自然の気が最も強く感じられるという
結社では、薄緑の結び文に願いごとをしたためて祈願
貴船神社の記事はこちらから
貴船神社
キフネジンジャ

「兵衛Cafe」で貴船の夏の風物詩・川床を体験
川の水面すれすれに床が張られる貴船の川床
貴船神社の三社詣で貴船川に沿って歩いていると、川にしつらえた床があるのに気づくかもしれません。川風に吹かれて涼をとりながら、山と川の幸を味わう「川床(かわどこ)」です。 数々の料亭や料理旅館が席をもうけており敷居が高そうに思えますが、奥宮近くの「兵衛Cafe」では、スイーツやコーヒーで気軽に川床体験ができます。 季節のフルーツに、自家製餡と酒粕を使ったクリームを合わせた最中や、本格的な宇治茶を使ったドリンクなどメニューも京都らしさが感じられるものばかり。また、さりげなく添えられた野の花も素敵です。
「酒粕もなかと季節のフルーツサンド」880円~と「お抹茶ラテ」770円
5~9月期間限定の川床席(席料:550円)
兵衛Cafeの記事はこちらから
兵衛Cafe
ヒョウエカフェ

青もみじの木漏れ日のなかを進む、叡山電車の展望列車「きらら」
洛北の青もみじめぐりは、見応えのあるスポットばかり。ゆったりめぐるのであれば、早朝の下鴨神社から始めたり、1日3件程度に訪れるスポットを絞るのがよいかもしれません。 また、叡山電車の1日乗車券「えぇきっぷ」(1200円)には、拝観料の割引などがあるので上手く使いながら、新緑の洛北をめぐりましょう。
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文:戸塚江里子(らくたび)
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