水彩画が生み出す空想の世界が雑貨に

画家のアトリエをイメージした吉祥寺本店

吉祥寺駅から徒歩約7分。駅南口からまっすぐ伸びる「中道通り商店会」を歩いていると途中で見えてくる真っ白の建物が「空想街雑貨店 吉祥寺本店」です。「大人も持てるファンタジー雑貨」をテーマにした空想街雑貨店はオンラインショップから始まり、2022年に念願の実店舗が吉祥寺にオープン。その後、横浜の赤レンガ倉庫に2号店、2024年本店の隣にオープンした「空想街カフェ 空飛ぶ魚」では、空想街の世界を楽しめるスイーツやドリンクを提供しています。

入口の正面には吉祥寺の街をテーマにしたアイテムがコーナー展開されている

店内には空想の世界に思わず引き込まれそうになる原画をはじめ、スマホケースやパズル、手作りアートキットなど、思わず手に取りたくなるような豊富な種類の雑貨がずらりと並んでいます。

姉妹が二人三脚で手掛ける空想の世界

左：画家で姉の西村典子さん、右：デザイナーで妹の西村祐紀さん

空想雑貨店を手掛けているのは、アーティストの西村典子さんとデザイナーの西村祐紀さん姉妹。姉の典子さんが空想の街を描いて、妹の祐紀さんが雑貨のデザインを手掛けています。空想の街は、典子さんが小学生から自由帳の片隅にずっと描き続けたオリジナルの世界。吉祥寺の街で毎日雑貨屋さん巡りをしながら大人になっても毎日描き続け、できたのが空想街雑貨店です。 「レトロでノスタルジックな雰囲気が好きで、建物をメインに植物や食べ物の街などを多く描いています。雑貨にした時の仕上がりを意識して配色にもこだわっていて、例えば影を入れないことによって絵全体を明るくきれいに表現できるように雰囲気を大切にしています。」（姉の典子さん）

複製原画「カフェの奥のコーヒーの街」（24200円）

空想街の世界観は実際の街もあれば、典子さんが行ってみたいと思い描く世界までさまざま。「空飛ぶ魚の街」や「月の文明」、「キノコの街」など今まで描いてきた様々な街は、今では100作品近くになります。1枚の原画はおおよそ3週間ほどかけて制作しているのだそう。

複製原画「不思議の国のキャロットシティ」（8800円）

いつも持ち歩いてワクワクできる空想の街の雑貨

「カフェの奥のコーヒーの街」のマグカップや長財布、カードケース

西村さん姉妹の魅力的な作品の一部をご紹介しましょう。「カフェの奥のコーヒーの街」は、コーヒーカウンターの奥にある街。世界一のコーヒーを淹れてくれて、絶品のコーヒーの味を楽しめます。やさしいタッチのデザインが多い作品の中では、珍しい落ち着いた深みのあるカラー。カフェやコーヒーが好きな方は、持っていると気分が上がりますよ。

「吉祥寺ワンダーランド」は2024年初秋に出来上がった新作絵柄

こちらはお店がある吉祥寺をモチーフにした「吉祥寺ワンダーランド」の作品。井の頭の森と吉祥寺を乗せたスワンが空を飛ぶ不思議な世界が描かれています。スワンの目が、船の車輪になっているところがなんとも愛らしいです。吉祥寺限定で販売をしています。

日常生活を充実させる人気のアイテム

「刺繍キット」　（2800円～）※+1300円でスタートセット（木枠、針2本、糸通し）付き

特に人気があるのが、空想の街を刺繍で楽しめる「刺繍キット」。仕上がりが10センチ9種類と15センチが3種類あり、初めて作る方でも安心。ひと針、ひと針心を込めて、刺繍の空想街を作ってみませんか。

「手作りキット＊ミニ3次元Box」（1650円～）

マッチ箱のようなBOXを開くと小さな空想街が広がる「手作りキット＊ミニ3次元Box」も人気の作品です。切り絵師で西村さん姉妹のお母さんが監修、デザイナーの祐紀さんが設計図をデザインしています。並べて飾ったり、集めて「街の標本箱を作ったり、楽しみ方はそれぞれ。街によって難易度が異なるのも楽しみの一つなので、いろいろな街造りに挑戦してみて。

「スマホケース」手帳型／ベルトあり・なし（4620円）、片面／ハード・ソフト（3300円）

「スマホケース」は、iPhone、アンドロイドの機種別、手帳型、ベルト付きなど豊富な種類があり、お気に入りの空想街のデザインでケースを作ることができます。本体への脱着が簡単で持ち歩きやすく、しっかりした作りなので本体と画面を守ります。見本が置いてあるので手触りや使い心地を確かめることもできますよ。

手帳型（ベルトなし）と片面ソフトケースはiPhoneのみの作成

空想の街が描かれている「空想街図鑑」

「空想街図鑑」（3080円）

“空想の街の詳しい物語が知りたい”、“もっと大きなサイズで街の絵を見たい”という声をもとに製作された「空想街図鑑」の販売もしています。図鑑には姉の典子さんが今まで描き貯めた空想の街が描かれており、ページをめくるたびに原画や雑貨に描かれているデザインをより立体的に体感することができます。

「空想街の旅行日程（空想街図鑑）より」

開くとほぼ原画サイズの空想の街が一面に。次のページにはその街の詳細な説明が書いてあり、実際にその街に旅行に行っているような気分に浸れます。そのほか、街カタログや旅の日程スケジュールを描いたコラムページもあり、充実した内容になっています。

画家のアトリエをイメージした部屋

手描きにこだわる西村さんの想いが詰まっているアトリエスペース

雑貨が並ぶ店内の奥には、画家のアトリエをイメージした部屋があるのでぜひのぞいてみて。これまで西村さんが手掛けた原画やポストカードなどが展示されているだけでなく、実際に制作に使用した絵の具やパレットなどの画材道具、原画になる前の下書きなども置いてあります。作品の背景にある想いや個性が伝わってくるようですね。

吉祥寺で人気のお菓子屋さんとコラボクッキー

「四角いクッキー缶・クッキー2袋」（1430円）

吉祥寺から少し離れた場所にある「おかしのいえとパン屋のぱんさん」とのコラボクッキーもおすすめ。きび砂糖を使って作られたクッキーは、サクッとしたやさしい歯触りにきび砂糖の風味とコク、まろやかな甘みが広がります。 空想街が描かれた四角いクッキー缶1つに、おかしのいえのクッキーが2袋入ります。好きなクッキーの組み合わせを選ぶ時間もワクワクする瞬間です。

豊富な種類のクッキーが詰まっている「お花のクッキー缶」（2200円）やカラフルな「金平糖」（1242円）を販売している

＊　＊　＊ お店の扉を開ければ、誰でも行くことのできる不思議な空想の世界。親しみのあるレトロなデザインが非現実の世界へと誘います。すぐ隣には姉妹店のカフェ「空想街カフェ 空飛ぶ魚」が営業しています。空想雑貨店のショッピングや、吉祥寺さんぽの合間に訪れてみてくださいね。