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2014.04.15
全国の“いいもの”を発信するショップ「SML」で、普段使いの器さがし
東京・中目黒にある器のお店「SML」。ここでは、全国各地の手仕事の品を展示・販売しています。穏やかな雰囲気の店内で、のんびり、自分だけのお気に入りを見つけてみませんか。
中目黒にひっそりと佇む、手仕事のお店
中目黒駅から徒歩7分ほど、落ち着いた通りにあるコンクリート打ちっぱなしのデザインビル。この1階に、「SML」はあります。ガラスの扉を開けると、奥行きのある店内に、たくさんの器がディスプイされています。第一印象でピンとくる器もあれば、「これ、どうやって使うのかな?」と思わせるような器など、種類は様々。ゆったり、落ち着いた店内で、色んな器と出会うことができますよ。
店内に並ぶ、全国の手仕事の数々
色あいが美しいガラスの花挿しや、副菜にも合いそうな小皿、ぽってりかわいらしいお茶碗など、日常使いにぴったりな器のほか、色んな形のすり鉢や、とても大きな花瓶など、たくさんの品々が並び、店内はまるでギャラリーのよう。見ているだけでも楽しくて、ついつい長居してしまいます。 このお店に並ぶ器は、ディレクターの宇野さんのセレクトによるもの。宇野さんは、デザインの仕事の傍ら、「SML」をオープンしました。以前は世界中を飛び回り、輸入雑貨店を営んでいたそうですが、ある日、大分の小鹿田焼に触れる機会があり、その器と作られている背景を知り「すごい!」と感激。それから器について勉強を始めることに。そのことが「SML」を始めるきっかけになったそうです。 「デザインの仕事をしている自分でも、かなりのインパクトを受けたんです。これは、周りの人もそう思うに違いないと思って、器のセレクトショップを始めました。」と宇野さん。お店を始めた当初は何もわからなかったそうですが、窯元さんとのやりとりを丁寧に重ねていって、今では、150件もの窯元とお付き合いがあります。 スタッフの方も、もちろん器好きで知識が豊富。どんな使い方ができるのか、どんなシーンで使えばいいのか、ちょっとしたことでも、丁寧に答えてくれます。窯元さんと距離が近い分、詳しいお話が聞けるのもうれしいです。
イベントで作り手と使い手がつながります
「SML」では、およそ2週間に1回のペースで、イベントや常設展の展示替えを行っています。ある作家さんの作品にフィーチャーした展示では、その作り手さんをお呼びし、器の使い方や作られた経緯などを聞くことができます。 おすすめのイベントは、販売されている器で実際に料理をいただけるというもの。 たとえば、絵柄のついたお皿は料理に合わないのでは?と思う人も多いのではないでしょうか。実は意外と料理に合う、ということを知ってもらうために、実際に器で食べてみるイベントを不定期で開催しているんです。 実際に体感してもらい、「良い!」と思ったら、生活に取り入れてもらう。そんなきっかけづくりも積極的に行われています。 イベントは各回で趣向が異なるので、気になったものにはぜひ参加してみてくださいね。
鳥取とも深い関係があります
鳥取県の大山。中国地方の最高峰です
器を買い付けるために全国を飛び回っている宇野さん。中でも、特に面白いと感じているのが山陰地方の鳥取県と島根県だそう。「吉田璋也(よしだしょうや)」という民芸運動家の精神が今でも根付き、古くからの伝統を大切にする気質に惚れ込んでいるそうです。 「SML」では、鳥取県にある複数の窯元と深いお付き合いがあり、岩井窯、山根窯、延興寺窯、因州・中井窯、福光焼、牧谷窯など、たくさんの窯元から仕入れています。実はお客さんにも鳥取県出身の方が多いそう。鳥取発の“いいもの”を発信する、ちょっとしたおしゃれなアンテナショップのようです。
何度も鳥取に足を運んでいるため、宇野さんは鳥取にとても詳しいです。ことりっぷ編集部では、「ことりっぷ鳥取」に向けて情報収集中ですが、宇野さんにもたくさん、素敵な情報を教えていただきました。 昨年9月で、オープンから丸3年を迎えた「SML」。中目黒という小さな町で、変わらずにこつこつ地道に続けていきたいという意気込みが感じられるお店です。 自分だけのお気に入りの一品を探しに、訪ねてみてはいかがでしょうか。
工藝 器と道具 SML
こうげい うつわとどうぐエスエムエル
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