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2022.07.02
食を大切にする台湾の家庭料理をふるまう、 神戸・六甲道の「小宇宙食堂」
JR六甲道駅から徒歩10分、国道2号線沿いにある南台湾ごはんの店「小宇宙食堂」。オーナーのリン シエさんは生まれも育ちも台湾。台湾料理の定番・ルーロ―飯から、中華まんに似た包子(パオズ)、ベーグルのような巻饅など、家庭的なメニューをふるまっています。台湾から仕入れる食材や調味料を使い丁寧に手作り。スパイスの使い方もマイルドで、台湾料理に慣れていない人にもしっくりなじむ素朴な味わいです。
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食べることで身体が癒されていく台湾家庭料理
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JR六甲道を南へ徒歩10分、国道2号線沿いとわかりやすい場所にある
近年の台湾ブームもあり、少しずつ台湾料理が食べられるお店が増えてきました。なかでも台湾好きがこぞって通うお店がここ「小宇宙食堂」。2020年2月、神戸の須磨に台湾式食養生を伝える料理教室として生まれ、同じ場所で食堂もスタート。2021年7月に神戸の六甲道にルーロー飯がメインのお店をオープンしました。
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店内はカウンター7席のみ
店内はカウンター席のみ。オープンキッチンにはルーロー飯の素が入った大きな鍋や蒸籠、台湾の調理家電として有名な電鍋などがズラリと並び、頭上には提灯がゆらゆら。台湾にワープしたかのような異国情緒が味わえます。
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実体験をもとに、台湾式食養生を発信
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オーナーのリンシエさん
オーナーのリンさんは、子どもの頃、身体が丈夫ではなく、食べて元気になろうと食養生を取り入れて、健康になれたんだとか。食養生のすばらしさを広く伝えるため、台湾調理師国家資格、国際健康養生専門調理資格などを取得。お店や料理教室、自費出版している冊子などを通して、健やかで豊かな食の在り方を提案しています。
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天井にふわりと浮かぶ提灯。手描き文字とイラストがかわいい
リンさんは実は水墨画作家としても活動。国立台湾芸術大学を卒業後、留学生として来日したのをきっかけに、神戸で暮らすようになりました。店内の壁画や提灯、食器などに描かれたイラストはリンさんの手によるものなのでチェックしてみてくださいね。
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定番のルーロー飯をアレンジした和え麺が新鮮
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汁なしルーロービーフン900円
台湾の定番ごはんといえば、ルーロー飯。こちらのルーロー飯は、神戸ポークをオリジナルブレンドのスパイスと一緒にホロホロになるまで煮込んだもの。豚肉の部位を厳選しているのでコク深く、それでいてさっぱりいただけるのが不思議です。自家製ねぎ油の香ばしさも食欲を刺激されます。 定番のルーロー飯もいいですが、このルーロー飯の素と台湾のビーフンを和えた汁なしルーロービーフンもおすすめ。日本のビーフンとは少し食感が異なり、サクサクと歯切れがよく、ルーロー飯の素との相性も抜群です。
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汁なしルーロービーフンとスープ、小鉢、プチデザート、台湾茶のセット1480円
ルーロー飯やルーロービーフンにはスープや小鉢がセットにできます。スープは梅酢、米酢、黒酢、ごま油、しょうゆをブレンド。酸味が強めで、豚肉を食べた後の口の中をさっぱりさせてくれます。小鉢やプチデザートはその都度異なります。
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パンの代わりやおやつにもなる台湾点心
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手前から時計まわりにターメリックバター豆あん饅400円(数量限定)、タロいもあん饅400円(数量限定)、黒糖小豆饅400円、キャベ豚饅400円、丹波黒豆饅300円
台湾点心として用意しているのが包子(パオズ)と巻饅(まきまん)。中華まんのような生地で具材を包んでいるのが包子、生地に黒豆やねぎ、パクチーなどを練り込んで巻いたのが巻饅です。 生地は国産小麦を天然酵母で半日かけてゆっくり発酵。蒸籠で蒸すと、むっちりと弾力のある食感に。素朴だけど、かみしめるほどに味わい深く感じられます。
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手前から時計まわりにパクチー巻饅300円、ねぎ巻饅300円、赤しそ巻饅300円、タロイモ巻饅300円(期間限定)、桑の葉巻饅300円(期間限定)
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食事をすれば追加でオーダーできる台湾点心と台湾茶のセット600円。写真はパクチーの花巻
包子や花巻は常時4~6種ありますが、ラインナップは不定期に入れ替わります。台湾茶とのセットもあるので、食後のデザートにいかがですか。
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台湾スイーツの定番・パイナップルケーキをおみやげに
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パイナップルケーキ400円
スイーツとして人気なのがパイナップルケーキ。甘さが控えめで、パイナップルの甘みをぎゅっと凝縮させたパイナップル餡がぎっしり詰まっています。
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台湾の方は挨拶がわりに「ジアバーメイ?(ごはん、食べた?)」と言うそう。食を大切にしている台湾では、ちゃんとごはんを食べている=元気の証なんだとか。「小宇宙食堂」に訪れたら、食事をするだけでなく、そんな台湾の食のあり方にも触れてみてください。
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小宇宙食堂
しょううちゅうしょくどう
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西 倫世 撮影:田村和成
Writer
西 倫世
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関西を中心に雑誌やWEBで旅・グルメ・トレンド情報に関する記事を発信。ラジオ番組への情報提供も担当
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